🗓️ 最終更新日: 2025-06-11
- 蹄形〜半円形の多年生子実体で、木質〜コルク質の非常に堅い質感が特徴です🐴
- 傘表面は暗褐色〜黒色で堅く殻皮化し、同心円状の溝と放射状の亀裂が発達します
- 管孔は褐色で層状構造を形成し、孔口は1mmあたり4〜8個の小さな円形です🔍
- 顕微鏡で見ると2菌糸型(生殖菌糸+骨格菌糸)であり、子実層に剛毛が確認できます
- 胞子は無色で楕円形(4-6×3-5μm)、非アミロイド・非デキストリノイドです✨
- 宿主特異性/選好性が非常に高く、種ごとに特定の樹木にのみ発生します🌳
- 生きた広葉樹の心材腐朽を引き起こす白色腐朽菌で、宿主が枯死しても腐朽を継続します
- 分子系統解析により従来の広義キコブタケ属は多系統群と判明、現在は狭義に再定義されています📊
キコブタケ属(Phellinus)はコルクのように堅い子実体を持つ木材腐朽菌です。蹄形の多年生子実体と高い宿主特異性/選好性が特徴的で、生きた広葉樹に心材腐朽を引き起こします。
キコブタケ属は担子菌門・ハラタケ綱・タバコウロコタケ目・タバコウロコタケ科(Hymenochaetaceae)に属します。近年の分子系統解析により、従来の広義のキコブタケ属は多系統であることが判明し、現在はP. igniarius複合種を中心とするより小規模な属として再定義されています。
現在は狭義のキコブタケ属はキコブタケ複合種を中心とするグループに再定義されています。この再分類により、Porodaedalea、Fomitiporia、Fuscoporia、Phellinidium、Phylloporiaなどの属が独立しました。メシマコブもかつてはこの属に含まれていましたが、既にSanghuangporus属に移されています。
属の基準種で、ヤナギ属樹木に特異的に寄生します。多年生の蹄形子実体は暗褐色〜黒色で亀裂が入り、子実層には剛毛が存在。担子胞子は無色楕円形で平滑薄壁。北半球の温帯〜寒帯地域に広く分布し、全世界のiNat観察記録は本属最多の約8,500件です!
北米とヨーロッパに広く分布する種で、iNat観察記録は本属2位の約6,100件です。ヤマナラシ属(ポプラ)に特異的に寄生する種。蹄形〜半円形の子実体は暗褐色。キコブタケに類似しますが、宿主の違いで明確に区別されます。やはり北方に分布する傾向があり、分布域は亜寒帯に達します。
主にヨーロッパに広く分布する種。サクラ属に特異的に寄生します。硬い多年生子実体は灰褐色〜暗褐色で、管孔は層をなします。サクラの病原菌として知られ、果樹園では要注意の種です。都市公園でも見つかることがあるといいます。
米国北東部や北欧など北方に分布する種。主にカバノキ属に発生しますが、他の広葉樹でも見つかります。蹄形の子実体は表面が黒色化し亀裂が入るのが特徴。分類学的位置には議論があります。北半球の温帯〜寒帯地域に分布。
キコブタケ属の全ての種は木材腐朽菌(白色腐朽菌)として機能し、リグニンとセルロースを分解します。多くは生きた広葉樹の幹に寄生して心材腐朽を引き起こします。最大の特徴は極めて高い宿主特異性/選好性で、各種が特定の樹木属にのみ発生します。この特異性は共進化と適応放散の結果と考えられ、宿主の分布拡大に伴って菌類も異なる地域で種分化したと推測されています。
どちらかというと北方に分布する種が多く、関東の里山で見られる種は限られています。一番多いのはおそらくダイダイタケ。これは独特の色合いと形状で割と認識しやすい種です。コフキサルノコシカケ(オオミノコフキタケ)が、時に本属菌に見える形態をとることがあるので注意が必要です。
同定の決め手:まずはコフキサルノコシカケ(オオミノコフキタケ)でないことの確認が重要です!同じく多年生で硬く、傘に亀裂を生じることがありますが、キコブタケ属なら殻皮が暗色のはずです。次に宿主樹種を確認しましょう。ヤナギならキコブタケ、サクラならチャサクラアナタケなど、樹種からかなり絞り込めます。顕微鏡があれば2菌糸型と子実層剛毛を確認しましょう。実際には形態的によく似た種が多数あるので、ダイダイタケは比較的分かりやすいですが、その他の種はDNAバーコーディングを必要とすることも多いです。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。