🗓️ 最終更新日: 2025-06-26
- 被子植物の葉の裏に鮮やかな橙色〜黄色の粉状の夏胞子塊を形成するさび菌です🍊
- マツの針葉と様々な被子植物(キク科の草本が多い)の間で宿主交代する、異種寄生性の生活環を持ちます🔄
- 夏胞子は表面に刺状の装飾があり、大きさは20-35μm程度の球形〜楕円形です🔍
- 冬胞子は無隔壁で鎖状に連なり、ゼラチン質のクッション状に集合します✨
- さび胞子世代はマツが宿主。針葉ではさび胞子堆が白い袋状に膨らみ、やがて破れて黄色い粉を飛散させます💨
- 種の同定には宿主植物の組み合わせが最重要!形態だけでは識別困難な場合が多いです📚
- 日本には約30種が分布し、アカマツなどの二葉マツには12種が寄生するといいます🌲
- 乾燥耐性や感染部位などは属内で様々で、冬胞子の形成時期も種によって異なります📅
コレオスポリウム属は、さび菌類の中でも特に複雑な生活環を持つ植物寄生菌です。マツの「葉さび病」の原因菌として知られ、マツの針葉と様々な被子植物の間を行き来しながら、5つの異なる胞子ステージを経て一生を完結させます。葉の裏に鮮やかな橙色の夏胞子堆を形成します。農林業上重要な病原菌の一つです。
コレオスポリウム属(Coleosporium)は担子菌門・サビキン亜門・サビキン綱・サビキン目(Pucciniales)のコレオスポリウム科(Coleosporiaceae)に属します。本属はChrysomyxa属と姉妹群関係にあることが分子系統解析により示されています。
分類学的には、冬胞子が無隔壁で鎖状に連なること、担子器が細胞内に形成される(internal basidia)ことなどが重要な特徴です。
北米原産でアキノキリンソウ属(Solidago)に寄生する、本属で最もiNat観察記録の多い種です(約1,800件)。「ソリダゴさび病菌」ともよばれます。冬胞子は棍棒形~円筒形。日本でも報告されているほか、ヨーロッパに導入されたアキノキリンソウ上でも見つかっており、外来植物の病害として注目されています。一次宿主はストローブマツなど。北米から多数の観察記録がありますが、近年北米のアキノキリンソウ属に少なくとも3種の本属菌が発生することが明らかになったため(McTaggart & Aime, 2018)、実際には複数種が混同されている可能性があります。
アカマツの針葉に発生する重要種。日本にも分布しています。キハダ(ミカン科)を夏胞子世代の宿主とし、薬用植物であるキハダに経済的被害を与えます。キハダの葉の上面に黄色から黒褐色へと変色する斑点を生じ、下面には夏胞子塊を大量に形成します。接種試験では全ての成長段階の針葉に感染可能という特異な性質を持ち、感染時期により翌年または2年後にさび胞子を形成します。
センニンソウ、カザグルマ、クサボタンなどキンポウゲ科植物に寄生。アカマツなどの二針葉マツにさび胞子を形成し、8月から冬胞子を形成します。感染部位に部分的な葉枯れを引き起こし、植物体に大きなダメージを与えるのが特徴。夏胞子堆は最初赤色の嚢状で、破れると橙色の夏胞子が飛散します。
マツ類葉さび病とよばれている菌の一つ。ヨーロッパを中心に分布し、キク科など様々な植物に発生し、50以上のシノニムを持つ、複合種の可能性が高い種。宿主範囲が広範で、宿主植物と形態的特徴の組み合わせで同定する必要があります。
熱帯・亜熱帯のインドソケイ属の観賞植物(プルメリア)に特異的に寄生する種です。同種寄生性(マツに感染しない)とされ、精子世代とさび胞子世代は未発見。葉の裏に鮮やかな橙色の胞子塊を形成します。近年分布を拡大しており、病原菌として問題となっています。
コレオスポリウム属の多くは異種寄生性の完全世代型生活環を持ち、5つの世代(0:精子、I:さび胞子、II:夏胞子、III:冬胞子、IV:担子胞子)を経て生活環を完結させます。
典型的な年間サイクルは:春(6月)にマツの針葉からさび胞子が飛散し、種特異的な被子植物に感染し、夏に夏胞子で繰り返し感染・分布拡大し、秋に冬胞子形成し、冬胞子は休眠せず直ちに発芽し、担子胞子がマツに感染し、翌年春に再びさび胞子形成、という流れです。
種同定のポイント:中には宿主植物から決まる種もあり、例えばホタルブクロに発生するC. campanulae、サンショウに発生するC. zanthoxyli、セイタカアワダチソウに発生するC. solidaginis、ヘクソカズラに発生するC. eupaederiaeなどは即座に同定できるかもしれません。しかし、宿主植物によっては複数種が発生することもあり、種同定が困難な場合もあります。正確な同定には発生時期、冬胞子と担子器の形態などの情報を基に総合的な判断が必要です。夏胞子には装飾がありますが、走査型電子顕微鏡でも種の区別が困難とのことです…。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。