2020年11月7日 (仮訳)北米北部産のCuphophyllus属の新種および新産種とそのユーラシア産類縁種との比較 Voitk, A. et al., 2020. New species and reports of Cuphophyllus from northern North America compared with related Eurasian species. Mycologia. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00275514.2019.1703476 [Accessed November 7, 2020] 【R3-07848】2020/11/7投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ カナダおよびグリーンランドからCuphophyllus esteriaeおよびC. lamarumの2新種を記載した。 また、C. flavipesのレクトタイプおよびエピタイプを指定し、Hygrophorus pseupodallidusおよびHygrocybe comosaをCuphophyllus属に移した。 北米およびユーラシア産の灰色および褐色の子実体を形成する本属菌の検索表を掲載した。 Canada, Newfoundland and Labrador, Labrador, l’Anse Amour (新種) Cuphophyllus esteriae Voitk, I. Saar & E. Larss. 語源…本種の採集者であるEsteri Ohenoja氏に献名 【よく似た種との区別】 Cuphophyllus lamarum カナダに分布する 本種と異なり極地-高山に分布するという特徴を欠く 本種と異なり上昇ボグに生息する 本種より子実体のサイズが大きい 本種より傘が明色で本種ほど紫色でない 本種と異なり柄の基部が黄色でないか時に淡黄色なのではなく黄色 本種より担子胞子がやや短い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cuphophyllus recurvatus 北米に分布する 本種と異なりカナダおよびグリーンランドではなく米国などに分布する 本種と異なり傘が帯灰色ではなく褐色 本種より担子胞子の幅が広い 本種と異なり傘表皮にゼラチン化した菌糸を含まない Cuphophyllus comosus 子実体が明色 本種と異なりカナダおよびグリーンランドではなくフランスに分布する 本種より子実体のサイズが小さい 本種より子実体の形状が細長い 本種より傘/柄の比が大きい 本種と異なり傘に顕著な乳頭突起を有する 本種と異なり傘の乳頭突起表面に大型円錐形の小鱗片を有する 本種と異なり襞実質が強く錯綜する Cuphophyllus cinerellus 形態的に類似している(当初本種に同定された) 傘中央部表面に微細な鱗片を有する 本種と異なりカナダおよびグリーンランドではなくユーラシア大陸に分布する 本種より担子器のサイズが大きい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Canada, Newfoundland and Labrador, West of the Trans Canada Highway near the southern tip of Grand Lake (新種) Cuphophyllus lamarum Voitk, Boertm. & I. Saar 語源…ボグの(生息環境から) 【よく似た種との区別】 Cuphophyllus subviolaceus 北米に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種より発生時期が遅い 本種と異なり傘が黄褐色~褐色ではなく灰色 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cuphophyllus esteriae カナダに分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり極地-高山に分布する 本種と異なり上昇ボグに生息するという特徴を欠く 本種より子実体のサイズが小さい 本種より傘が暗色で本種より紫色 本種と異なり柄の基部が黄色ではなく黄色でないか時に淡黄色 本種より担子胞子がやや長い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cuphophyllus cinerellus ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり極地-高山に分布する 本種と異なり上昇ボグに生息するという特徴を欠く 本種より子実体のサイズが小さい 本種ほど子実体が帯褐色の淡色でない 本種と異なり傘表面がしばしば微細な鱗片状 本種ほど柄基部が黄色でない 本種より担子胞子が長い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cuphophyllus flavipes(ハイムラサキガサ) 子実体のサイズが類似している 子実体の形状が類似している 柄基部が黄色 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり北米に分布するという特徴を欠く 本種と異なり上昇ボグに生息するという特徴を欠く 本種より傘が暗色 本種と異なり傘表面が平滑 本種より襞が暗色 本種より柄が暗色 本種より肉が暗色 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sweden, Torne Lappmark, Jokkmokk, Padjelanta, Arranoajvve (その他掲載種) Cuphophyllus cinerellus (Kühner) Bon ※本種のエピタイプ標本を指定した。 