2020年3月10日 (仮訳)ドイツにおいてサクラ属樹木の材に生じた新属新種Arboricolonus simplexおよびCadophora、Minutiella、Proliferodiscus属新種 Bien, S. & Damm, U. 2020. Arboricolonus simplex gen. et sp. nov. and novelties in Cadophora, Minutiella and Proliferodiscus from Prunus wood in Germany. MycoKeys. Available at: https://mycokeys.pensoft.net/article/46836 [Accessed March 10, 2020] 【R3-07122】2020/3/10投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ ドイツにおいてサクラ属樹木の材の壊死に関連する菌類を調査し、分子系統解析を実施した。 新属新種Arboricolonus simplexを記載したほか、Cadophora属の3新種、Minutiella属の1新種、およびProliferodiscus属の1新種を記載した。 Cadophora属菌のサクラ属樹木からの報告は初となった。 Germany, Saxony, orchard north of Wölkau (新種) Arboricolonus simplex S.Bien & Damm 語源…(属名)樹木に生息するもの/(種小名)単純な(分生子柄が退化的であることから) 【よく似た種との区別】 Polydesmia pruinosa ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりスポロドキアを形成する 本種と異なり分生子が倒卵状~ソーセージ形、円筒形ではなく鎌形 本種と異なり分生子に隔壁を有する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される South Africa, Western Cape Province, Franschhoek (新種) Cadophora africana Damm & S.Bien 語源…アフリカの 【よく似た種との区別】 Cadophora bubakii 同じサクラ属樹木を宿主とする 材に生息する 分生子が類球形のことがある ITS+TUB+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種より分生子の平均長が長い 本種より分生子の長さ/幅の比が大きい 本種と異なり類球形の分生子の割合が比較的小さい ITS+TUB+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cadophora ramosa 同じサクラ属樹木を宿主とする 材に生息する 分生子が類球形のことがある ITS+TUB+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり南アフリカではなくドイツに分布する 本種より分生子の平均長が長い 本種より分生子の長さ/幅の比が大きい 本種と異なり分生子がしばしば楕円形、長楕円形~円筒形である ITS+TUB+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cadophora prunicola 南アフリカに分布する 同じサクラ属樹木を宿主とする 材に生息する ITS+TUB+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と分生子柄の長さが異なる 本種と異なり分生子形成細胞がしばしば膨大する 本種と異なり分生子が類球形または涙形でない ITS+TUB+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される South Africa, Western Cape Province, Franschhoek (新種) Cadophora prunicola Damm & S.Bien 語源…サクラ属に生息する 【よく似た種との区別】 Cadophora novi-eboraci 同じサクラ属樹木を宿主とする 材に生息する ITS+TUB+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と分生子柄の長さが異なる 本種と異なり分生子形成細胞がしばしば膨大するという特徴を欠く ITS+TUB+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cadophora africana 南アフリカに分布する 同じサクラ属樹木を宿主とする 材に生息する ITS+TUB+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と分生子柄の長さが異なる 本種と異なり分生子形成細胞がしばしば膨大するという特徴を欠く 本種と異なり分生子が類球形または涙形 ITS+TUB+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Germany, Saxony, orchard north of Kunnerwitz (新種) Cadophora ramosa S.Bien & Damm 語源…枝状の(分生子柄の形状から) 【よく似た種との区別】 Cadophora africana 同じサクラ属樹木を宿主とする 材に生息する 分生子が類球形のことがある ITS+TUB+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりドイツではなく南アフリカに分布する 本種より分生子の平均長が短い 本種より分生子の長さ/幅の比が小さい 本種と異なり分生子がしばしば楕円形、長楕円形~円筒形であるという特徴を欠く ITS+TUB+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Germany, Baden-Württemberg, orchard west of Nussbach (新種) Minutiella pruni-avium S.Bien & Damm 語源…Prunus aviumの 【よく似た種との区別】 Minutiella tardicola 同じサクラ属樹木を宿主とする 材に生息する ITS+nrLSU+TUBに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりドイツではなく南アフリカなどに分布する 本種と異なりPrunus aviumではなくアンズなどを宿主とする 本種より分生子果のサイズが小さい 本種よりフィアライドが短い 本種とフィアライドのカラレットの形態が異なる ITS+nrLSU+TUBに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Germany, Baden-Württemberg, orchard south of Oppenau (新種) Proliferodiscus ingens S.Bien & Damm 語源…巨大な(分生子果のサイズから) 【よく似た種との区別】 Proliferodiscus pulveraceus 同じサクラ属樹木を宿主とする 本種より分生子のサイズが小さい (新組み合わせ) Cadophora bubakii (Laxa) Damm & S.Bien 旧名:Margarinomyces bubakii Laxa 【よく似た種との区別】 Cadophora africana 同じサクラ属樹木を宿主とする 材に生息する 分生子が類球形のことがある ITS+TUB+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種より分生子の平均長が短い 本種より分生子の長さ/幅の比が小さい 本種と異なり類球形の分生子の割合が比較的大きい ITS+TUB+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cadophora obscura 同じサクラ属樹木を宿主とする 材に生息する ITS+TUB+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり分生子形成細胞がフラスコ形ではなくほとんどの場合狭円筒形 本種より分生子の平均長が顕著に長い 本種と異なり分生子が類球形ではなく楕円形~円筒形 本種よりコロニーの生長が遅い ITS+TUB+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Cadophora luteo-olivacea (J.F.H. Beyma) T.C. Harr. & McNew (その他掲載種) Cadophora novi-eboraci Travadon, D.P. Lawr., Roon.-Lath., Gubler, W.F. Wilcox, Rolsh. & K. Baumgartner 【よく似た種との区別】 Cadophora prunicola 同じサクラ属樹木を宿主とする 材に生息する ITS+TUB+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と分生子柄の長さが異なる 本種と異なり分生子形成細胞がしばしば膨大する ITS+TUB+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Cadophora obscura Nannf. 【よく似た種との区別】 Cadophora bubakii 同じサクラ属樹木を宿主とする 材に生息する ITS+TUB+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり分生子形成細胞がほとんどの場合狭円筒形ではなくフラスコ形 本種より分生子の平均長が顕著に短い 本種と異なり分生子が楕円形~円筒形ではなく類球形 本種よりコロニーの生長が速い ITS+TUB+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される ※この他にProliferodiscus属の一種を掲載した。