(仮訳)タイ産の材生息性の淡水産菌類:新属新種Ascothailandia grenadoidia、新種Canalisporium grenadoidiaおよびCanalisporium属の検索表
Sri-Indrasutdhi, V. et al., 2010. Wood-inhabiting freshwater fungi from Thailand: Ascothailandia grenadoidia gen. et sp. nov., Canalisporium grenadoidia sp. nov. with a key to Canalisporium species (Sordariomycetes, Ascomycota). Mycoscience. Available at: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1340354010701364 [Accessed December 14, 2014].
【R3-01371】2014/12/14投稿

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3行まとめ

タイ南部のハーラー・バーラー野生動物保護区で沈んだ材に発生した菌を検討し、新属新種Ascothailandia grenadoidiaとして記載した。
本属は暗褐色球形で孔口を有する子嚢殻を形成し、子嚢が円筒形でJ-の先端リングを有し、子嚢胞子に3隔壁を有することなどで特徴づけられた。
また、本種が形成したCanalisporiium属アナモルフをC. grenadoidiaとして新種記載した。
Khlong Ai-kading, Hala Bala Wildlife Sanctuary, Narathiwat, Thailand

(新種)

Ascothailandia grenadoidia Sri-indrasutdhi, Boonyuen, Sivichai & E.B.G. Jones
語源…(属名)子嚢+タイ/(種小名)グレネードに似た(分生子の形状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Savoryella spp.
淡水域に分布する
腐生菌である
子嚢胞子の中央細胞が褐色~黒色、末端細胞が無色~ほぼ無色
子嚢胞子の隔壁数が通常3
本種と異なり汽水域および海水域にも分布する
本種より子嚢果のサイズが大きい
本種より子嚢のサイズが大きい
本種と異なり子嚢が円筒形ではなく棍棒形~円筒形
本種と異なり子嚢内部に胞子が1列あるいはオーバーラップする2列ではなく通常2列で配列する
本種と異なり子嚢に先端リングを欠く
本種より側糸の幅が広い
本種と異なり側糸に隔壁を有する
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種と異なりアナモルフが知られていない
Ascotaiwania spp.
淡水域に分布する
腐生菌である
水中に沈んだ材に発生する
子嚢が円筒形
子嚢内部に胞子が1-2列で配列する
子嚢に先端リングを有する
子嚢胞子の末端細胞が無色~ほぼ無色
本種より子嚢果のサイズが大きい
本種より子嚢のサイズが大きい
本種と異なり子嚢の柄が長いのではなく短い
本種と異なり側糸に隔壁を有する
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種と異なり子嚢胞子の中央細胞が褐色~黒色ではなく褐色
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が通常3ではなく3-7
本種と異なりアナモルフがCanalisporium属ではなくMonotosporella
Canaliisporium elegans
タイに分布する
分生子の隔壁部分が中程度に強調される
分生子基部の細胞数が1
LSU+SSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁(同じサブクレードAに含まれる)
本種より分生子のサイズが小さい
本種と異なり分生子の着色が淡色ではなく中程度
本種と異なり分生子の縦隔壁の数(縦方向の列の数)が4-6ではなく4-5
本種と異なり分生子の横隔壁の数(横方向の列の数)が4-5ではなく5-8
本種と異なり分生子頂部の細胞数が1-4ではなく1-5
LSU+SSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Canaliisporium pulchrum
タイに分布する
水に沈んだ材に発生する
分生子基部の細胞数が1
LSU+SSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁(同じサブクレードAに含まれる)
本種より分生子の縦横のサイズが大きい
本種より分生子の厚みが少ない
本種と異なり分生子の着色が淡色ではなく中程度~暗色
