🗓️ 最終更新日: 2025-05-25
- 胞子の表面装飾が疣状または刺状という共通点があり、この特徴が目レベルの重要な識別ポイントです🔍
- 子実体に青色〜紫がかった色素(テレホール酸誘導体)を含む種が多く、特徴的な色調を示します💙
- マツバハリタケ科は針状(歯状)の子実層托を持ち、下向きに垂れ下がる形態が特徴的です🦔
- イボタケ科の形態は多様で、直立型(扇状・漏斗状)から背着生まで様々です🌿
- ほぼ全ての種が外生菌根菌として樹木と共生し、森林生態系で重要な役割を果たします🌲
- マツバハリタケ科のHydnellumとPhellodonは堅くて乾いた子実体、Sarcodonは柔らかく肉質という質感の違いで識別できます✨
- イボタケ科のTomentellaは基質に密着する薄い背着生の子実体を形成し、しばしば菌糸束を伴います
- 分子系統解析により、従来の分類が再評価され、特にThelephoraとTomentellaの境界が曖昧であることが判明しました🧬
イボタケ目(Thelephorales)は、担子菌門ハラタケ綱に属する菌群で、マツバハリタケ科(Bankeraceae)とイボタケ科(Thelephoraceae)の2科を含みます。一見すると形態的にバラバラに見えるグループですが、胞子の表面に疣状または刺状の装飾を持つという共通の特徴があります。多くの種が美しい青色〜紫色の色素を持ち、森林の地面や倒木で見つかる外生菌根菌として、樹木との共生関係を通じて森林生態系の健全性に貢献しています。
イボタケ目(Thelephorales)は、ハラタケ綱の中でも特徴的な一群で、現在はマツバハリタケ科(Bankeraceae)とイボタケ科(Thelephoraceae)の2科に大別されています。この分類体系は1968年にCornerによって着想され、1976年にOberwinklerによって正式に確立されました。
マツバハリタケ科には主にHydnellum、Phellodon、Sarcodonの3属が含まれ、いずれも針状の子実層托を持つことで特徴づけられます。一方、イボタケ科はThelephora、Tomentella、Polyozellus、Amaurodonなどを含み、形態的により多様性に富んでいます。
最新の分子系統解析により、従来の形態に基づく分類の一部が見直されています。特に注目すべきは、ThelephoraとTomentellaの系統関係が非常に近く、系統樹上では両属が混在することが明らかになったことです。この発見は、形態的特徴だけでは属の境界を明確に定義することの難しさを示しています。
堅くて乾いた子実体を持ち、環紋をあらわすこともある傘表面が特徴的。針は白色、橙色、灰青色、茶色など多様な色を示します。菌糸構造のタイプ(単純隔壁かクランプを持つか)が種の識別に重要で、類球形〜球形で疣状の担子胞子を持ちます。中国から最近11もの新種が記載されるなど、多様性の解明が進んでいます。
薄茶色〜黒色の傘表面と特徴的な白色の針を持つグループ。Hydnellumと似ていますが、通常より淡色の針を持ち、白色の縁が目立ちます。生殖菌糸には単純隔壁とクランプの両方が存在し、比較的長い担子器を持つことも識別ポイントです。
より柔らかく肉質の子実体を持ち、多くの種で鱗片状の傘表面が特徴的。扁平または漏斗形の傘を持つ種が多く、HydnellumやPhellodonよりも大型になります。不規則な楕円形〜球形の褐色の担子胞子は、最大1μmまでの疣状装飾を持ちます。S. imbricatusは商業的に取引される重要な食用種です。
極めて多様な形態を示し、棚状、扇状、漏斗状、指状など様々な子実体を形成。疣状または刺状装飾を持つ担子胞子が特徴的で、多くは直立型の子実体を作ります。T. ganbajunは中国南西部で高級食材として珍重され、年間約1,500トン以上が市場で取引されています。
特徴的な暗青色から黒色の子実体を持ち、多数の小型の扇状部分が集合して大きな塊を形成します。北米では食用として採集される美味なキノコとして知られています。子実層面はほぼ滑らかで、他のイボタケ目の仲間とは一線を画す独特の外観を持ちます。
イボタケ目のキノコは、ほぼ全てが外生菌根菌として樹木と共生関係を結んでいます。マツバハリタケ科は主にマツ科(Pinaceae)やブナ科(Fagaceae)樹木と強い結びつきを持ち、特にPinus strobus、Picea sitchensis、Fagus grandifolia、Quercus rubraなどと共生します。
イボタケ科はより広範囲の宿主と共生し、針葉樹と広葉樹の両方と菌根を形成できます。Tomentella-Thelephora系統は、様々な森林生態系において最も種が豊富で頻繁に見られる菌根菌グループの一つとして知られています。
生息環境も多様で、一般的な森林土壌だけでなく、焼け跡地、砂丘、さらには水中の流木など、極めて特殊な環境に適応した種も含まれています。彼らは土壌中の窒素などの栄養素の循環に重要な役割を果たし、森林生態系の健全性維持に不可欠な存在です。
顕微鏡観察の重要性:イボタケ目の正確な同定には顕微鏡観察が不可欠です。特に重要なのは担子胞子表面の装飾パターンで、疣状か刺状か、またその大きさと配列が種の識別の決め手となります。Pseudotomentellaでは特徴的な二又の疣または刺が見られます。また、菌糸の隔壁構造(単純隔壁かクランプか)も重要な識別形質で、特にマツバハリタケ科では属レベルの同定に欠かせません。さらに、肉の変色や呈色反応(KOH、FeSO₄など)も補助的な同定手段として有用です。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。