🗓️ 最終更新日: 2025-08-02
- 縦に分裂した独特の襞(split gill)が最大かつ独自の特徴で、属名も「分裂した襞」を意味します🍄
- 子実体は扇形〜半円形で、通常1-4cm幅の小型サイズです📏
- 表面は白色〜灰色で毛に覆われ、質感は硬く革質です✨
- 無柄またはほぼ無柄で、腐朽材に棚状に発生します🪵
- 興味深い特徴として乾燥すると縮むが湿らせると復活する能力があります💧
- 担子胞子は無色円筒形で平滑です🔍
- 菌糸にクランプを持ち、二核菌糸が優占します
- 世界に約6種が知られ、最も普通なのはスエヒロタケです🌏
スエヒロタケ属(Schizophyllum)は、縦に分裂した独特の襞構造を持つことで知られる木材腐朽菌の一グループです。属内で最も一般的なスエヒロタケは南極を除く全大陸に分布し、観察記録も圧倒的に多い種です。
スエヒロタケ属は担子菌門・ハラタケ綱・ハラタケ目・スエヒロタケ科(Schizophyllaceae)に属する木材腐朽菌の一グループ。近年の分子系統解析により、ハラタケ目内で独自の進化的位置を占めることが明らかになっています。
2010年のスエヒロタケのゲノム解読により、一般的な白色腐朽菌とは異なる独自の木材分解酵素システムを持つことが明らかになりました。また、28,000以上の交配型を持つ四極性交配システムにより、極めて高い遺伝的多様性を維持しています。
属内で圧倒的に普通な種で、世界中に分布します。iNat観察記録は約75,000件で、担子菌ではカワラタケ、ベニテングタケに次ぐ第3位!小型で扇形の子実体を形成し、表面は白色〜灰色の毛に覆われます。最大の特徴は縦に分裂したクリーム色~紫色を帯びる襞で、乾燥時にはぴたっと重なって閉じ、湿潤時にくるっと開いて胞子を飛ばします。主に広葉樹の腐朽材に生育しますが、とにかく何にでも生えてくる印象があり(ヒトの肺やジャガイモから生えた報告も!)、極めて高い環境適応力を持ちます。
スエヒロタケ属は全て木材腐朽菌で、主に広葉樹の腐朽材に生育します。白色腐朽菌の一種ですが、一般的な白色腐朽菌とは異なる独自の酵素システムを持ち、セルロース、ヘミセルロース、リグニンを分解します。生態系における重要な分解者として炭素循環に貢献しています。
環境適応力は驚異的で、特にスエヒロタケは乾燥に対する耐性が極めて高く、湿度が低下すると休眠状態になり、条件が改善すると速やかに活動を再開できます。この能力により、南極を除く全大陸への分布拡大に成功しました。20℃以上かつ相対湿度70%以上で良好に生育します。何にでも生える性質から動物の病原菌としての側面もありますが、食用きのことして利用している地域もあるほどで、免疫が正常な人であれば過度に恐れる必要はなさそうです。近年、本種がなんと深海底の堆積物から分離されたという報告もありましたが(Liu et al., 2022)、本当に深海起源かどうかについては異論も出ています(Boiko, 2025)。
野外同定の決め手:今のところは、日本で見られるスエヒロタケっぽいものは全てスエヒロタケと同定してよさそうです(今後どうなるか分かりませんが…)。縦に分裂した襞は他のきのこには見られない独特の特徴です!時に上面だけではアラゲカワラタケなどと紛らわしいことがあるので、裏側の写真も撮るようにしましょう。林内の湿った場所ではかなり大型の子実体を作ることもありますが、高温で乾燥した日なたにもよく見られるきのこです。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。