2022年3月12日 (仮訳)トルコ産の新種Volvariella turcica、およびVolvariella属の複数遺伝子系統解析 Kaygusuz, O. et al., 2020. Volvariella turcica, a new species from Turkey, and a multigene phylogeny of Volvariella. Mycologia. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/00275514.2020.1724048 [Accessed March 12, 2022] 【R3-09317】2022/3/12投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ トルコ、アイドゥン県の温帯林で採集された菌を検討し、Volvariella turcicaとして新種記載した。 本種は子実体が小型、傘が白色で中央部が淡黄褐色、つぼが黄褐色、担子胞子が小型、側シスチジアが瓶形、縁シスチジアが棍棒形~風船形であることなどで特徴づけられた。 本種と形態的に類似および系統的に近縁な種との相違点を記述した。 Turkey, Aydin Province, Kuşadası District, Güzelçamlı (新種) Volvariella turcica O. Kaygusuz & H. Knudsen 語源…トルコの 【よく似た種との区別】 Volvariella krizii トルコに分布する 子実体が小型 傘が白色 柄が白色 担子胞子が小型 ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりチェコにおける分布が知られている 本種と異なりコナラ属とマツ属ではなくクマシデ属とニレ属とカエデ属の混交林などに生息する 本種より子実体のサイズが大きい 本種と異なりつぼが不規則に4-6裂する 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種より側シスチジアの幅が狭い 本種と異なり側シスチジアが瓶形ではなく紡錘状便腹形 ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Volvariella reidii 子実体が小型 傘が白色 担子胞子が小型 ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりトルコではなくデンマーク、スコットランド、フィンランドなどに分布する 本種と異なりマツ属およびコナラ属ではなくサンザシ属、シナノキ属、トウヒ属植物などのリターから発生する 本種と異なり傘中央部が僅かに黄褐色という特徴を欠く 本種と異なり柄上半分の表面が微細な細軟毛状という特徴を欠く 本種と異なりつぼが黄褐色に変色するという特徴を欠く 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が長形~楕円形ではなく卵状~広楕円形 本種よりシスチジアのサイズが小さい ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Volvariella albida 傘が白色 担子胞子が小型 本種と異なりトルコではなくインドなどに分布する 本種より傘のサイズが大きい 本種より担子胞子の幅が広い 本種と異なり担子胞子が長形~楕円形ではなく球形、卵状 本種と異なり側シスチジアが瓶形という特徴を欠く Volvariella bumelia 傘が白色 担子胞子が小型 本種と異なりトルコではなくインドなどに分布する 本種より傘のサイズが大きい 本種より担子胞子の幅が広い 本種と異なり担子胞子が長形~楕円形ではなく球形 本種と異なり側シスチジアが瓶形という特徴を欠く Volvariella sathei アジアに分布する 傘が白色 担子胞子が小型 本種と異なり傘表面が繊維状 本種と異なりつぼが黄褐色ではなく白色 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子が長形~楕円形ではなく類球形~卵状 本種と異なり側シスチジアが瓶形でない 本種と異なり縁シスチジアが棍棒形~風船形でない Volvariella smithii 傘が白色 担子胞子のサイズの範囲が重なる 本種と異なりトルコではなく北米などに分布する 本種と異なり傘中央部が黄褐色ではなく帯桃黄褐色 本種と異なり柄表面が密な細軟毛状 本種と異なりつぼが肉桂色を帯びた黄褐色 本種と異なり担子胞子が長形~楕円形ではなく卵状 本種と異なり側シスチジアが瓶形ではなく紡錘状便腹形 本種と異なり縁シスチジアが棍棒形~風船形ではなく紡錘状便腹形 Volvariella alachuana 子実体が白色 本種より担子胞子のサイズが大きい Volvariella argentina 子実体が白色 本種より担子胞子のサイズが大きい Volvariella thwaitesii 子実体が白色 本種より担子胞子のサイズが大きい Volvariella castanea 子実体が白色 本種より担子胞子のサイズが大きい Volvariella strangulata 子実体が白色 ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりトルコではなくイタリアなどに分布する 本種より担子胞子のサイズが大きい ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Volvariella hypopithys(モリノコフクロタケ) 傘が白色 担子胞子の長さが類似している ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりトルコではなくイタリア、米国などに分布する 本種より子実体のサイズが小さい 本種と異なり子実体が淡色 本種より傘の直径が小さい 本種と異なり傘表面が小鱗片状 本種と異なり柄表面全体が細軟毛状 本種よりつぼが薄い 本種と異なりつぼが淡黄褐色 本種と異なりつぼが2-4裂する 本種と異なりつぼが膜質 Volvariella striata 傘が白色 担子胞子の長さが類似している ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘に中丘を有する 本種と異なり傘縁部が条線状 本種と異なり担子胞子が長形~楕円形ではなく卵状~楕円形 ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Volvariella nivea アジアに分布する 傘が白色 担子胞子の長さが類似している ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりトルコではなく中国などに分布する ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Volvariella pellucida 傘が白色 担子胞子の長さが類似している 本種より傘の直径が小さい 本種と異なり傘が鈍白色 本種より柄が短い 本種と異なり柄が鈍白色 本種と異なりつぼが帯ワイン黄褐色~淡褐色 本種と異なりつぼが2-3裂する 本種と異なり側シスチジアが瓶形ではなく紡錘状便腹形 本種より縁シスチジアのサイズが小さい Volvariella pusilla(シロヒメフクロタケ) 傘が白色 担子胞子の長さが類似している ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりトルコではなくスペイン、イタリア、エストニアなどに分布する 本種より傘の直径が小さい 本種と異なり傘表面に小鱗片を欠く 本種と異なり傘表面が放射状条線状 本種より柄が短い 本種と異なり柄表面が無毛 本種と異なりつぼが白色~帯灰白色 本種と異なり担子胞子が長形~楕円形ではなく卵状~広楕円形 ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Volvariella surrecta(ヤグラフクロタケ) 傘が白色 ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりトルコではなくスペインなどに分布する 本種と異なりClitocybe nebularisの腐朽子実体上などに発生する 本種と異なり柄表面が絹状綿毛状または長軟毛状 本種と異なり担子胞子が長形~楕円形ではなく長楕円形 ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される