2018年8月27日 (仮訳)ガイアナ産の新規イグチ科菌類:新属新種Binderoboletus segoi、新属新種Guyanaporus albipodus、新属新種Singerocomus rubriflavus、およびXerocomus inundabilisに対する新組み合わせ Henkel, TW. et al., 2016. New Boletaceae taxa from Guyana: Binderoboletus segoi gen. and sp. nov., Guyanaporus albipodus gen. and sp. nov., Singerocomus rubriflavus gen. and sp. nov., and a new combination for Xerocomus inundabilis. Mycologia. Available at: https://doi.org/10.3852/15-075 [Accessed August 27, 2018]. 【R3-05437】2018/8/27投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ ガイアナのパカライマ山地および周辺地域から3種の新属新種(Binderoboletus segoi、Guyanaporus albipodus、Singerocomus rubriflavus)を記載した。 また、ブラジルのみから知られていたXerocomus inundabilisを再記載し、本種をSingerocomus属に移した。 各種について複数遺伝子に基づく分子系統解析および担子胞子のSEM観察などを行った。 Guyana, Region 8 Potaro-Siparuni, Pakaraima Mountains, Upper Potaro River Basin, within 5 km radius of Potaro base camp (新種) Binderoboletus segoi T.W. Henkel & Husbands 語源…(属名)Manfred Binder博士(この菌に類似するRetiboletus属の基準種を記載した)に献名+イグチ/(種小名)フィールドアシスタントで採集者のFrancino “Sego” Edmund氏に献名 【よく似た種との区別】 Retiboletus ornatipes(キアミアシイグチ) 子実体のサイズが類似している 傘がオリーブ褐色 傘が凸形 管孔が淡黄色 管孔が傷つくと褐変する 管孔が直生する 孔口が亜等径 柄が黄色~帯褐色 柄がほぼ上下同大 柄表面に顕著な網目模様を有する 柄基部の菌糸体が黄色 肉が黄色 傘表面がKOHで赤褐色の呈色反応を示す 担子器のサイズが類似している 担子器の形状が類似している 担子胞子のサイズが類似している 担子胞子の形状が類似している 担子胞子がデキストリノイド 側シスチジアのサイズが類似している 側シスチジアの形状が類似している 側シスチジアがデキストリノイド 縁シスチジアのサイズが類似している 縁シスチジアの形状が類似している 傘表皮菌糸が錯綜する 傘表皮菌糸の幅が狭い 傘表皮菌糸が円筒形 傘表皮菌糸の末端細胞が分化に乏しい 本種と異なりガイアナではなく北米および中米などに分布する 本種と異なりDicymbe属純林ではなくオーク林などに生息する 本種と異なり傘表面がやや粘性を有するのではなく乾燥している 本種と異なり傘表面が類綿毛状 本種と異なり柄が黄色 本種と異なり柄表面の頂部ではなく全体に網目模様が及ぶ 本種と異なり子実体に苦味がある 本種と異なり担子器がほとんどの場合2または4胞子性なのではなく常に4胞子性 本種より担子胞子の幅が僅かに狭い 本種より担子胞子のQ値平均が大きい Xerocomus campinaranae 新熱帯に分布する 傘がオリーブ褐色 傘表面にやや粘性を有する 管孔が黄色 管孔が直生する 柄基部の菌糸体が黄色 肉が淡黄色 肉が変色しない 担子器が主に2または4胞子性 担子胞子のサイズが類似している 担子胞子の形状が類似している 側シスチジアのサイズの範囲が重なる 側シスチジアが狭便腹形 本種と異なりガイアナではなく中央アマゾンなどに分布する 本種より傘のサイズが小さい 本種より柄が短い 本種と異なり柄表面に網目模様を欠く 本種と異なり傘表皮が柵状毛状被 本種と異なり傘表皮の末端細胞が様々な形状をとる Boletus subreticulatus 子実体のサイズが類似している 傘表面に粘性を有する 柄が類円筒形 柄表面に顕著な網目模様を有する 本種と異なりガイアナではなくマレーシアなどに分布する 本種と異なり傘がオリーブ褐色ではなく褐色 本種と異なり柄基部の菌糸体が黄色ではなく白色 本種と異なり担子器がほとんどの場合2または4胞子性なのではなく4胞子性 本種と異なり管孔実質がイグチ型 Xerocomus macrocystis 傘のサイズが類似している 柄のサイズが類似している 柄表面に網目模様を有する 肉に変色性を欠く 担子胞子の長さが類似している 本種と異なりガイアナではなくコンゴなどに分布する 本種と異なり傘がオリーブ褐色ではなく褐色 本種と異なり柄がオリーブ褐色でない 本種より担子胞子の幅が広い 本種より担子胞子のQ値が小さい 本種より側シスチジアがずっと長い 本種より縁シスチジアがずっと長い Guyana, Region 8 Potaro-Siparuni, Pakaraima Mountains, Upper Potaro River Basin, within 5 km radius of Potaro base camp (新種) Guyanaporus albipodus T.W. Henkel & Husbands 語源…(属名)ガイアナの孔口/(種小名)白い足の(柄の基部に白色の菌糸体を伴うことから) 【よく似た種との区別】 Xerocomus scrobiculatus 同じマメ科植物を宿主とする 傘表面が乾燥している 傘のアルカリに対する呈色反応が陰性 管孔が淡黄色 管孔が直生する 柄表面が僅かに網目状 柄基部の菌糸体が白色 担子器のサイズの範囲が重なる 担子器の形状が類似している 