(仮訳)PolyporusMelanopusグループの系統分類およびグローバルな多様性
Dai, Y-C. et al., 2014. Phylogeny and global diversity of Polyporus group Melanopus (Polyporales, Basidiomycota). Fungal Diversity. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s13225-013-0248-3 [Accessed July 24, 2024] 【R3-11912】2024/7/24投稿

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3行まとめ

Polyporus属のうちMelanopusグループの系統と多様性を調査し、分子系統解析で本群に4つのクレードを認めた。
その結果からP. americanusP. austroandinus、およびP. conifericolaの3新種を記載した。
また、P. fraxineusP. fraxinicolaに改名した。
USA, New York, Fish Creek Pond

(新種)

Polyporus americanus Vlasák & Y.C. Dai
語源…アメリカの
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【よく似た種との区別】
Polyporus tubaeformis(アシグロジョウゴタケ)
被子植物に生じる
材生息菌である
子実体上面が褐色~黒褐色
孔口のサイズが類似している
担子胞子のサイズが類似している
シスチジオールを有する
実質菌糸がゼラチン化する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘が深い漏斗形
本種と異なり孔壁が全縁
本種ほどシスチジオールが豊富でない
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polyporus melanopus
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が一見地上生であり地下の根から生じる
本種と異なり子実体がしばしば数個同一の基部から生じる
本種より子実体ががっしりした肉質である
本種と異なり傘表面が乾燥時無毛
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polyporus conifericola
シスチジオールを有する
実質菌糸がゼラチン化する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなく中国に分布する
本種と異なり裸子植物に生じる
本種より孔口のサイズが小さい
本種と異なり孔壁が全縁
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Argentina, Chubut, Futaleufú, ‘La 106’ Ranch

(新種)

Polyporus austroandinus Rajchenb. & Y.C. Dai
語源…アンデス南部の
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【よく似た種との区別】
Polyporus dictyopus
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアルゼンチンではなく汎熱帯的に分布する
本種より孔口のサイズが小さい
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が楕円形
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polyporus melanopus
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が地上生
本種と異なり孔壁が全縁
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polyporus submelanopus
子実体が褐色~黒色
子実体が有柄
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なりシスチジオールを欠く
本種と異なり生殖菌糸に単純隔壁とクランプの両方を有する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国内モンゴル自治区根河市

(新種)

Polyporus conifericola H.J. Xue & L.W. Zhou
語源…針葉樹に生息する
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【よく似た種との区別】
Polyporus tubaeformis(アシグロジョウゴタケ)
材生息菌である
子実体が橙褐色~帯赤褐色
子実体が漏斗形
孔口面が藁黄色~黄褐色
シスチジオールを有する
実質菌糸が錯綜する
実質菌糸が通常ゼラチン化する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり裸子植物のみではなくほとんどの場合被子植物、稀にトウヒ属樹木に生じる
本種より孔口のサイズが大きい
本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polyporus submelanopus
傘が漏斗形
傘の縁部が鋭い
孔口面が藁黄色
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が地上生
本種より孔口のサイズが大きい
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり生殖菌糸に単純隔壁とクランプの両方を有する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polyporus badius(アシグロタケ)
子実体が単生または集まりをなす
傘が帯黒褐色
孔口が円形~角張る
柄が黒色
シスチジオールを有する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より孔口のサイズが僅かに大きい
本種より担子胞子の幅が広い
本種と異なり生殖菌糸に単純隔壁を有する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polyporus melanopus
子実体が単生または集まりをなす
傘が帯黒褐色
孔口が円形~角張る
柄が黒色
シスチジオールを有する○ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体がほとんどの場合地上生
本種より孔口のサイズが大きい
本種より担子胞子の幅が広い
本種より実質菌糸が緩く錯綜する
本種と異なり実質菌糸がゼラチン化しない
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polyporus americanus
シスチジオールを有する
実質菌糸がゼラチン化する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなく米国に分布する
本種と異なり裸子植物に生じるという特徴を欠く
本種より孔口のサイズが大きい
本種と異なり孔壁が全縁でない
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新学名)

Polyporus fraxinicola L.W. Zhou & Y.C. Dai
旧名:Piptoporus fraxineus Bondartsev & Ljub.
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【よく似た種との区別】
Polyporus admirabilis
形態的に類似している(同種とされてきた)
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり孔壁が全縁ではなく裂ける
本種より担子胞子が長い
本種と異なりシスチジオールを欠くのではなく有する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される