🗓️ 最終更新日: 2025-06-18
- 異隔壁(distoseptum)を持つ棍棒状の大きな分生子が最大の特徴です🔍
- 分生子柄は単生または束生で直立し、隔壁があります📏
- 分生子の基部に暗褐色から黒色の環状の脱離痕(scar)があるのが決定的!✨
- 主に枯死した木質基質上、褐色~暗褐色のビロード状コロニーを形成します🌳
- 分生子の長さは時に350μmにも及び(ルーペでも分かるくらい!)、6個以上の異隔壁を持ちます
- 類似属との重要な違いは、分生子が孔から生じる(porogenous)という分生子形成様式です💡
- 世界的に分布し、一部の種(H. solani)は重要な植物病原菌です⚠️
- 最新の分子系統解析でマッサリナ科(Massarinaceae)に位置づけられています🧬
ヘルミントスポリウム属(Helminthosporium)は主に植物に生じる暗色の糸状菌で、特徴的な異隔壁を持つ棍棒状の分生子で特徴づけられています。1809年にLinkによって設立された歴史ある属ですが、かつては多数の種を含んでいたものが、現在は厳密な形態学的基準と分子系統解析により再定義されています。主に腐生菌として知られていますが、H. solaniのような重要な植物病原菌も含みます。
ヘルミントスポリウム属は子嚢菌門(Ascomycota)・クロイボタケ綱(Dothideomycetes)・プレオスポラ目(Pleosporales)・マッサリナ科(Massarinaceae)に分類されます。基準種はHelminthosporium velutinum Linkです。
分類学的歴史は複雑で、多くの種が本属からBipolaris属、Curvularia属、Exserohilum属などに移されました。最新の分子系統解析により、Exosporium属が本属のシノニムとして統合されたほか(Voglmayr & Jaklitsch, 2017)、新属Haplohelminthosporium、Helminthosporiella、Synhelminthosporium(シンネマを持つ)が設立されるなど、属の再編成が進行中です。
属の基準種で、ほぼ汎世界的に分布すると考えられている最も一般的な種です。多犯性の種で、様々な木本や低木の枯れ枝に生息し、時に草本の茎にも発生します。形態的変異が大きく、複合種を形成している可能性があります。
ジャガイモ銀か病(silver scurf)の病原菌として経済的に重要な種。塊茎の表皮のみを侵し、暗色で多数の異隔壁を持つ分生子を形成します。チアベンダゾール(TBZ)耐性株の出現が世界中のジャガイモ生産地域で問題となっており、防除対策の見直しが必要とされています。
ヘルミントスポリウム属の菌類は、主に枯死した木質基質上に生育する腐生菌で、森林生態系における有機物分解に重要な役割を果たしています。湿潤環境を好み、温帯から熱帯地域まで広く分布します。
宿主範囲は広く、ブナ科やシナノキ科など多様な木本植物の枯死材を利用しますが、ヤシ科植物に特異的な種もあります。興味深いことに、一部の種Coryneum属などの他の菌類の古い子座上に菌寄生的に生育することが知られており、菌類間の複雑な相互作用が示唆されています。
同定の決め手:本属の分生子は異隔壁を持つのが最大の特徴!真正隔壁を持つ類似属とは明確に区別できます。また、分生子が分生子形成細胞の孔から生じるという形成様式は、BipolarisやCurvulariaのシンポジオ型(sympodial)形成と区別できます。分生子基部には明瞭な脱離痕が残ります。野外で見かけることもありますが、形態のみでの種同定は困難なので、宿主や病徴からはっきりと絞り込める場合を除いては、属までの同定に留めておくのが無難ですよ…♪
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。