🗓️ 最終更新日: 2025-07-09
- 極めて小型(1-3mm)の子実体を形成し、成熟すると6-9個の裂片に開いて星形になります⭐
- 中央に球状のペリディオール(胞子の塊)があり、これが「砲弾」として発射されます💥
- 胞子塊は最大6mの距離まで飛び、聞こえるほどの音を立てて発射されることも!
- 走光性を示し、最も明るい方向に向かって胞子を発射する賢い戦略を持ちます☀️
- 発射された胞子塊は粘着性があり、家屋や車に付着すると除去が困難です⚠️
- 主に木質マルチ材や腐朽木材、草食動物の糞上に発生します🪵
- 周囲の表面に黒い粘着性の点が見られたら、近くにこのきのこがいる証拠です🔍
- 英名は「Artillery fungus」や「Cannon fungus」- まさに生物界の大砲です!🎯
タマハジキタケ属(Sphaerobolus)は「砲弾菌」とも呼ばれる、驚異的な胞子散布機構を持つ極小のきのこのグループです。2023年時点で5種のみが知られる小さな属です。直径僅か1-3mmの子実体から、粘着性の胞子塊を最大6メートルも発射!その瞬間は音が聞こえるほどで、時速36kmという驚異的な速度を記録します。造園用マルチ材でよく発生し、発射された胞子が家屋や車に付着して問題になることも。小さいけれど、生物界でも屈指の「飛び道具」を持つ独特なきのこです。
タマハジキタケ属(Sphaerobolus)は担子菌門・ハラタケ綱・ヒメツチグリ目(Geastrales)・ヒメツチグリ科(Geastraceae)に属します。この分類は比較的最近確立されたもので、歴史的には大きく変遷してきました。基本的に受動的に胞子を散布する腹菌類であるにもかかわらず、「超」能動的に胞子を散布する仕組みを獲得しており、独自の進化を遂げた興味深い例です。
かつては独自の科、Sphaerobolaceaeとして扱われ、スッポンタケ目(Phallales)やニセショウロ目(Sclerodermatales)、あるいはチャダイゴケ目(Nidulariales)に分類されていました。しかし1997年のHibbettらによる分子系統解析により、Gomphoid-Phalloid系統群に属することが判明。近年、ミトコンドリアゲノムが解析されました(Ye et al., 2020)。
世界中に分布する最も一般的な種で、iNat観察記録は圧倒的最多(約1,500件)です!種小名の「stellatus」は星形を意味し、成熟時に外皮が星状に裂ける様子に由来します。ペリディオールは直径約1.5mm。木質基質での生育が一般的で、造園用マルチ材では特によく見られます。
タマハジキタケ属は腐生菌として、セルロース、ヘミセルロース、リグニンを分解し、白色腐朽を引き起こします。その驚異的な胞子散布戦略は、単なる物理的発射だけでなく、複数の巧妙な仕組みを含んでいます。
発射メカニズムは、ペリディオール内でグリコーゲンが酵素によってグルコースに変換されることで始まります。これにより内部浸透圧が上昇し、通常は外皮が裂けてから5-6時間後に発射が起こります。また、走光性により最も明るい方向を狙って発射するため、多くの場合、建物の明るい壁面が標的になってしまいます。胞子塊が付着するので、害菌と見なされ駆除の対象になることも…
興味深いことに、草食動物による二次的散布も行われます。発射された胞子塊が植物の葉に付着し、それを食べた動物の消化管を通過することで、より広範囲に胞子を散布します。一方、木材に直接着地した場合は、ゲンマ(gemma)と呼ばれる無性胞子が発芽して新たな菌糸体を形成することもできます。
同定のコツ:唯一無二の形態を持っているので同定は容易ですが、とにかく極小サイズなので見つけるのが大変です!発射前は白い球状→星形に裂開、発射後は小さな星の痕跡だけ残ります。日本で見られるものは今のところタマハジキタケ1種と考えてよいと思いますが、属内の同定ではペリディオールのサイズが重要な識別形質です。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。