🗓️ 最終更新日: 2025-06-14
- 代表種のヒイロハリタケは明るい赤橙色〜橙色のコウヤクタケ型のきのこです🍊
- 子実層面には歯牙状~針状、長さ1-1.5mmの小さな子実層托が密に配列します🦷
- 縁部は特徴的な長縁毛状で、橙色の根状菌糸束を持ちます✨
- 広葉樹や針葉樹の倒木や枝の下面に付着して生育する木材腐朽菌です🪵
- 胞子は楕円形〜円筒形で4-6 × 2-3 μm、無色で非アミロイドです🔬
- 1菌糸型で、菌糸にクランプをほとんど欠くのが特徴です
- シワタケ科(Meruliaceae)に属し、白色腐朽を引き起こします
- 世界で5種が知られ、日本にはヒイロハリタケの1種が分布します🌏
ヒイロハリタケ属(Hydnophlebia)は、その名の通り鮮やかな緋色(赤橙色)をしたヒイロハリタケに代表されるコウヤクタケ類の一グループです。木材腐朽菌として白色腐朽を引き起こします。世界的には、実は白色や黄色の子実体を形成する種もありますが、普通種のヒイロハリタケの印象が圧倒的に強い属です。ヒイロハリタケは倒木の下面に付着して生育し、明るい橙色の子実体と特徴的な長縁毛状の縁部により、野外でも比較的容易に識別できます。関東の里山でも普通に見られます。
ヒイロハリタケ属は担子菌門・ハラタケ綱・タマチョレイタケ目・シワタケ科に属します。シワタケ科にはシワウロコタケ属、シワタケ属、エゾハリタケ属、コゲチャハリタケ属など、多くのコウヤクタケ類や子実層托が同じ針状のグループが含まれます。
シワタケ科はフレビオイド・クレード(phlebioid clade)と呼ばれるタマチョレイタケ目内の大きなグループで、分子系統解析により3つの主要な科(シワタケ科、マクカワタケ科、Irpicaceae)に分かれることが判明しています。ヒイロハリタケ属は「Hydnophlebiaクレード」に位置し、複数の遺伝子解析により単系統性が強く支持されています。
属の基準種で最も観察記録が多い種(世界で約900件)。広く分布しますが、特に北米東部からの記録が多いです。倒木下面に明るい赤橙色の膜状の子実体を形成し、基質から剥がすことができます。縁部は特徴的な長縁毛状で橙色の根状菌糸束を伴います。子実層は歯牙状で、長さ1-1.5mmの小さな円筒形の「歯」が並びます。根状菌糸束は耐久性のある構造で、冬の間はしばしばこの部分だけが残存しています。
ヒイロハリタケ属の全ての種は腐生菌であり、枯死した材を分解して森林生態系の物質循環に重要な役割を果たしています。白色腐朽菌として、木材中のリグニンとセルロースの両方を分解する能力を持ち、これにより木材は白く脆くなります。
主に広葉樹の倒木や枝の下面に付着して生育しますが、針葉樹でも発生が報告されています。子実体は一年生で、春から秋にかけて観察されます。湿度の高い環境を好み、倒木の地面に接する側や、樹皮が部分的に剥がれた箇所によく見られます。
野外での識別ポイント:倒木を見つけたらひっくり返してみましょう!鮮やかな橙色で子実層面に針があり、縁が羽毛状になっていれば、ヒイロハリタケの可能性が高いです。根状菌糸束だけが残っている状態だと、同じく関東の里山で稀に見られるFibroporia radiculosaと混同のおそれがあるので、僅かでも針状の子実層托が残っていないか探しましょう!
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。