🗓️ 最終更新日: 2025-06-01
- 黄色〜橙色のゼラチン質の子実体で、涙のような形から脳みそ状まで多様な形態を示します💧
- 顕微鏡で見ると二叉分岐した担子器(音叉型)があり、これがアカキクラゲ目の決定的特徴です🔍
- 担子胞子は成熟すると複数の隔壁を形成し、種によって3〜7隔壁くらいまで変化します
- 乾燥時に収縮、湿潤時に膨潤する特性があり、雨後に急速に復活するきのこです☔
- 主に倒木や枯れ枝などの木材上に発生し、種によって針葉樹・広葉樹の好みが異なります🌲
- 小型種は1cm未満から大型種は6cmまで、サイズの幅が大きいのも特徴です
- 多くの種は褐色腐朽を引き起こし、森林の物質循環に重要な役割を果たしています♻️
アカキクラゲ属(Dacrymyces)は担子菌門の中でも特徴的な「音叉型担子器」を持つアカキクラゲ目の代表的な属です。肉眼的にはいわゆる膠質菌の代表的なグループで、黄色から橙色のゼラチン質の子実体が特徴で、乾燥すると収縮し、雨が降ると再び膨らむという面白い性質があります。世界で約40種が知られ、主に倒木や枯れ枝を分解する木材腐朽菌として森林生態系で重要な役割を果たしています。
アカキクラゲ属は担子菌門・アカキクラゲ綱・アカキクラゲ目・アカキクラゲ科に属します。アカキクラゲ綱はハラタケ亜門の中で独特な位置を占め、ハラタケ綱(いわゆる普通のきのこ)とシロキクラゲ綱(別の膠質菌のグループ)の姉妹群として位置づけられています。
属名は1816年にドイツの菌類学者Nees von Esenbeckによって設立され、基準種はヒメアカキクラゲ(D. stillatus)です。最新の分子系統解析により、アカキクラゲ属は多系統群であることが判明し、従来の形態に基づく分類は大幅な見直しが進んでいます。例えば、分岐した菌糸体を持つ種群は2022年にデンドロダクティス属(Dendrodacrys)として独立しました。
属の基準種で、通常1cm未満の小型種。iNat観察記録は1万件を超えており、特に欧米からの記録が多数です。黄橙色のクッション状〜円盤状の子実体を形成し、時に脳みそ状のシワを発達させます。針葉樹と広葉樹の両方に発生する適応力の高い種で、アルソスポア(分節胞子)という無性生殖胞子も形成します。木造住宅の外部表面にも発生することがあり、建築材の腐朽菌としても知られています。
観察記録数が最多の種で3万件超。不規則な脳みそ状または葉状の大型子実体(1〜6cm幅)を形成します。黄橙色から橙色で、付着点付近は白色なのが特徴的。主に針葉樹の倒木に発生し、乾燥時に黄金色の粉状外観を呈することがあります。全く異なるグループのコガネニカワタケ(Tremella mesenterica)にも似ていますが、後者は広葉樹に発生します。
明確な柄と匙状の頭部を持つ高さ0.5〜2.5cmの小型きのこ。熱帯・亜熱帯に多く分布しますが、日本でも普通に見られます。特に日なたの木材から発生することが多いのが特徴的。中国では「桂花耳」と呼ばれ食用として利用され(とても小さいきのこなので信じがたいですが)、商業栽培もされています。以前はDacryopinax属とされていましたが、分子系統解析でアカキクラゲ属に再分類されました。
アカキクラゲ属の菌類は全て木材腐朽菌で、主に二次腐朽菌として機能します。つまり、一次腐朽が進んだ後の木材をさらに分解する役割を担っています。多くの種は褐色腐朽を引き起こし、セルロースとヘミセルロースを主に分解しますが、リグニンはあまり分解しません。
特筆すべきは乾湿への適応力で、乾燥時には膜のように収縮して休眠状態に入り、雨が降ると急速に吸水して元の形に戻ります。温帯から熱帯まで広く分布し、種によって針葉樹または広葉樹への選好性が異なることが知られています。
同定の決め手:①黄色〜橙色のゼラチン質の子実体 ②顕微鏡でY字型の担子器や担子胞子のサイズ、形状、隔壁数を確認 ③乾燥・吸水による形態変化を観察 ④発生基質(針葉樹/広葉樹)をチェック ⑤子実体のサイズと形状(小型クッション状/大型脳みそ状/柄と頭部)で種を絞り込む。なかなか狙って探せるグループではありませんが、特に雨の後に倒木を観察するのが見つけやすくておすすめです!
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。