🗓️ 最終更新日: 2025-09-02
- 地衣生菌として生葉上地衣類の地衣体上に褐色の菌糸体を形成します🌿
- 菌糸は表在性で褐色、厚壁で、隔壁付近に半球状の菌足様構造を持ちます
- 分生子形成細胞は単細胞で直立、褐色で、分生子柄に退化しています
- 分生子は倒棍棒形で類石垣状、3-5個の横隔壁と0-2個の斜め隔壁を持ちます🔍
- 分生子の基部は褐色、先端部は著しく伸長して嘴状でほぼ無色です✨
- クロイボタケ綱に属し、一部の種では有性世代(子嚢殻)も知られています
- 世界で5種が記載され、全て熱帯・亜熱帯の生葉上地衣類に特化しています
- DNA抽出が困難で、分子データは現在利用不可能ですが、形態学的特徴による識別は可能です📊
コールデルシエラ属は子嚢菌門クロイボタケ綱に属する地衣生菌で、熱帯・亜熱帯地域の生葉上地衣類上に褐色の菌糸体を形成します。分生子は特徴的な倒棍棒形で、先端が著しく伸長した嘴状構造を持つことが最大の識別点です。Hansfordiellopsis属やAscohansfordiellopsis属が本属のシノニムとして統合され、現在5種が認められています。
コールデルシエラ属(Koordersiella)は子嚢菌門・クロイボタケ綱に属する地衣生菌として分類されています。基準種はKoordersiella javanicaで、Franz von Höhnelが1909年にジャワ島のボゴールで記載しました。
2024年の最新研究により、Hansfordiellopsis(1960年)とAscohansfordiellopsis(1979年)が本属のシノニムとして確定されました。分子系統解析データは現在利用できませんが、形態学的特徴に基づく分類学的位置はクロイボタケ綱内で安定しています。同綱には多くの地衣生菌が含まれており、本属もその典型例として位置づけられます。
本属で最も普通種で、ヨーロッパ・マカロネシアではクボミサラゴケ属(Gyalectidium)に特化します。近年、日本からも報告され、恐竜の骨のような形態から「竜骸(リュウガイ)」の和名がつけられました(Nakajima et al.,2025)!「昆虫を食べる」という種小名は、Hansfordが宿主を地衣類ではなくコナジラミと誤認したことに由来します。関東地方の低地では谷戸の奥などのものすごく湿った場所に生息し、シュロ、ササ、アオキなどの葉上のヒゲチイ科地衣に局所的には多く見られます。その他中国地方から沖縄にかけて、ヤシの葉の上などから発見されています。世界的に広く分布し、ヨーロッパからアフリカ、アジア、南北アメリカまで記録があります。
属の基準種で、分生子形成細胞は7-10μmと短く、分生子は20-40μm。分生子の下部細胞は基部細胞と同色なのが特徴で、K. variegataとの重要な識別点です。有性世代は極めて稀とされています。パナマ、ブラジル、ガーナ、シエラレオネ、インドネシアから記録。
本属で最も長い分生子形成細胞を持つ種で、(30-)35-40(-45)μmあります。分生子は24-30μmと比較的小型。ケニアとシエラレオネから記録され、アフリカに分布が限られているようです。子のう殻は70-100μm径で剛毛を持ちます。
最も細い分生子(3.5-5μm幅)を持つ種で、類石垣状ではなく3-4(-5)横隔壁のみ。菌糸も3-4μmと細く、菌足様構造を欠くのが特徴。ガーナのタイプ産地のみから知られ、最も稀少な種です。有性期は未知。
分生子の上位2細胞が基部細胞より明らかに淡色なのが特徴で、K. javanicaとの識別点となります。分生子は35-40μmと大型で、分生子形成細胞は8-12μm。ウガンダとマダガスカルから記録され、Bullatina aspidotaやCalenia属に寄生します。
コールデルシエラ属の全ての種は生葉上地衣類の地衣体上に生育する特異的な地衣生菌です。宿主となる地衣類は主にヒゲチイ科(クボミサラゴケ属、Bullatina、Calenia、Tricharia、フンカゴケ属[Asterothyrium]の各属など)で、熱帯・亜熱帯地域の森林で樹木の葉上に着生する地衣類群集の一員として重要な役割を果たしています。リュウガイヒゲチイヤドリは温帯(日本の神奈川県)からも知られています。
菌糸は宿主地衣体の表面に褐色の菌糸体を形成し、菌足様あるいは吸器様の特殊構造を通じて宿主から栄養を摂取していると考えられます。一部の種では宿主のハイフォフォア(hyphophore)や剛毛(setae)上にも伸展することが観察されており、宿主との相互作用は複雑で特化したものと推測されます。
同定のポイント:日本では現在リュウガイヒゲチイヤドリの一種のみが知られています。植物の葉の上にヒゲチイ科地衣のパッチを見つけたら、ルーペで拡大すると、茶色の菌糸体がかろうじてもやっと見えることがあるので、実体顕微鏡や光学顕微鏡で観察してみましょう!特徴的な形態なので同定は容易です。幅広い標高帯に分布し、おそらくこれから地球温暖化に伴って国内の分布も拡大していくと思われます。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。