2018年7月30日 (仮訳)2新種を含むカルパティア山脈高山帯産のワカフサタケ属菌類 Eberhardt, U. et al., 2015. The genus Hebeloma in the alpine belt of the Carpathians including two new species. Mycologia. Available at: https://doi.org/10.3852/15-097 [Accessed July 29, 2018]. 【R3-05351】2018/7/30投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ カルパティア山脈の高山帯においてワカフサタケ属菌の調査を実施し、11種を同定した。 そのうちHebeloma grandisporumおよびH. oreophilumの2新種を記載した。 また、1種を高山帯から、1種をハンニチバナ属植物の近傍から、9種をカルパティア山脈高山帯から、それぞれ初めて報告した。 Romania, Sibiu, southern Carpathians, Fagaraş Mountains, upper part of Valea Podragului Valley (toward Şaua Podragului Pass) (新種) Hebeloma grandisporum Beker, U. Eberh. & A. Ronikier 語源…大きな胞子の 【よく似た種との区別】 Hebeloma nigellum 高山-極地に分布する 担子胞子が扁桃形 担子胞子がデキストリノイド ITS、RPB2、TEF1αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりカルパティア山脈における分布が知られていない 本種より担子胞子の平均長が短い ITS、RPB2、TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Slovakia, Prešov, western Carpathians, Tatra Mountains, Belanské Tatra Mountains, N slopes of Mount Hlúpy, vicinity of the summit (新種) Hebeloma oreophilum Beker & U. Eberh. 語源…山を好む 【よく似た種との区別】 Hebeloma clavulipes 本種と異なり高山帯に分布するという特徴を欠く 本種より担子胞子の幅が狭い 本種ほど担子胞子が卵状でない (カルパティア山脈高山帯新産種) Hebeloma aanenii Beker, Vesterh. & U. Eberh. 【よく似た種との区別】 Hebeloma vaccinum カルパティア山脈に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じHebeloma節クレードに含まれる) 本種と異なり縁シスチジアが主に棍棒形有柄なのではなく主に棍棒形~便腹形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Hebeloma alpinum (J. Favre) Bruchet ※本種をハンニチバナ属植物の近傍から初めて報告した。 【よく似た種との区別】 Hebeloma vaccinum カルパティア山脈に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じHebeloma節クレードに含まれる) 本種と異なり縁シスチジアが主に棍棒形有柄なのではなく主に棍棒形~便腹形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (カルパティア山脈高山帯新産種) Hebeloma dunense L. Corb. & R. Heim 【よく似た種との区別】 Hebeloma marginatulum カルパティア山脈に分布する 常にヤナギ科植物を宿主とする 形態的に類似している(混同されてきたとみられる) ITS、RPB2、TEF1αに基づく分子系統解析で近縁(同じHebeloma節クレードに含まれる) 本種と異なり担子胞子に明瞭な装飾を有するのではなくほぼ装飾を欠く 本種と異なり担子胞子にぼんやりとしているが明瞭なデキストリノイド性を有するのではなく完全に非デキストリノイド ITS、RPB2、TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Hebeloma mesophaeum(ワカフサタケ) カルパティア山脈に分布する ITS、RPB2、TEF1αに基づく分子系統解析で近縁(同じHebeloma節クレードに含まれる) 本種と異なり常にヤナギ科植物を宿主とするのではなく様々な樹種と関係を持つ 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が扁桃形ではなく楕円形で稀に扁桃形 ITS、RPB2、TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (カルパティア山脈高山帯新産種) Hebeloma laterinum (Batsch) Vesterh. 【よく似た種との区別】 Hebeloma naviculosporum 同所的に発生する(カルパティア山脈) 傘の色が類似していることがある(この種が淡色の場合) ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり担子胞子が舟形 本種と異なり縁シスチジアが円筒形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Hebeloma marginatulum (J. Favre) Bruchet 【よく似た種との区別】 Hebeloma dunense カルパティア山脈に分布する 常にヤナギ科植物を宿主とする 形態的に類似している(混同されてきたとみられる) ITS、RPB2、TEF1αに基づく分子系統解析で近縁(同じHebeloma節クレードに含まれる) 本種と異なり担子胞子にほぼ装飾を欠くのではなく明瞭な装飾を有する 本種と異なり担子胞子が完全に非デキストリノイドなのではなくぼんやりとしているが明瞭なデキストリノイド性を有する ITS、RPB2、TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (カルパティア山脈高山帯新産種) Hebeloma mesophaeum (Pers.) Quél. ワカフサタケ 【よく似た種との区別】 Hebeloma dunense カルパティア山脈に分布する ITS、RPB2、TEF1αに基づく分子系統解析で近縁(同じHebeloma節クレードに含まれる) 本種と異なり様々な樹種と関係を持つのではなく常にヤナギ科植物を宿主とする 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子が楕円形で稀に扁桃形なのではなく扁桃形 ITS、RPB2、TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (カルパティア山脈高山帯新産種) Hebeloma naviculosporum Heykoop, G. Moreno & Esteve-Rav. ※本種を高山帯から初めて報告した。 【よく似た種との区別】 Hebeloma laterinum 同所的に発生する(カルパティア山脈) 傘の色が類似していることがある(本種が淡色の場合) ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり担子胞子が舟形でない 本種と異なり縁シスチジアが円筒形でない ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (カルパティア山脈高山帯新産種) Hebeloma vaccinum Romagn. 【よく似た種との区別】 Hebeloma aanenii カルパティア山脈に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じHebeloma節クレードに含まれる) 本種と異なり縁シスチジアが主に棍棒形~便腹形なのではなく主に棍棒形有柄 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Hebeloma alpinum カルパティア山脈に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じHebeloma節クレードに含まれる) 本種と異なり縁シスチジアが主に棍棒形~便腹形なのではなく主に棍棒形有柄 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (カルパティア山脈高山帯新産種) Hebeloma velutipes Bruchet