側シスチジアのサイズが類似している 側シスチジアの形状が類似している 傘表皮菌糸の末端細胞のサイズが類似している 傘表皮菌糸の末端細胞の形状が類似している 本種と異なりガイアナではなくブラジルなどに分布する 本種と異なり傘が栗褐色 本種と異なり傘表面が孔状 本種と異なり管孔が青変しない 本種と異なり肉が青変しない 本種より担子胞子が長い Xerocomus globuliger 同じマメ科植物を宿主とする 傘のアルカリに対する呈色反応が陰性 管孔が淡黄色 柄基部の菌糸体が白色 本種と異なりガイアナではなくブラジルなどに分布する 本種と異なり傘が暗褐色 本種と異なり管孔が青変しない 本種と異なり柄表面が僅かに網目状なのではなく点状で網目を欠く 本種より担子器のサイズが大きい 本種より担子胞子がずっと長い Xerocomus dispersus 傘のサイズが類似している 傘が帯オリーブ褐色 傘が凸形 傘表面が乾燥している 傘表面が類小区画状 管孔が青変する 柄が帯オリーブ褐色 柄基部に菌糸体を伴う 肉が青変する 担子器が短棍棒形 傘表皮が柵状被 傘表皮菌糸の末端細胞が多様な形をとる 本種と異なりガイアナではなくマレーシアなどに分布する 本種と異なり管孔が明るい黄色 本種と異なり柄表面が僅かに網目状なのではなく粉状で網目を欠く 本種と異なり担子器が4胞子性 本種より担子胞子が長い Xerocomus brevisporus 傘のサイズが類似している 傘表面が類小区画状 管孔が黄色 管孔が青変する 管孔が直生する 柄のサイズが類似している 柄が傘と同色 柄表面が条線状~網目状 担子胞子が楕円形 傘表皮が柵状被 傘表皮菌糸の末端細胞が多様な形をとる 本種と異なりガイアナではなくコンゴなどに分布する 本種と異なり傘が黄褐色 本種と異なり柄が黄褐色 本種と異なり柄基部の菌糸体が白色ではなく淡褐色 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種より側シスチジアが長い 本種と異なり縁シスチジアを有する Boletus subcaerulescens 傘全体が帯褐色 傘が凸形~扁平で縁部が波打つ 管孔が淡黄色~鈍黄色 孔口が未熟時詰まっている 孔口に青変性を有する 柄が傘と同色 柄頂部表面が網目状 柄基部の菌糸体が白色 肉が淡色 担子器が短棍棒形 傘表皮が柵状被 傘表皮菌糸の末端細胞が棍棒形、便腹形、便腹状嘴形 本種と異なり傘が帯紫褐色 本種と異なり柄が帯紫褐色 本種と異なり柄が棍棒形 本種より担子胞子がずっと長い 本種と異なり側シスチジアを欠くように見える Guyana, Region 7 Cuyuni-Mazaruni, Pakaraima Mountains, Upper Mazaruni River Basin, 10 km west of Mount Ayanganna in vicinity of Pegaima savanna, within 0.5 km of a base camp (新種) Singerocomus rubriflavus T.W. Henkel & Husbands 語源…赤黄色の(子実体の色から) 【よく似た種との区別】 Xerocomus chapinii 傘が赤色 管孔が明るい黄色 管孔が青変しない 本種と異なりガイアナではなくブラジルなどに分布する 本種と異なり柄表面に鱗片を欠く 本種より担子胞子が短い Boletus phoeniculus 子実体がアワタケ型 子実体が中型~大型 傘が赤色 傘表面が綿毛状 管孔が黄色 管孔が青変しない 柄が傘と同色で頂部が黄色 柄表面が粉状~糠状 傘表皮菌糸が円筒形 本種と異なりガイアナではなくマレーシアに分布する 本種と異なり柄表面に屈曲する鱗片を欠く 本種と担子胞子のサイズが異なる Boletus spiculipes 子実体がアワタケ型 子実体が中型~大型 傘が赤色 傘表面が綿毛状 管孔が黄色 管孔が青変しない 柄が傘と同色で頂部が黄色 柄表面が粉状~糠状 傘表皮菌糸が円筒形 本種と異なりガイアナではなくマレーシアに分布する 本種と異なり柄表面に屈曲する鱗片を欠く 本種と担子胞子のサイズが異なる Xerocomus spinulosus 子実体が大型 傘表面が綿毛状~小鱗片状小区画状 管孔が帯オリーブ黄色 側シスチジアのサイズが類似している 側シスチジアの形状が類似している 傘表皮菌糸の末端細胞が円筒形 本種と異なりガイアナではなくコンゴ、カメルーンなどに分布する 本種と異なりシロアリの蟻塚と常に関係を持つ 本種と異なり傘が帯赤褐色 本種と異なり管孔が青変する 本種と異なり柄が帯赤褐色 本種と異なり肉が青変する 本種より担子胞子がやや長い Boletus longicurvipes 子実体がアワタケ型 傘が赤色 管孔が黄色 管孔が青変しない 柄がほぼ上下同大 柄表面が粗面 側シスチジアが広便腹形 傘表皮菌糸の幅が狭い 傘表皮菌糸の末端細胞が分化しない 本種と異なりガイアナではなく北米などに分布する 本種より傘が橙赤色 本種と異なり傘表面が粘性を有する 本種より担子器が短い 本種より担子胞子のサイズがずっと大きい Singerocomus inundabilis ガイアナに分布する nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりブラジルにおける分布が知られている nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ、ガイアナ新産種) Singerocomus inundabilis (Singer) T.W. Henkel & Huasbands 語源…(属名)故Rolf Singer氏に献名+Xerocomus属 旧名:Xerocomus inundabilis Singer 【よく似た種との区別】 Singerocomus rubriflavus ガイアナに分布する nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりブラジルにおける分布が知られていない nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される