🗓️ 最終更新日: 2025-05-28
- 種子や果実上にシンネマ(分生子柄束)や柄のある子座(stipitate stromata)を形成する、独特な子嚢菌です👽
- 子座は棍棒状で、カキノキの種子などの特定の樹木の落果に特異的に発生します🍂
- 子嚢胞子は扁平な楕円形で、しばしば溝や裂け目を持つのが特徴的✨
- コウジカビ科(Aspergillaceae)に属し、コウジカビやアオカビの親戚です🔬
- 無性世代としてSarophorum型やStilbodendron型の分生子形成構造を持ちます
- 世界で9種が認められ、主に熱帯・亜熱帯地域に分布しています🌏
- 最も普通種のカキノミタケは日本でもカキノキの腐朽した種子上に観察されます🗾
- 一部の種は塩分耐性を持ち、マングローブ環境からも分離されています🌊
カキノミタケ属(Penicilliopsis)は、特定の樹木の種子や果実上に棍棒状の子実体を形成する特異な子嚢菌です。1887年にインドネシアで発見されて以来、熱帯・亜熱帯地域を中心に9種が知られていますが、観察記録は極めて少なく、謎に包まれた菌類群といえます。最近の分子系統解析により、従来のマユハキタケ科からコウジカビ科へと再分類され、コウジカビやアオカビと近縁であることが判明しました。
カキノミタケ属(Penicilliopsis)は子嚢菌門・ユーロチウム綱・ユーロチウム目・コウジカビ科に属します。この属は1887年にドイツの植物学者ヘルマン・ツー・ゾルムス=ラウバッハによって記載され、基準種はPenicilliopsis clavariiformis(カキノミタケ)です。
2011年のHoubraken & Samsonによる4遺伝子系統解析により、従来のTrichocomaceae科は3つの科(Aspergillaceae、Thermoascaceae、Trichocomaceae)に分割されました。カキノミタケ属はAspergillus zonatusと強く支持されるクレードを形成し、現在のAspergillaceae科に位置づけられています。同科にはコウジカビ属(Aspergillus)、アオカビ属(Penicillium)、ベニコウジカビ属(Monascus)など、産業的にも重要な菌類が含まれています。
属の基準種で、最も観察記録が多い種(iNat:全世界で45件)。インドネシアのボゴール植物園でカキノキ科のDiospyros macrophyllaの落果上で初めて発見されました。日本では主に南西部で観察されます。触手状のシンネマが多数見られるのが普通ですが、運がよければ棍棒状の子座が同時に見られます。マングローブから分離された株は塩分耐性を持つことが報告されており、環境適応の幅広さを示しています。無性世代はSarophorum palmicolaと考えられています。
アフリカ固有種で、観察記録は極めて少ないです。無性世代としてStilbodendron型(Aspergillus型)の分生子形成構造を持ち、S. camerunense(= S. cervinum)がその無性世代と考えられています。形態的な詳細はまだ十分に研究されていませんが、他の種と同様に特定の樹木の種子や果実に関連して生息すると推測されます。
ブラジル固有種として記載されていますが、観察記録はほぼ皆無です。南米大陸でカキノミタケ属が確認された貴重な例で、熱帯雨林の特定の樹木の種子や果実に関連していると考えられます。形態学的・生態学的な詳細情報は不足しており、今後の研究が待たれる種です。
種小名が示すように冬虫夏草に似た外観を持つ興味深い種です。無性世代としてPseudocordyceps seminicolaが知られており、Penicillium型の分生子形成構造を持ちます。アジア地域に分布すると考えられていますが、詳細な生態や宿主については不明な点が多く残されています。
かつてAspergillus zonatusとして分類されていましたが、分子系統解析によりカキノミタケ属に編入されました。熱帯地域に広く分布すると考えられていますが、詳細な記録は限られています。
カキノミタケ属の全ての種は、特定の樹木の種子や果実に関連して生息する特異的な生態を示します。基準種のカキノミタケはカキノキ科の果実上で発見されましたが、他の種も同様に宿主特異性を持つと考えられています。腐生菌として落下した果実を分解する役割を担いつつ、一部の研究では植物内生菌(エンドファイト)としての可能性も示唆されています。
地理的には主に熱帯・亜熱帯地域に分布し、高温多湿な環境を好むようです。興味深いことに、マングローブから分離されたカキノミタケの菌株は塩分耐性を示し、特殊な環境への適応能力も持ち合わせています。観察記録の少なさから、実際の分布や多様性は過小評価されている可能性が高く、特に熱帯雨林の林床には未発見の種が潜んでいるかもしれません。
探し方のコツ:カキノミタケ属を見つけるには、雨季の熱帯・亜熱帯地域でカキノキ科をはじめとする樹木の落果を丹念に観察することが重要です。特に黒く変色した古い果実や種子の表面に、小さな棍棒状の構造物がないか、じっくり腰を据えて探してみてください♪
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。