2015年4月21日 (仮訳)ポーランド、クルコノシェ山脈産のマウンテンパインの針葉に発生するLophodermium属新種 Koukol, O., Pusz, W. & Minter, D., 2015. A new species of Lophodermium on needles of mountain pine (Pinus mugo) from the Giant Mountains in Poland. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-015-1038-y [Accessed April 21, 2015]. 【R3-01755】2015/04/21投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ ポーランド、クルコノシェ山脈においてPinus mugoの生葉に発生した菌を検討し、Lophodermium corconticumとして新種記載した。 本種の発生した針葉は黄色の斑点が生じて早期に落葉し、その後黒色の帯線、分生子果、子嚢果が形成された。 本種は同種の樹木の落葉に発生するL. pinastriとは形態的に非常に類似するが、分生子果、子嚢果、子嚢の長さが異なり、特に分子データで明瞭に区別された。 Poland, Karkonosze National Park, Karpacz, 500 m W from ‘Dom Ślaski’ mountain shelter (新種) Lophodermium corconticum Koukol, Pusz & Minter 語源…クルコノシェ山脈に居住していた古代の民族名、Corcontiより 【よく似た種との区別】 Lophodermium pinastri ヨーロッパに分布する 同じPinus mugoを宿主とする 黒色の帯線を生じる コロニーの性状が非常に類似している ITSおよびアクチンに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりクルコノシェ山脈の固有種ではなく広範に分布する 本種と異なりPinus mugoだけでなく様々な種を宿主とする 本種より子嚢果がかなり短い 本種と異なり子嚢果の唇が灰色でない 本種より分生子果がかなり短い 本種より子嚢が僅かに長い傾向がある 本種より子嚢胞子がずっと長い 本種と異なり隣接する側糸同士を菌糸が架橋するという特徴を欠く 本種と異なり子嚢果上部の壁が裂け目の周囲で顕著に厚壁になるのではなく、僅かにしか厚壁にならない ITSおよびアクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lophodermium conigenum ヨーロッパに分布する 同じマツ属樹木を宿主とする ITSおよびアクチンに基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢果のサイズがかなり大きい 本種と異なり帯線が黒色ではなく褐色 本種と異なり帯線が明瞭でない ITSおよびアクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lophodermium seditiosum ヨーロッパに分布する 同じマツ属樹木を宿主とする ITSおよびアクチンに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子嚢果が部分的に表皮下に生じるのではなく全体が表皮下に生じる 本種と異なり帯線が黒色ではなく褐色 本種と異なり帯線が明瞭でない ITSおよびアクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lophodermium pini-excelsae ヨーロッパに分布する 同じマツ属樹木を宿主とする ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり移入種の五葉松のみを宿主とする ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lophodermium pini-mugonis ヨーロッパに分布する 生息地の気候が類似している 同じPinus mugoを宿主とする 子嚢果の唇が灰色 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりクルコノシェ山脈ではなくバイエルン・アルプスに分布する 本種と異なり子嚢果がクチクラ下に生じる ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lophodermium staleyi ヨーロッパに分布する 同じマツ属樹木を宿主とする 本種と異なりPinus mugoではなくヨーロッパアカマツを宿主とする 本種より子嚢果が短い 本種と分生子のサイズが異なる