🗓️ 最終更新日: 2025-06-24
- うどんこ病菌に特異的に寄生する重複寄生菌で、宿主の菌糸内に侵入して成長します🦠
- 培養時の生長速度は極めて遅く、コロニーは凝集して同心円状に広がります🐌
- 分生子殻は宿主の菌糸や分生子柄内に形成され、淡褐色~暗褐色です🔍
- 分生子は単細胞、無色、卵形~楕円形で小型です✨
- 宿主であるうどんこ病菌の分生子形成を阻害し、菌糸の細胞質を物理的に破壊します💪
- 最適な発芽温度は20℃、分生子殻形成は25℃で、高湿度条件を必要とします💧
- ITS領域とアクチン遺伝子の配列解析により、少なくとも4つの系統グループに分かれます🧬
アンペロマイセス属(Ampelomyces)は、うどんこ病菌に特異的に寄生する重複寄生菌です。代表種のアンペロマイセス・クィスクアリス(Ampelomyces quisqualis)は、うどんこ病の生物農薬(生物的防除剤)として世界中で利用されています。この菌は宿主の菌糸内に侵入して細胞質を破壊し、うどんこ病菌の成長や胞子形成を抑制します。生長速度が非常に遅く、高湿度条件を必要とするという特徴があります。
アンペロマイセス属は子嚢菌門・クロイボタケ綱・プレオスポラ目・フェオスフェリア科(Phaeosphaeriaceae)に属します。かつてはCicinnobolus属として知られていましたが、1970年代にAmpelomyces quisqualisという名称が正式に採用されました。
分子系統解析により、この属には少なくとも4つ以上の異なる系統学的種が存在することが示唆されていますが(Park et al., 2010)、現在でも多くの場合、単一種A. quisqualisとして扱われています。有性生殖は野外で一度だけ報告されており、主に無性的に繁殖していると考えられます。ゲノムの構造が植物病原菌のパターンと同一であることから、現在菌寄生菌である本種も、元々は植物病原菌だった可能性が示唆されています(Huth et al., 2021)。
本属の基準種で、世界中で最も広く研究されている種です。64種以上のうどんこ病菌に寄生でき、256種以上の植物に発生するうどんこ病を制御する能力があります。商業的な生物防除剤として「AQ10」などの製品名で販売され、キュウリ、ブドウ、イチゴ、トマト、リンゴなどの重要な作物のうどんこ病防除に利用されています。培養では極めて成長が遅く、コロニーは同心円状に発達し、淡褐色から暗褐色を呈します。
アンペロマイセス属の菌は、世界中に広く分布するうどんこ病菌の天敵として重要な生態学的役割を果たしています。寄生過程は非常に巧妙で、まず胞子が宿主の存在下で15-20時間後に発芽し、24時間以内に宿主の菌糸に侵入します。その後、隔壁孔を通じて宿主菌糸内を成長し、細胞質を物理的に破壊していきます。
主な宿主菌属にはErysiphe、Podosphaera、Golovinomyces、Leveillula、Uncinula、Blumeriaなどが含まれ、キュウリ、ブドウ、イチゴ、トマト、リンゴなどの重要な作物や多くの観賞植物のうどんこ病防除に貢献しています。高湿度条件下で分生子殻内の粘液質マトリックスが水分を吸収して膨張し、分生子が放出される仕組みになっています。
同定のコツ:野外でアンペロマイセス属菌を狙って見つけるのは難しいかと思いますが、うどんこ病のコロニーをルーペで見て、茶色い粒がびっしりと表面を覆っていたらビンゴかもしれません…!大事なのは、うどんこ病自身の閉子嚢殻と混同しないことです。アンペロマイセス属の生殖構造は分生子殻なので、潰すと胞子が大量に出てきますが、袋(子嚢)に包まれた状態のものは見当たりませんよ♪ 球形ではなく若干尖っていること、表面に付属糸を持たないのも識別ポイントです。
識別形質の情報は見つかりませんでした。