(仮訳)ヨーロッパの温帯域におけるAporpium属菌とその新種に関する記録
Miettinen, O. et al., 2012. Notes on the genus Aporpium (Auriculariales, Basidiomycota), with a new species from temperate Europe. Annales Botanici Fennici. Available at: http://www.bioone.org/doi/abs/10.5735/085.049.0607 [Accessed April 26, 2014].
【R3-00649】2014/04/26投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

フィンランド・ポーランド・ヨーロッパロシア・ベラルーシ・エストニア・ラトビアで採集された菌を、Aporpium macroporumとして新種記載した。
本種は主にヤマナラシ属の落枝に発生し、CWDが豊富な原生林に近い老齢林を好んで生息する傾向が見られた。
本種は類縁種とは子実体の色や肉質、孔口のサイズなどのほか、ITS領域の塩基配列でも区別された。
Poland. Podlesie Reg., Hajnówka Dist., Białowieża Nat. Park, north of Poprzeczny Tryb, between Mogiłki and Łagiery

(新種)

Aporpium macroporum Niemelä, Spirin & Miettinen
語源…大きな孔口の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Aporpium canescens
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体の色が全体的に暗色
本種より孔口のサイズが小さい
本種より肉質が硬い
本種と異なり子実層面が傷つくと煙桃色ではなくコーヒー褐色に変色する
本種より担子胞子の幅が狭い
本種より骨格菌糸が濃色
本種ほど菌糸の構造が緩くない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(28塩基の違いがある)
Aporpium caryae
担子胞子のQ値の範囲が重なる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパではなく米国に分布する
本種より孔口のサイズが小さい
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より担子胞子のQ値が大きい
Ceriporiopsis aneirina
生態的に類似している
子実体の色が類似している
本種と異なり子実体全体の菌糸構成が2菌糸型ではない
Ceriporiopsis pseudogilvescens
生態的に類似している
子実体の色が類似している
本種と異なり子実体全体の菌糸構成が2菌糸型でない
Antrodia mellita
若い子実体が本種とかなり類似している
本種より子実体が黄色を帯びる
本種と異なり骨格菌糸に付着物を伴わない

(その他掲載種)

Aporpium canescens (P. Karst.) Bondartsev & Singer
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Aporpium macroporum
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体の色が全体的に淡色
本種より孔口のサイズが大きい
本種より肉質が軟らかい
本種と異なり子実層面が傷つくとコーヒー褐色ではなく煙桃色に変色する
本種より担子胞子の幅が広い
本種より骨格菌糸が淡色
本種より菌糸の構造が詰まっている
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(28塩基の違いがある)
Aporpium caryae
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパではなく米国に分布する
本種より孔口のサイズが小さい
本種より担子胞子が短い
本種より担子胞子のQ値が小さい
ITS領域の塩基配列が僅かではあるが安定して異なる(3塩基)

(その他掲載種)

Aporpium caryae (Schwein.) Teixeira & D.P. Rogers
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Aporpium macroporum
担子胞子のQ値の範囲が重なる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなくヨーロッパに分布する
本種より孔口のサイズが大きい
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子のQ値が小さい
Aporpium canescens
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなくヨーロッパに分布する
本種より孔口のサイズが大きい
本種より担子胞子が長い
本種より担子胞子のQ値が大きい
ITS領域の塩基配列が僅かではあるが安定して異なる(3塩基)