【よく似た種との区別】 Cuphophyllus esteriae 形態的に類似している(当初本種に同定された) 傘中央部表面に微細な鱗片を有する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりユーラシア大陸ではなくカナダおよびグリーンランドに分布する 本種と子実体の色が異なる 本種より担子器のサイズが小さい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cuphophyllus lamarum ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり極地-高山に分布するという特徴を欠く 本種と異なり上昇ボグに生息する 本種より子実体のサイズが大きい 本種より子実体が帯褐色の淡色である 本種と異なり傘表面がしばしば微細な鱗片状という特徴を欠く 本種より柄基部が黄色である 本種より担子胞子が短い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cuphophyllus flavipes(ハイムラサキガサ) ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と子実体のサイズが異なる 本種と異なり傘表面がしばしば微細な鱗片状なのではなく平滑 本種と異なり柄の基部が黄色 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cuphophyllus comosus 子実体が明色 本種と異なりフランスに分布する 本種より子実体のサイズが小さい 本種より子実体の形状が細長い 本種より傘/柄の比が大きい 本種と異なり傘に顕著な乳頭突起を有する 本種と異なり傘の乳頭突起表面に大型円錐形の小鱗片を有する 本種と異なり襞実質が強く錯綜する (新組み合わせ) Cuphophyllus comosus (Bas & Arnolds) Lodge, Boertm. & E. Larss. 旧名:Hygrocybe comosa Bas & Arnolds 【よく似た種との区別】 Cuphophyllus cinerellus 子実体が明色 本種と異なりフランスに分布するという特徴を欠く 本種より子実体のサイズが大きい 本種ほど子実体の形状が細長くない 本種より傘/柄の比が小さい 本種と異なり傘に顕著な乳頭突起を有するという特徴を欠く 本種と異なり傘の乳頭突起表面に大型円錐形の小鱗片を有するという特徴を欠く 本種と異なり襞実質が強く錯綜するという特徴を欠く Cuphophyllus esteriae 子実体が明色 傘中央部表面に微細な鱗片を有する 本種と異なりフランスではなくカナダおよびグリーンランドに分布する 本種より子実体のサイズが大きい 本種ほど子実体の形状が細長くない 本種より傘/柄の比が小さい 本種と異なり傘に顕著な乳頭突起を有するという特徴を欠く 本種と異なり傘の乳頭突起表面に大型円錐形の小鱗片を有するという特徴を欠く 本種と異なり襞実質が強く錯綜するという特徴を欠く Canada, Newfoundland and Labrador, Labrador, l’Anse Amour 51.461222, -56.858738 (その他掲載種) Cuphophyllus flavipes (Britzelm.) Bon ハイムラサキガサ ※本種のレクトタイプおよびエピタイプ標本を指定した。 【よく似た種との区別】 Cuphophyllus lacmus ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり柄基部が黄色でない 本種と異なり柄表面が繊維状でない 本種と異なり子実体が無臭でない ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cuphophyllus lamarum 子実体のサイズが類似している 子実体の形状が類似している 柄基部が黄色 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり北米に分布する 本種と異なり上昇ボグに生息する 本種より傘が明色 本種と異なり傘表面が平滑でない 本種より襞が明色 本種より柄が明色 本種より肉が明色 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cuphophyllus cinerellus ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と子実体のサイズが異なる 本種と異なり傘表面が平滑ではなくしばしば微細な鱗片状 本種と異なり柄の基部が黄色でない ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Cuphophyllus hygrocyboides (Kühner) Bon 【よく似た種との区別】 Cuphophyllus colemannianus 北方に分布する 本種と異なり開けた荒野に生息するという特徴を欠く 本種より子実体のサイズが大きい 本種と異なり子実体が明るい橙褐色ではなくより暗色の褐色 本種より傘のサイズが大きい (新組み合わせ) Cuphophyllus pseudopallidus (Hesler & A.H. Sm.) Lodge, Boertm. & E. Larss. 旧名:Hygrophorus pseudopallidus Hesler & A.H. Sm.