本種より分生子の隔壁部分が強調される
本種と異なり分生子の縦隔壁の数(縦方向の列の数)が4-6ではなく2
本種と異なり分生子の横隔壁の数(横方向の列の数)が4-5ではなく3-9
本種と異なり分生子頂部の細胞数が1-4ではなく1-3
LSU+SSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Canaliisporium caribense
タイに分布する
水に沈んだ材に発生する
分生子基部の細胞数が1
LSU+SSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子の縦のサイズが大きい
本種より分生子の厚みが小さい
本種と異なり分生子の着色が淡色ではなく中程度~暗色
本種より分生子の隔壁部分が強調される
本種と異なり分生子の縦隔壁の数(縦方向の列の数)が4-6ではなく1
本種と異なり分生子の横隔壁の数(横方向の列の数)が4-5ではなく3-6
本種と異なり分生子頂部の細胞数が1-4ではなく2
LSU+SSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(サブクレードAではなくBに含まれる)
Canaliisporium exiguum
タイに分布する
水に沈んだ材に発生する
分生子基部の細胞数が1
LSU+SSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子のサイズが小さい
本種と異なり分生子の着色が淡色ではなく中程度~暗色
本種より分生子の隔壁部分が強調される
本種と異なり分生子の縦隔壁の数(縦方向の列の数)が4-6ではなく1
本種と異なり分生子の横隔壁の数(横方向の列の数)が4-5ではなく2-3
本種と異なり分生子頂部の細胞数が1-4ではなく2
LSU+SSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Canaliisporium jinghongensis
タイに分布する
水に沈んだ材に発生する
分生子が淡色
分生子の隔壁部分が中程度に強調される
分生子頂部の細胞数が1-4
分生子基部の細胞数が1
LSU+SSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁(同じサブクレードAに含まれる)
本種より分生子のサイズが小さい
本種と異なり分生子の縦隔壁の数(縦方向の列の数)が4-6ではなく4-5
本種と異なり分生子の横隔壁の数(横方向の列の数)が4-5ではなく2-4
LSU+SSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Canaliisporium kenyense
分生子の横隔壁の数(横方向の列の数)が4-5
本種より分生子の縦と横のサイズが大きい
本種より分生子の厚みが小さい
本種と異なり分生子の着色が淡色ではなく暗色
本種より分生子の隔壁部分が強調される
本種と異なり分生子の縦隔壁の数(縦方向の列の数)が4-6ではなく2
本種と異なり分生子頂部の細胞数が1-4ではなく1
Canaliisporium pallidum
分生子が淡色
分生子の横隔壁の数(横方向の列の数)が4-5
分生子基部の細胞数が1
LSU+SSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子の横のサイズと厚みが小さい
本種と異なり分生子の隔壁部分が強調されない
本種と異なり分生子の縦隔壁の数(縦方向の列の数)が4-6ではなくほとんどの場合1
本種と異なり分生子頂部の細胞数が1-4ではなく2
LSU+SSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(サブクレードAではなくBに含まれる)
Canaliisporium panamense
分生子基部の細胞数が1
分生子の隔壁部分が中程度に強調される
本種と異なり分生子柄を欠く
本種と異なり分生子の着色が淡色ではなく暗色
本種より分生子の縦横のサイズが大きい
本種より分生子の厚みが小さい
本種と異なり分生子の縦隔壁の数(縦方向の列の数)が4-6ではなく6-8
本種と異なり分生子の横隔壁の数(横方向の列の数)が4-5ではなく6-8
Canaliisporium variabile
分生子が淡色
分生子基部の細胞数が1
本種より分生子の厚みが小さい
本種と異なり分生子の隔壁部分が強調されない
本種と異なり分生子の縦隔壁の数(縦方向の列の数)が4-6ではなくほとんどの場合2
本種と異なり分生子の横隔壁の数(横方向の列の数)が4-5ではなく2-4
本種と異なり分生子頂部の細胞数が1-4ではなく1

(新種)

Canalisporium grenadoidia Sri-indrasutdhi, Boonyuen, Sivichai & E.B.G. Jones
語源…グレネードに似た(分生子の形状から)
※よく似た種は省略(2010年の論文のため、アナモルフを別途新種記載している)