(仮訳)著名な栽培きのこ、バイリングはPleurotus eryngii種複合体とは別種であった
Zhao, M-R. et al., 2016. The famous cultivated mushroom Bailinggu is a separate species of the Pleurotus eryngii species complex. Scientific Reports. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5024158/ [Accessed September 25, 2016].
【R3-03326】2016/09/25投稿

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3行まとめ

商業価値は高いものの分類学的位置が未確定であった栽培きのこ、バイリングがエリンギの変種や亜種ではなく別種であることを明らかにした。
複数遺伝子に基づく分子系統解析の結果、バイリングがエリンギと異なる独自の系統を形成したことから、本種を独立種として扱った。
本種はeryngii-ferulaginis-nebrodensisクレードと姉妹群を形成し、他のP. eryngii種複合体の構成種とは近縁でなかった。

(新組み合わせ、新階級)

Pleurotus tuoliensis (C.J. Mou) M.R. Zhao & J.X. Zhang
旧名:Pleurotus eryngii var. tuoliensis C.J. Mou
バイリング
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【よく似た種との区別】
Pleurotus eryngii(エリンギ)
アジアに分布する
ITSおよびEF1-α+rpb2+rpb1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパにおける分布が知られている
本種と異なり傘が白色~クリーム色ではなく淡ベージュ色、ベージュ褐色、褐色
ITSおよびEF1-α+rpb2+rpb1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pleurotus eryngii var. ferulae
中国に分布する
形態的に区別できないほど類似していることがある(中国産の傘が白色~褐色の系統)
ITSおよびEF1-α+rpb2+rpb1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパにおける分布が知られている
本種と異なり傘が白色~クリーム色ではなく濃青灰色、灰褐色、ベージュ褐色(ヨーロッパ産の系統)
ITSおよびEF1-α+rpb2+rpb1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pleurotus nebrodensis
アジアに分布する
ITSおよびEF1-α+rpb2+rpb1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパにおける分布が知られている
本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい
ITSおよびEF1-α+rpb2+rpb1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pleurotus ostreatus(ヒラタケ)
ITSおよびEF1-α+rpb2+rpb1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパにおける分布が知られている
ITSおよびEF1-α+rpb2+rpb1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pleurotus pulmonarius(ウスヒラタケ)
ITSおよびEF1-α+rpb2+rpb1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパにおける分布が知られている
ITSおよびEF1-α+rpb2+rpb1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される