🗓️ 最終更新日: 2025-05-28
- 子実体は平らに広がった背着生で、基質に密着するコウヤクタケ類の一群です🎯
- 最大の特徴はリオシスチジアというKOH溶液で溶解する特殊なシスチジアを持つこと💧
- リオシスチジアは非常に厚く屈折性の高い壁を持ち、先端部で急激に太まります🔍
- 子実層面は平滑〜顆粒状で、白色からクリーム色、淡黄色を呈します✨
- 担子胞子は円筒形〜楕円形で細長い直線状(これも実は特徴的)!無色で平滑、薄壁です
- 菌糸系は1菌糸型で、隔壁にクランプが存在します🔗
- 主に倒木や枯枝に発生する木材腐朽菌で、白色腐朽を引き起こします🪵
ナメシカワタケ属(Tubulicrinis)は、担子菌門・ハラタケ綱・タバコウロコタケ目に属するコウヤクタケ類の一群です。基質に密着する薄い皮膜状の子実体を形成しますが、和名の「鞣(なめし)革」とはかなり異なる印象です…。一見地味ですが、顕微鏡で観察すると「リオシスチジア」という水酸化カリウム(KOH)で溶解する特殊なシスチジアを持つことが最大の特徴です。1956年にオランダの菌学者Donkによって記載され、現在世界で約46種が知られています。
本属はかつて一部の研究ではトゥブリクリニス科(Tubulicrinaceae)という独立科への配置も提案されましたが、現在の分子系統解析ではタバコウロコタケ科(Hymenochaetaceae)内に位置づけられています。
最新の研究により、大型の傘状結晶頭部を持つシスチジアを特徴とする種(T. corneri、T. hamatus、T. umbraculatusなど)は新属Umbellusとして分離され、新科Umbellaceaeが設立されました。タバコウロコタケ目全体では現在少なくとも15の科が認められており、コウヤクタケ類や孔菌を含む多様な系統群として再編されています。
ナメシカワタケ属で最も観察記録が多い種です。リオシスチジアは錐状(awl-shaped)で結晶質の被覆を持ち、KOH溶液で完全に溶解します。担子胞子は長円筒形。子実層面は平滑〜顆粒状で、乾燥時にひび割れることがあります。広葉樹と針葉樹の両方の倒木や枯死枝に発生します。
観察記録が比較的多い種。リオシスチジアは先端部が肥厚する特徴的な形態を示します。子実層面は白色〜淡黄色で平滑〜顆粒状。担子胞子は円筒形、無色、薄壁、平滑。主に針葉樹の倒木や枯死枝に発生する傾向があります。
和名が付けられている数少ない種のひとつ。リオシスチジアは細長く、先端部に特徴的な形態を示します。子実層面は平滑〜顆粒状で白色〜クリーム色。担子胞子は円筒形。広葉樹や針葉樹の倒木や枯死枝に発生します。
観察記録は少ないものの、日本で和名が付けられている種。子実層面は白色で平滑〜顆粒状。リオシスチジアの形態は近縁種と比較して特徴的で、種の同定に重要です。広葉樹や針葉樹の倒木や枯死枝に発生します。
比較的よく観察される種。多数のリオシスチジアを持ち、水中では先端に樹脂状物質の被覆が観察されます。一部の研究ではメルツァー試薬で灰色に変色すると報告されています。主に針葉樹(マツ類など)の倒木や枯死枝に発生します。
ナメシカワタケ属の全ての種は木材腐朽菌として、倒木や枯死枝の分解に重要な役割を果たしています。主に白色腐朽を引き起こし、リグニンなどの複雑な有機化合物を分解する能力を持ちます。これにより森林生態系における物質循環の重要な構成要素となっています。
世界中の温帯から亜熱帯地域にかけて広く分布し、北米、ヨーロッパ、アジア、オセアニアなど広範囲で記録されています。種によって針葉樹を好むものと広葉樹を好むものがあり、一部の種は特定の樹種との関連性も報告されています。森林内の湿度が保たれた環境で、ひっそりと木材を分解しながら生きています。
同定の決め手はリオシスチジア!:①まず水で観察してリオシスチジアの形態を確認→②KOHを添加して溶解するか観察→③溶ければナメシカワタケ属!→④リオシスチジアの形状(錐状・先端肥厚型・細長いなど)と担子胞子のサイズで種を特定。アンモニア性コンゴーレッド染色液はリオシスチジアを溶解させずに観察できるので便利とされています♪
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。