2023年1月4日 (仮訳)形態形質および分子の根拠に基づき中国産のRussula属Brevipedum亜属の4新種が明らかになった Chen, Y. et al., 2023. Morphological Characteristics and Molecular Evidence Reveal four New Species of Russula subg. Brevipedum from China. Journal of Fungi. Available at: https://www.mdpi.com/2309-608X/9/1/61 [Accessed January 4, 2023] 【R3-10210】2023/1/4投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国からRussula subg. Brevipedumの4新種を記載し、本亜属の種の検索表を掲載した。 R. brevisporaは子実体が白色で襞が非常に密、小襞を有し、担子胞子に低い疣を有し、子実層シスチジアが棍棒形または瓶形、R. flaescensは白色の傘が触れるとしばしば黄変し、子実層シスチジアが紡錘形であることなどで特徴づけられた。 R. longicollisは傘が白色で、傷つくと傘が帯灰黄色、襞が淡黄色になり、担子胞子が疣状で子実層シスチジアが紡錘形、R. pseudojaponicaは傘中央が帯黄褐色で襞が帯黄色、担子胞子が疣状で子実層シスチジアと傘シスチジアが棍棒形であることなどで特徴づけられた。 中国貴州省銅仁市梵浄山国家級自然保護区 (新種) Russula brevispora Y.L. Chen & J.F. Liang 語源…短い胞子の(担子胞子のサイズから) 【よく似た種との区別】 Russula japonica(シロハツモドキ) 東アジアに分布する 形態的に類似している(しばしば誤同定された) 子実体が白色 襞が密である 柄がずんぐりとしている 担子胞子に非アミロイドの胞子盤を有する ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく日本などに分布する 本種より柄が長い 本種より担子器の幅が広い 本種と異なり子実層シスチジアが瓶形ではなく円筒状棍棒形~長棍棒形 本種より縁シスチジアが短い ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula vesicatoria ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく米国、コスタリカなどに分布する 本種と異なり肉に変色性を有するのではなく欠く 本種と異なり胞子紋が黄褐色 本種より担子器が長い 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種より菌糸末端が長い 本種より菌糸末端の形状が細長い ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula flavescens 中国に分布する 襞の間隔が密 襞が傷つくと変色する 胞子紋がクリーム色 担子胞子が小型 担子胞子に非アミロイドの胞子盤を有する ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり側シスチジアが中程度に豊富なのではなく広く散在するか散在する 本種より側シスチジアが長い 本種と異なり子実層シスチジアがSV陰性ではなくSV+帯灰色 本種より傘シスチジアが比較的短い ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula pseudojaponica 中国に分布する 担子胞子に非アミロイドの胞子盤を有する ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり襞が帯灰橙色に染まるのではなく傷ついても変色しない 本種と異なり肉が帯灰橙色に染まるという特徴を欠く 本種より子実層シスチジアが長い 本種より傘シスチジアが長い 本種と異なり傘表皮の菌糸末端に2型があるという特徴を欠く ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国江蘇省南京市中山植物園 (新種) Russula flavescens Y.L. Chen & J.F. Liang 語源…黄色になる 【よく似た種との区別】 Russula japonica(シロハツモドキ) 東アジアに分布する 担子胞子に非アミロイドの胞子盤を有する ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく日本などに分布する 本種より担子器が短い 本種より子実層シスチジアが短い ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula pallidospora 襞の間隔が密 胞子紋がクリーム色 担子胞子が小型 担子胞子に非アミロイドの胞子盤を有する ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくヨーロッパなどに分布する 本種より柄が長い 本種より担子器が長い 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種より子実層シスチジアが長い ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula brevispora 中国に分布する 襞の間隔が密 襞が傷つくと変色する 胞子紋がクリーム色 担子胞子が小型 担子胞子に非アミロイドの胞子盤を有する ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり側シスチジアが広く散在するか散在するのではなく中程度に豊富 本種より側シスチジアが短い 本種と異なり子実層シスチジアがSV+帯灰色ではなくSV陰性 本種より傘シスチジアが比較的長い ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula inopina 襞の間隔が密 胞子紋がクリーム色 担子胞子が小型 本種と異なり中国ではなく北米などに分布する 本種より担子器が長い 本種より担子胞子が長い 本種と異なり担子胞子が楕円形 本種と異なり子実層シスチジアが棍棒形 Russula vesicatoria 襞の間隔が密 胞子紋がクリーム色 担子胞子が小型 担子胞子に非アミロイドの胞子盤を有する ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく米国、コスタリカなどに分布する 本種と異なり子実体に苦味と辛味がある 本種と異なり子実体に強い臭いがある 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり子実層シスチジアが中程度に豊富である ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula pseudojaponica 中国に分布する 担子胞子に非アミロイドの胞子盤を有する ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が純白色でない 本種と異なり子実体が触れたり傷ついたりすると淡黄色~淡褐色になるという特徴を欠く 本種と異なり襞が傷つくと変色するのではなく変色しない 本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい 本種と異なり縁シスチジアが棍棒形 ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国広東省恵州市博羅県羅浮山風景名勝区 (新種) Russula