2016年2月23日 (仮訳)米国南東部においてテーダマツの根に見出されたOphiostoma属新種 Zanzot, JW. et al., 2010. A new Ophiostoma species from loblolly pine roots in the southeastern United States. Mycological progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-010-0657-6 [Accessed February 22, 2016]. 【R3-02680】2016/02/23投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 米国ジョージア州においてテーダマツの根から分離された菌を検討し、Ophiostoma sparsiannulatumとして新種記載した。 本種は子嚢殻の頸部が非常に長いことなどで特徴づけられ、同様の形質を有するO. pluriannulatumとITS1/ITS2領域の配列が同一であった。 一方、本種はO. pluriannulatumとβ-チューブリンのイントロン/エクソンの構成が異なっており、形態的にも区別された。 USA, Georgia, Fort Benning (新種) Ophiostoma sparsiannulatum Zanzot, Z.W. de Beer & M.J. Wingf. 語源…疎らな”annulus”の 【よく似た種との区別】 Ophiostoma pluriannulatum 米国に分布する 同じマツ属植物を宿主とする 子嚢殻基部の直径の範囲が重なる 子嚢殻の頸部の長さの範囲が重なる 二次分生子を有する ITS領域の塩基配列が同一 本種と異なり中米、ヨーロッパ、日本、ニュージーランド、南アフリカなどから報告されている 本種と異なりコナラ属、トウヒ属、モミ属植物などが宿主として知られている 本種と異なり子嚢殻の”annulus”の数が0-2(-4)ではなく3-8 本種と異なり子嚢殻基部の色が暗褐色~黒色ではなく黒色 本種と異なり子嚢殻基部に帯褐色の菌糸を伴うのではなく装飾を欠くか淡褐色で隔壁を有する菌糸を僅かに伴う 本種より子嚢胞子のサイズが大きい 本種と異なり子嚢胞子がソーセージ形ではなく腎臓形 本種より分生子のサイズが大きい β-チューブリン遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(イントロン5を有し、イントロン4を欠くのではなくその逆である) Ophiostoma multiannulatum 米国に分布する 同じマツ属植物を宿主とする 子嚢胞子のサイズの範囲が重なる ITSおよびβ-チューブリン遺伝子に基づく分子系統解析で近縁(β-チューブリン遺伝子のイントロン4を欠き、イントロン5を有する) 本種より子嚢殻基部の直径が大きい 本種より子嚢殻の頸部が長い 本種と異なり子嚢殻の”annulus”の数が0-2(-4)ではなく6-9 本種と異なり子嚢殻基部の色が暗褐色~黒色ではなく黒色 本種と異なり子嚢殻基部に帯褐色の菌糸を伴うのではなく球形の細胞により粗面 本種と異なり子嚢胞子がソーセージ形ではなく腎臓形 本種より分生子のサイズが大きい 本種と異なり二次分生子を欠く ITSおよびβ-チューブリン遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSに9塩基の差異) Ophiostoma californicum 米国に分布する 子嚢殻基部の直径の範囲が重なる 子嚢殻の頸部の長さの範囲が重なる 子嚢胞子のサイズの範囲が重なる 二次分生子を有する ITSおよびβ-チューブリン遺伝子に基づく分子系統解析で近縁(β-チューブリン遺伝子のイントロン4を欠き、イントロン5を有する) 本種と異なりテーダマツではなくPrunus domesticaを宿主とする 本種と異なり子嚢殻の”annulus”の数が0-2(-4)ではなく0または数個 本種と異なり子嚢殻基部の色が暗褐色~黒色ではなく無色 本種と異なり子嚢殻基部に帯褐色の菌糸を伴うのではなく平滑 本種と異なり子嚢胞子がソーセージ形ではなく屈曲形 本種より分生子が長い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ophiostoma subannulatum 米国に分布する 子嚢殻基部の直径の範囲が重なる 子嚢殻の頸部の長さの範囲が重なる 二次分生子を有する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりテーダマツではなくモミ属植物を宿主とする 本種と異なり子嚢殻の”annulus”の数が0-2(-4)ではなく1-2(-4) 本種と異なり子嚢殻基部の色が暗褐色~黒色ではなく黒色 本種と異なり子嚢殻基部に帯褐色の菌糸を伴うのではなく装飾を欠くか帯褐色で隔壁を有する菌糸を僅かに伴う 本種より子嚢胞子のサイズが大きい 本種と異なり子嚢胞子がソーセージ形ではなくソーセージ形~広三日月形 本種より分生子の最大長が短い 本種より分生子の幅が広い 本種より分生子が球形に近い β-チューブリン遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSに6塩基の差異)