🗓️ 最終更新日: 2025-05-29
- 眉掃き状またはシェービングブラシ状の特徴的な子実体を形成します🪶
- 子実体は約2cm高、0.5cm幅の小型で、白色~薄茶色を呈します
- 自然豊かな環境において、腐朽した広葉樹材上に発生する腐生菌で、地上生ではありません🌳
- カビとよばれる菌群の中でも際立って大型の子実体を形成する特異な属で、マユハキタケ科に属します
- かつて「不整子嚢菌」に分類されていました。閉子嚢殻(cleistothecium)型の子嚢果を持ち、子嚢は疎な菌糸束中に形成されます🔍
- 子嚢胞子には螺旋状の隆起がありますが、裂け目や溝がないのが本属の重要な特徴です
- 世界で1種のみ(Trichocoma paradoxa)が知られ、日本を含むアジア太平洋地域に分布します🌏
マユハキタケ属(Trichocoma)は子嚢菌門の中でも極めて特徴的な形態を持つ菌類です。その名の通り、化粧道具の「眉掃き」やシェービングブラシそっくりの子実体を形成します。しかしこの形状は子実体が「破れた」後の姿で、初めはどんぐりのような形で被膜に覆われています。多くの近縁種が顕微鏡的な構造しか作らないのに対し、肉眼で観察できる大型の子実体を形成する点で特異的です。
マユハキタケ属は子嚢菌門(Ascomycota)・チャワンタケ亜門(Pezizomycotina)・ユーロチウム綱(Eurotiomycetes)・ユーロチウム目(Eurotiales)・マユハキタケ科(Trichocomaceae)に分類されます。マユハキタケ科は近年の分子系統解析により、コウジカビ科(Aspergillaceae)、マユハキタケ科(Trichocomaceae)、Thermoascaceae の3つの科に再編成されました。
本属はマユハキタケ科の特徴である槍形のフィアライド、疎な菌糸束中での子嚢形成、裂け目のない子嚢胞子を持ちます。最新の研究では、地下生のツチダンゴ属(Elaphomyces)と系統的に近縁であることが示されており、ユーロチウム目の中で大型で複雑な子実体を形成する能力が独立に進化した可能性が示唆されています。
本属の唯一の種で、1838年にJunghuhnにより記載されました。眉掃き状の特徴的な形態は他の菌類では見られない独特なもので、高さ約2cm、幅0.5cmの白色~薄茶色の子実体を形成します。腐朽した広葉樹材上に発生し、木材分解菌として森林生態系で重要な役割を果たしています。
マユハキタケは腐生菌として、枯死した広葉樹材を分解する重要な生態的役割を担っています。森林の炭素循環や栄養素の循環に貢献し、特異的な微生物群集の形成にも関わっています。
地理的にはアジア太平洋地域に分布し、日本を含むアジア、オセアニア、ニュージーランドなどで記録があります。熱帯から温帯地域の森林に生息し(関東地方は北限に近い)、特に湿度の高い環境を好むようです。
観察のコツ:マユハキタケは腐朽が進んだ広葉樹の倒木をじっくり観察することで見つかります。特にタブノキなど、発生に適した樹種があるので、そのような生息環境を狙ってみるといいかもしれません。特徴的な眉掃き状の形態は一度見れば忘れられません!2cm程度しかないので、「カビ」としては巨大でも「きのこ」としては小型ですが、白色~帯紫褐色の色調と独特の形状で識別は容易です。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。