2016年4月23日 (仮訳)Veloporphyrellus属の分子系統および分類 Li, Y-C. et al., 2014. Molecular phylogeny and taxonomy of the genus Veloporphyrellus. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/106/2/291.short [Accessed April 22, 2016]. 【R3-02859】2016/04/23投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ Veloporphyrellus属菌の形態学的検討および分子系統解析を実施し、本属の単系統性を確かめた。 2新種および2新組み合わせを含む5種を記載するとともに、本属の検索表を掲載した。 2新種は中国雲南省で採集され、V. alpinusはモミ属植物、V. pseudovelatusはユサン属およびマツ属植物がそれぞれ宿主であった。 中国雲南省麗江市玉竜ナシ族自治県石頭白族郷 (新種) Veloporphyrellus alpinus Yan C. Li & Zhu L. Yang, 語源…高山の 【よく似た種との区別】 Veloporphyrellus pseudovelatus 中国に分布する 同じマツ科植物を宿主とする 肉に変色性を欠く nrLSUおよびnrLSU+EF1-α+mtSSU+atp6に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIIIに含まれる) 本種と異なり亜高山帯~高山帯(310-3600 m)ではなく約2000 mに分布する 本種と異なりモミ属ではなくユサン属およびマツ属植物を宿主とする 本種と異なり柄が帯黄橙色~帯灰橙色または帯赤褐色、褐色ではなく淡栗褐色 本種より担子胞子のサイズが比較的小さい nrLSUおよびnrLSU+EF1-α+mtSSU+atp6に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Veloporphyrellus conicus (Ravenel) B. Ortiz, Yan C. Li & Zhu L. Yang 旧名:Fistulinella conica (Ravenel) Pegler & T.W.K. Youngなど (基礎異名はBoletus conicus Ravenel) 【よく似た種との区別】 Veloporphyrellus pantoleucus 中米に分布する 肉に変色性を欠く 本種と異なり北米における分布が知られていない 本種と異なり傘表面の小鱗片が黄色、帯褐黄色、帯緑褐色ではなく白色~類白色 本種と異なり傘縁部に膜質の被膜を有する nrLSUおよびnrLSU+EF1-α+mtSSU+atp6に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIではなくクレードIIに含まれる) (その他掲載種) Veloporphyrellus pantoleucus L.D. Gómez & Singer 【よく似た種との区別】 Veloporphyrellus velatus nrLSUおよびnrLSU+EF1-α+mtSSU+atp6に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIIに含まれる) 本種と異なり北米および中米ではなくアジアに分布する 本種と異なりマテバシイ属植物 (?) を宿主とする 本種と異なり傘が白色ではなく白地に褐色、ココア色、栗褐色、暗い帯赤褐色の小鱗片を有する 本種と異なり傘表面が綿毛状でない 本種と異なり被膜が同色ではなく白色 本種と異なり被膜が類綿毛状でない 本種より担子胞子のサイズが比較的小さい nrLSUおよびnrLSU+EF1-α+mtSSU+atp6に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Veloporphyrellus conicus 中米に分布する 肉に変色性を欠く 本種と異なり北米における分布が知られている 本種と異なり傘表面の小鱗片が白色~類白色ではなく黄色、帯褐黄色、帯緑褐色 本種と異なり傘縁部に膜質の被膜を欠く nrLSUおよびnrLSU+EF1-α+mtSSU+atp6に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIではなくクレードIに含まれる) 中国雲南省昆明市金殿 (新種) Veloporphyrellus pseudovelatus Yan C. Li & Zhu L. Yang 語源…偽のVeloporphyrellus velatus 【よく似た種との区別】 Veloporphyrellus alpinus 中国に分布する 同じマツ科植物を宿主とする 肉に変色性を欠く nrLSUおよびnrLSU+EF1-α+mtSSU+atp6に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIIIに含まれる) 本種と異なり約2000 mではなく亜高山帯~高山帯(310-3600 m)に分布する 本種と異なりユサン属およびマツ属ではなくモミ属植物を宿主とする 本種と異なり柄が淡栗褐色ではなく帯黄橙色~帯灰橙色または帯赤褐色、褐色である 本種より担子胞子のサイズが比較的大きい nrLSUおよびnrLSU+EF1-α+mtSSU+atp6に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Veloporphyrellus velatus (Rostr.) Yan C. Li & Zhu L. Yang 旧名:Tylopilus velatus (Rostr.) F.L. Tai[無効] (基礎異名はSuillus velatus Rostr.) 【よく似た種との区別】 Veloporphyrellus pantoleucus nrLSUおよびnrLSU+EF1-α+mtSSU+atp6に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIIに含まれる) 本種と異なりアジアではなく北米および中米に分布する 本種と異なりマテバシイ属植物 (?) を宿主としない 本種と異なり傘が白地に褐色、ココア色、栗褐色、暗い帯赤褐色の小鱗片を有するのではなく白色 本種と異なり傘表面が綿毛状 本種と異なり被膜が白色ではなく同色 本種と異なり被膜が類綿毛状 本種より担子胞子のサイズが比較的大きい nrLSUおよびnrLSU+EF1-α+mtSSU+atp6に基づく分子系統解析で明瞭に区別される