longicollis Y.L. Chen & J.F. Liang 語源…長い頸部の(子実層シスチジアの形状から) 【よく似た種との区別】 Russula leucocarpa 中国に分布する 森林に生息する 担子胞子にアミロイドの胞子盤を有する ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりシイ林ではなく針葉樹林などに生息する 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり子実層シスチジアが帯黄色 本種と異なり子実層シスチジアに小粒状の内容物を含む ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula cremicolor 中国に分布する 形態的に類似している ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より担子器の小柄が短い 本種と異なり担子胞子が類球形~広楕円形 本種と異なり担子胞子の装飾が完全な網目状 本種より傘シスチジアの幅が広い ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula luteolamellata 中国に分布する 担子胞子にアミロイドの胞子盤を有する 本種と異なり傘が帯黄色~淡橙色 本種と異なり襞が帯黄色 本種より担子胞子のサイズが大きい Russula subbrevipes 中国に分布する 担子胞子にアミロイドの胞子盤を有する ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘が黄褐色 本種と異なり担子胞子が類球形~広楕円形 ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula chloroides アジアに分布する 襞の間隔が比較的密である 担子胞子にアミロイドの胞子盤を有する ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくスロバキア、イラン、イタリア、ドイツなどに分布する 本種より柄が長い 本種と異なり柄頂部が帯緑色 本種より担子胞子が長い 本種と異なり担子胞子が球形~類球形でない 本種より子実層シスチジアのサイズが大きい 本種と異なり子実層シスチジアに微突形~頭状の突起を有する ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula delica(シロハツ) 中国に分布する 担子胞子にアミロイドの胞子盤を有する ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりベルギー、チュニジアにおける分布が知られている 本種と異なり襞の間隔が比較的密ではなくやや疎 本種より担子胞子が長い 本種より担子胞子の装飾の丈が低い 本種より子実層シスチジアが長い 本種と異なり傘シスチジアが稀である ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula laevis 襞の間隔が比較的密である 担子胞子にアミロイドの胞子盤を有する ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく米国、フィンランドなどに分布する 本種より傘のサイズが小さい 本種と異なり柄の形状が細長い 本種と異なり担子胞子が球形~類球形ではなく類球形~広楕円形 本種より菌糸末端が長い ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国四川省自貢市富順県青山村 (新種) Russula pseudojaponica Y.L. Chen & J.F. Liang 語源…偽のRussula japonica 【よく似た種との区別】 Russula japonica(シロハツモドキ) 東アジアに分布する 担子胞子に非アミロイドの胞子盤を有する ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく日本などに分布する 本種より子実体のサイズが大きい 本種より担子器の幅が広い 本種より子実層シスチジアが短い ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula flavescens 中国に分布する 担子胞子に非アミロイドの胞子盤を有する ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が純白色である 本種と異なり子実体が触れたり傷ついたりすると淡黄色~淡褐色になる 本種と異なり襞が傷ついても変色しないのではなく変色する 本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい 本種と異なり縁シスチジアが棍棒形 ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula brevispora 中国に分布する 担子胞子に非アミロイドの胞子盤を有する ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり襞が傷ついても変色しないのではなく帯灰橙色に染まる 本種と異なり肉が帯灰橙色に染まる 本種より子実層シスチジアが短い 本種より傘シスチジアが短い 本種と異なり傘表皮の菌糸末端に2型がある ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula vesicatoria 担子胞子に非アミロイドの胞子盤を有する ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく米国、コスタリカなどに分布する 本種と異なり傘縁部が成熟時内側に巻く 本種と異なり子実体に渋味~苦味から速やかに非常に辛くなる味がある 本種と異なり子実体に強く心地よい香りがある 本種と異なり胞子紋が黄褐色である ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula littoralis 形態的に類似している(容易に混同されうる) 担子胞子に非アミロイドの胞子盤を有する ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく中米、ヨーロッパなどに分布する 本種より担子器が長い 本種より担子胞子が長い 本種と異なり子実層シスチジアが散在する 本種と異なり子実層シスチジアの形状が細長い ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula flavispora 形態的に類似している(容易に混同されうる) 担子胞子に非アミロイドの胞子盤を有する 本種と異なり中国ではなくヨーロッパなどに分布する 本種より傘のサイズが大きい 本種と異なり胞子紋が黄色 本種よりシスチジアが長い Russula pallidospora 形態的に類似している(容易に混同されうる) ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくヨーロッパなどに分布する 本種より担子器が長い 本種より担子胞子のサイズが大きい 担子胞子に非アミロイドの胞子盤を有する 本種より子実層シスチジアが長い 本種と異なり子実層シスチジアが紡錘形である ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula pseudodelica 形態的に類似している(容易に混同されうる) 担子胞子に非アミロイドの胞子盤を有する 本種より柄のサイズが大きい 本種と異なり胞子紋が黄褐色である 本種と異なり担子胞子表面が疎らに針状 本種と異なり傘シスチジアを欠く