🗓️ 最終更新日: 2025-06-01
- 杯形または鐘形の極小子実体(通常2-5mm)で、通常のきのことは逆さまに生長します🔍
- 色は白色~帯黄白色で、内側に平滑な子実層面を持ちます✨
- 主に枯死した植物の茎や枝に直接または短い柄を介して付着します🌿
- 外面には微細な毛状構造があり、特にエツキヒメサカズキタケ(C. capula)では複雑に分岐した樹枝状になることが特徴的です
- 高湿度環境を好み、森林内の落枝・落葉層に生育する腐生菌です☔
- きのこの中でもチャワンタケに似た形になる、いわゆるフウリンタケ類(cyphelloid fungi)の代表的な属です
- 顕微鏡下では担子胞子は無色円筒形~楕円形で平滑、4.5-6 × 2-3 μmです(エツキヒメサカズキタケの場合)
カリプテラ属(Calyptella)は、小さな杯や鐘のような形をした繊細なキノコです。子実体は通常2-5mmと極めて小型で、枯死した植物の茎や枝に逆さまに付着します。内側には平滑な子実層面があり、ここに担子胞子をつくります。全世界に約20種が知られており、湿度の高い環境を好む腐生菌として、森林生態系の物質循環に重要な役割を果たしています。
カリプテラ属(Calyptella)は担子菌門・ハラタケ綱・ハラタケ目・ポロテレウム科に分類されます。この属は1886年にQuéletにより設立され、Peziza capulaを基準種としています(学名を見て分かる通り、当初はチャワンタケだと考えられていた!)。形態的には「フウリンタケ類」と呼ばれるグループに含まれ、さらに微小なきのこが多い中では、割と大きめで目立つグループと言えます。
分子系統解析によれば、基準種であるエツキヒメサカズキタケはシジミタケを含むResupinatusクレードの姉妹群として位置づけられています。ただし統計学的支持は弱く、系統的位置はまだ完全には解明されていません。
本属で最も観察記録が多い種で、世界の温帯地域に広く分布する汎世界的な種です。草本の枯れた茎に発生し、世界的には特にイラクサ属植物から頻繁に記録されています。子実体は高さ2-5mm、幅1-3mmの鐘形または杯形で、外側に複雑に分岐した珊瑚状の構造(ラメアレス構造)を持つのが最大の特徴。2009年には韓国からも報告されました。
1892年にオーストラリアのクイーンズランド州から記載された種で、特徴的なパイプ状または牛の角状の長い形状をしており、開口部は通常下向きです。熱帯雨林の倒木上に多数密集して生育し、時には基質の木材を完全に覆うほどになります。稀なきのこでしたがYoung (1996) で再発見され、なんと生長中に青酸ガスを産生することが分かりました(よく推理もので出てくるあの「アーモンド臭」が実際に確かめられています!)。
ニュージーランド固有種とされる種で、宿主のマキの仲間、Podocarpus totaraの生きた樹木(生木)に発生します。1953年にCyphella totaraとして記載され、その後Lachnella属を経て、1961年にCookeにより現在の属に転属されました。杯形の子実体を形成し、ニュージーランドの森林環境に特化して生息しているようです。
カリプテラ属のキノコは全て腐生菌として機能し、枯死した植物物質の分解に重要な役割を果たしています。子実体が非常に薄く乾燥しやすいため、湿度の高い環境を必要とし、森林内の落枝・落葉層や、厚い枝葉の蓄積層、枯れた草の塊などの湿った微小生息環境に生育します。
地理的分布は種によって異なり、エツキヒメサカズキタケは世界中の温帯地域に広く分布する一方(ただし日本での報告はごく稀)、カリプテラ・トタラはニュージーランド固有、カリプテラ・ロンギペスは主にオーストラリア地域に分布します。これらの菌類は森林生態系における栄養循環の一部を担い、植物遺体の分解を通じて養分を土壌に還元する重要な分解者です。
実用的な同定のコツ:2-5mmの小さな杯形の子実体が逆さまに生えていたら、おそらくこの属でしょう!エツキヒメサカズキタケなら世界的にはイラクサの枯れ茎によく発生するようですが、日本で狙って探せるものなのかは不明です。管理人は横浜の里山でそれらしきものを見つけています。また、iNatでは島根県からカリプテラ・カンパニュラ(C. campanula)と思われる記録があります。顕微鏡観察では外面の微細構造(特に樹枝状構造)と担子胞子のサイズを確認することが重要です。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。