2017年11月7日 (仮訳)中国において植物の葉から分離された単輪生で分生子柄頂部が膨大するAspergilloides節の2新種、Penicillium fusisporumおよびP. zhuangii Wang, B., Yu, Y. & Wang, L., 2014. Penicillium fusisporum and P. zhuangii, Two New Monoverticillate Species with Apical-Swelling Stipes of Section Aspergilloides Isolated from Plant Leaves in China. PLOS ONE. Available at: http://dx.plos.org/10.1371/journal.pone.0101454 [Accessed November 6, 2017]. 【R3-04553】2017/11/7投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国において植物の葉から分離された2種を検討し、Penicillium fusisporumおよびP. zhuangiiとして新種記載した。 両種はいずれも分生子柄が単輪生で頂部が膨大する特徴を有し、前者はツツジ属、後者はカバノキ属およびツツジ属植物の葉から分離された。 前者は生長が速く、分生子柄表面が疣状、分生子が紡錘形~長楕円形、肉桂色の菌核を形成することなどで、後者は生長速度が中程度、分生子柄が平滑、分生子が球形~卵状であることなどで特徴づけられた。 中国陝西省南宮山国家森林公園 (新種) Penicillium fusisporum L. Wang 語源…紡錘形の胞子の(分生子の形状から) 【よく似た種との区別】 Penicillium aurantioviolaceum 分生子柄が単輪生 分生子柄頂部の膨大部の幅の範囲が重なる 本種より分生子柄がずっと長い 本種と異なり分生子柄が疣状で時折平滑なのではなく密で細かい小刺状 本種よりフィアライドのサイズが小さい 本種より分生子が短い 本種と異なり分生子が紡錘形~長楕円形ではなく強い楕円形~紡錘形 本種と異なり分生子表面が平滑ではなく主に繊細な粗面 本種と異なり菌核を形成しない 本種と異なりコロニーがビロード状ではなく緩いビロード状~綿毛状 Penicillium crocicola 分生子柄が単輪生 フィアライドのサイズの範囲が重なる 分生子表面が平滑 本種より分生子柄が短い 本種と異なり分生子柄がCYA培地において次端部で分枝することがあるという特徴を欠く 本種と異なり分生子柄が疣状で時折平滑なのではなく平滑 本種より分生子が短い 本種と異なり分生子が紡錘形~長楕円形ではなく球形~類球形 本種より菌核のサイズが小さい 本種と異なり菌核が肉桂色ではなく黄褐色~暗褐色 Penicillium patens 分生子柄が単輪生 フィアライドのサイズの範囲が重なる 分生子表面が平滑 コロニーの外観が類似している 本種より分生子柄がずっと長い 本種と異なり分生子柄に頂嚢を欠く 本種と異なり分生子柄がCYA培地において次端部で分枝することがあるという特徴を欠く 分生子柄頂部の膨大部の幅の範囲が重なる 分生子柄が単輪生 分生子柄に頂嚢を有する フィアライドのサイズの範囲が重なる 分生子のサイズの範囲が重なる 分生子の色が類似している (pea green) 菌核を豊富に形成する CaMおよびBenAに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりツツジ属ではなくマツ属植物などを宿主とする 本種と異なり葉ではなく球果などから分離される 本種より分生子柄のサイズが大きい 本種と異なり分生子柄がCYA培地において次端部で分枝することがあるという特徴を欠く 本種と異なり分生子柄が疣状で時折平滑なのではなく繊細な小刺状 本種と異なり分生子が紡錘形~長楕円形ではなく類球形~楕円形 本種と異なり分生子表面が平滑ではなく平滑または微細~明瞭な粗面 本種より菌核のサイズが小さい 本種と異なり菌核が肉桂色ではなく帯桃色~杏色 本種よりコロニーの生長が遅い CaMおよびBenAに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国陝西省周至黒河国家森林公園 (新種) Penicillium zhuangii L. Wang 語源…さび菌類の研究者、庄剣云教授に献名 【よく似た種との区別】 Penicillium lividum 中国に分布する 分生子柄が単輪生 分生子柄表面が平滑 フィアライドのサイズの範囲が重なる CaMおよびBenAに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりスコットランドにおける分布が知られている 本種より分生子柄がずっと長い 本種より分生子柄頂部の膨大部の幅が広い 本種と異なり分生子柄が時にメトレ類似の短い分枝を生じるという特徴を欠く 本種より分生子の幅が狭い 本種と異なり分生子が球形~卵状ではなく類球形、卵状、楕円形 本種と異なり分生子表面が完全な平滑ではなく明瞭な粗面で螺旋状の帯をあらわす 本種よりコロニーの生長が速い CaMおよびBenAに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Penicillium odoratum 分生子柄が単輪生 フィアライドのサイズの範囲が重なる 分生子のサイズの範囲が重なる 分生子が球形~卵状 本種より分生子柄の最大長が長い 本種より分生子柄頂部の膨大部の幅が広い 本種と異なり分生子柄表面が平滑ではなく粗面 本種と異なり分生子が楕円形のことがある 本種と異なり分生子表面が平滑ではなく粗面で微かな帯状 本種と異なり培養下で分生子形成が中程度ではなく遅延する 本種と異なりコロニーが強いリンゴ臭を生じる ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Penicillium quercetorum 分生子柄が常に単輪生 分生子柄表面が平滑 フィアライドのサイズの範囲が重なる 分生子表面が平滑 コロニーの生長速度の範囲が重なる 本種より分生子柄頂部の膨大部の幅が広い 本種より分生子柄がずっと長い 本種より分生子のサイズが小さい 本種と異なり分生子が球形~卵状ではなく球状 本種と異なり菌核を形成する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Penicillium trzebinskii 分生子柄が単輪生 本種より分生子柄の幅が狭い 本種と異なり分生子柄表面が平滑ではなく密で明瞭な小刺状 本種よりフィアライドのサイズが小さい 本種より分生子のサイズが小さい 本種と異なり分生子が球形~卵状ではなく類球形~広楕円形 本種と異なり分生子表面が平滑ではなく明瞭な小刺状 本種と異なりCz培地でのリバースが”cinnamon drab”ではなく濃鈍紫色~暗灰色 本種と異なりCz培地でのコロニーがビロード状ではなく綿毛状 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される