2019年7月21日 (仮訳)パキスタンの温帯ヒマラヤオーク林に産したHygrophorus属2新種 Naseer, A. et al., 2019. Two new species of Hygrophorus from temperate Himalayan Oak forests of Pakistan. MycoKeys. Available at: https://mycokeys.pensoft.net/article/30280/ [Accessed July 21, 2019] 【R3-06422】2019/7/21投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ パキスタン、カイバル・パクトゥンクワ州のオーク林で採集された2種の菌を検討し、Hygrophorus alboflavescensおよびH. scabrellusとして新種記載した。 前者は傘が純白で中央が窪み、柄が白色で下半分が黄色のパッチ状であることなどで特徴づけられた。 後者は傘が類白色で暗緑色および灰色の繊維状、柄が帯黄緑色で微細な鱗片状であり、担子胞子が卵状~楕円形であることなどで特徴づけられた。 Pakistan, Khyber Pakhtunkhwa Province, Swat, Shawar Valley (新種) Hygrophorus alboflavescens A. Naseer & A.N. Khalid 語源…白色で黄色になる(傘および柄の色から) 【よく似た種との区別】 Hygrophorus penarioides 同じオークを宿主とする ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりパキスタンではなくスウェーデンなどに分布する 本種より傘のサイズが大きい 本種と異なり傘が白色で黄色を帯びるのではなく純白で中央部がクリーム色 本種と異なり傘が中央が窪み中丘を欠き、縁部が直線状なのではなく凸形で幅広い中丘を有し、縁部が内側に巻く 本種より柄が短い 本種と異なり柄が白色で黄色を帯びるのではなく白色で下部がクリーム色 本種と異なり柄が円筒形ではなく基部にかけて強く先細りになる 本種と異なり柄表面の下半分が黄色のパッチ状なのではなく最上部が微細な綿毛状 本種より担子胞子の幅が狭い 本種と異なり担子胞子が楕円形および長楕円形ではなく卵状~広楕円形 ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Hygrophorus sordidus 同じオークを宿主とする 柄表面が乾燥している ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりパキスタンではなくスウェーデン、米国などに分布する 本種より傘のサイズが大きい 本種と異なり傘が中央が窪み中丘を欠き、縁部が直線状なのではなく凸形で平らに開き、縁部が内側に巻き”subnoccose” 本種より柄が短い 本種と異なり柄が白色で黄色を帯びるのではなく白色 本種と異なり柄が円筒形ではなく上下同大で時に基部が細まる 本種と異なり柄表面の下半分が黄色のパッチ状なのではなく無毛で上部が不明瞭な”noccose” 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子が楕円形および長楕円形ではなく楕円形 ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Pakistan, Khyber Pakhtunkhwa Province, Swat, Toa (新種) Hygrophorus scabrellus A. Naseer & A.N. Khalid 語源…粗面の(微細な鱗片状の柄から) 【よく似た種との区別】 Hygrophorus eburneus(シロヌメリガサ) 同じブナ科植物を宿主とする ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりパキスタンではなくスウェーデンなどに分布する 本種と異なりオークではなくブナ属樹木に特異性を有する 本種より傘のサイズが大きい 本種と異なり傘が類白色で暗緑色を帯びるのではなく純白色 本種と異なり傘が扁平~凸形で中丘を欠き、縁部が内側に巻くのではなく鈍頭~凸形で中丘を有し、縁部が内側に巻く 本種と異なり柄が帯黄緑色で頂部が白色なのではなく白色 本種より柄のサイズが大きい 本種と異なり柄が帯黄緑色で頂部が白色なのではなく白色 本種と異なり柄が円筒形ではなく上下同大で基部が急に細まり蠕虫状をなす 本種と異なり柄表面に鱗片を全長にわたって有するのではなく頂部のみに有し、残りは平滑 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子が卵状~楕円形ではなく楕円形 ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Hygrophorus cossus(クサヌメリガサ) 同じオークを宿主とする 傘が扁平~凸形 ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりパキスタンではなくイギリス、スウェーデンなどに分布する 本種より傘のサイズが大きい 本種と異なり傘が類白色で暗緑色を帯びるのではなく帯灰白色~淡黄褐灰色 本種と異なり傘が扁平~凸形で中丘を欠き、縁部が内側に巻くのではなく広凸形~扁平、縁部が内側に巻く 本種より柄のサイズが大きい 本種と異なり柄が帯黄緑色で頂部が白色なのではなく鮭肉黄褐色~肉桂色 本種と異なり柄が円筒形ではなく上下同大で基部が細まる 本種と異なり柄表面全体が鱗片状なのではなく頂部が繊維状~点状から粗面、下部2/3がゼラチン質の鞘に包まれる 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子が卵状~楕円形ではなく楕円形 ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される