🗓️ 最終更新日: 2025-07-01
- 多孔菌の1グループで、小型の円形〜不規則形の孔口を持つのが特徴です🍄
- 子実体の色は白色、クリーム-桃色、ライラック色など淡い色調が基本です🎨
- 顕微鏡で見るとソーセージ形〜楕円形の胞子と、孔口組織の菌糸を覆う刺状の結晶が決め手!✨
- 管孔層の上に密な軟骨質の組織帯があり、新鮮なときはゼラチン質のような独特の感触があります
- 2菌糸型または3菌糸型で、シスチジアは無く、代わりにシスチジオールが多くの種に存在します🔍
- 白色腐朽を引き起こす木材腐朽菌で、主に枯死材上に生育します🌲
- 世界で約60種以上が知られ、一部の種は他のサルノコシカケ類の上に生える変わり者も!
- 日本ではウラベニタケとヒメカタパンタケが見られますが、どちらもあまり出会わないかも…。
ウラベニタケ属(Skeletocutis)は、世界中に分布する多孔菌類の一群です。その学名の通り「乾燥した皮」のような独特の硬い質感を持つ種が多く、顕微鏡で見える特徴的な刺状の結晶が同定の決め手となります。最近の分子系統解析により、従来一つの種と考えられていたものが実は多数の隠蔽種からなることが明らかになるなど、分類学的にも注目を集めている属です。
ウラベニタケ属は担子菌門・ハラタケ綱・タマチョレイタケ目(Polyporales)・インクラストポリア科(Incrustoporiaceae)に属します。同じ科にはダイダイサルノコシカケ属(Piloporia)やオシロイタケ属(Tyromyces)があります。
分子系統解析により、本属はオシロイタケ属と近縁で、本属クレード内部にオシロイタケ属の種が入れ子状に位置することが示されています(Liu et al., 2025)。また、ヒメカタパンタケを含むS. nivea複合種がウラベニタケ(S. amorpha)とは別系統を形成することが示され、属の境界が再検討されています。以前は本属に分類されていたS. lenisとS. vulgarisは、新属Sideraに移されました。
本属の基準種で、世界的に最も観察記録が多い種(iNat観察記録約570件)。子実体はやや傘状になることもあり、稀に完全に背着生。胞子はソーセージ形でごく小型。主にマツ科の枯死材、特にマツ、モミ、カラマツ、トウヒなどに白色腐朽を引き起こしますが、稀に広葉樹にも生育します。
観察記録数は本属で2番目(約120件)。子実体は半背着生から背着生で、幼時独特の軟らかさのある質感ですが、乾燥すると硬くなります。傘表面は白色から黄褐色で、古くなると黒色に変色することも。孔口面はクリーム色で、管孔内部に青色や緑色を帯びることがあるのが特徴的。最近の研究で13種もの隠蔽種に分けられることが判明し(Korhonen et al. 2018)、DNA解析なしでは正確な同定が困難に…。
ウラベニタケ属の全ての種は白色腐朽菌として、様々な木質基質を分解します。大部分の種は針葉樹や広葉樹の枯死材上に生育しますが、生態的に興味深い特殊化も見られます。
特に注目すべきは、一部の種が他のサルノコシカケ類の枯死した子実体上に生育することです。S. brevisporaはPhellinidium ferrugineofuscum上に、S. chrysellaはPhellinus chrysoloma上に生育するなど、菌寄生的な生態を示します。また、S. bambusicolaのように竹に特化した種や、S. ochroalbaのように山火事後の炭化材に先駆的に侵入する種も知られています。一部の種は森林の指標種として保全対象とされています。
同定のコツ:日本における分布が知られているのはウラベニタケとヒメカタパンタケですが、どちらも狙って見られるような種ではないので、変わった質感の多孔菌は本属菌かもしれない、と意識しておく程度でよいかもしれません。顕微鏡で見て、担子胞子が小型のソーセージ形、かつ菌糸が結晶に覆われるなら、さらに本属の可能性が高まります!実際には分類が流動的なこともあって、形態だけでは識別困難かもしれません…。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。