🗓️ 最終更新日: 2025-11-12
- 子実体は主に純白色~淡色で、新鮮時に柔らかくスポンジ状、水分をたっぷり含む種もあります🍄
- 乾燥すると硬く脆くなり、色も黄褐色に変化します✨
- 白色腐朽菌であることが最重要!褐色腐朽のPostiaやOligoporusとはここで区別できます🌳
- 孔口面は白色~クリーム色で、円形から角形の小型の孔口が並びます🔍
- 胞子は無色・平滑・薄壁で、卵形やソーセージ形です
- 1菌糸型または2菌糸型で、生殖菌糸にはクランプがあります
- 子実層にシスチジアを欠くのが特徴的です💡
- 分子系統解析では多系統群と判明していて、将来的に複数の属に分割される可能性があります📊
オシロイタケ属(Tyromyces)は、その名の通り白粉のような純白の子実体が特徴的な多孔菌です。新鮮時は柔らかくスポンジ状で水分をたっぷり含み、まるでマシュマロのような質感。しかし乾燥すると一転、硬く脆くなり黄褐色に変化します。主に広葉樹の材に白色腐朽を引き起こし、森林の物質循環に重要な役割を果たしています。分子系統学的には多系統的な「寄せ集め属」であることが判明し、現在も分類の再編が進行中です。
オシロイタケ属(Tyromyces)はオシロイタケを基準種とする白色腐朽菌の属で、現在はインクルストポリア科(Incrustoporiaceae)に含まれることが多いですが、科レベルの位置づけは研究により異なります。最新研究 (Liu et al., 2025) により、Incrustoporiaceae科はSkeletocutis属とTyromyces属の2属のみで構成されることが確定されました。かつて含まれていたPiloporia属はSkeletocutis属のシノニムとされました。
大規模分子系統解析により、本属が多系統的(polyphyletic)であることが明確に示されました。「1菌糸型の白色腐朽菌で薄壁胞子を持つ種の寄せ集め場所」とも評されています。本属は系統的にはSkeletocutis属のクレード内にネストされることが判明しており、将来的に複数の属に分割される可能性が高いです。本属はSkeletocutisよりも命名法上は優先されますが、Skeletocutisが多数の重要種を含み広く使用されているため、そちらを保存名とすることが推奨されています。なお、かつて本属に含まれていたPostiaやOligoporusなどの褐色腐朽菌は、現在は別属として扱われています。
本属で最も普通に見られる種で、世界的に分布し、iNaturalistの観察記録数は属内ダントツの約15,000件。子実体は半円形から扇形で、厚ぼったい印象があります。初めは純白ですが、老成すると黄色~灰色に変化します。上面には毛がありますが、まもなく無毛に近くなります。孔口面は白色~クリーム色で円形~角形。新鮮時は柔らかくて水分が多く、乾燥すると硬く脆くなります。担子胞子は円筒形。主にカバノキ属など広葉樹の材に発生しますが、稀に針葉樹にも発生するといいます。野外ではしばしば基質、色、形状、質感の似たアオゾメタケと迷うことがありますが、決して青色に変色せず、傘上面がアオゾメタケほど毛に覆われていない点などが異なります。
例外的に桃色~赤色なのが最大の特徴で、ヒイロタケに近い鮮やかな色をしていますので他の白色種とは明確に区別できます。関東の里山にも分布しますが、ヒイロタケよりはずっと稀。オシロイタケと似た質感なので、触ってみて初めて本種と分かることもあるかもしれません。基本的な形態や生態はオシロイタケに類似していますが、この美しい色彩により一目で識別可能です。
オシロイタケ属の全ての種は白色腐朽菌として機能し、リグニン、セルロース、ヘミセルロースを分解します。これにより枯死木の完全な分解に寄与し、森林生態系における炭素循環で重要な役割を果たしています。主に広葉樹の枯死木や倒木に発生し、カバノキ属、ブナ属、ハンノキ属、カエデ属樹木などに見られます。
新鮮な子実体は柔らかく水分を多く含みますが、数日で硬化し始め、色も変化します。北半球の温帯~亜寒帯林に広く分布し、湿潤な林床環境を好みます。
同定のコツ:野外で見られるのは主にオシロイタケ、アケボノオシロイタケの2種で、前者はアオゾメタケ、後者はヒイロタケによく似ています。いずれも新鮮な子実体は柔らかくスポンジ状で水分が多いのが特徴。種によっては苦味があるものも。世界的に見ると種レベルの同定は極めて困難で、オシロイタケとT. galactinusはDNA解析が必要なほど類似しているようです。確実な同定には顕微鏡観察とITS配列解析が必須です。可能であれば材の腐朽型を確認できると、よく似た褐色腐朽菌の属と識別できます。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。