🗓️ 最終更新日: 2025-05-25
- 地上生で中央に柄を持つ革質の多孔菌です、まるで小さな漏斗やコマ(独楽)のような形です🎪
- 傘の表面には美しい環紋があり、肉桂(シナモン)色〜褐色の濃淡模様が特徴的✨
- タバコウロコタケ科(Hymenochaetaceae)共通の特徴として、本属もKOH(水酸化カリウム)で黒変性を示します⚗️
- 子実体は薄く革質で、乾いても形を保ち、湿ると再び柔らかくなります
- 傘の下面は通常管孔状ですが、ウズタケは特殊な同心円状の偽襞を持ちます🌀
- 顕微鏡で見ると剛毛がなく、菌糸構成は1菌糸型で菌糸にはクランプを欠くのが特徴です🔍
- 菌根性と腐生性の両方の性質を持つ、タバコウロコタケ科では珍しい生態です🌲
- 担子胞子は楕円形で平滑、淡黄褐色で僅かにデキストリノイド性です📊
オツネンタケ属(Coltricia)は、傘に肉桂色の美しい環紋を持つ地上生の多孔菌です。1821年にGrayによって設立された歴史ある属で、タバコウロコタケ科の中では異色の存在。なぜなら、科内の他の仲間が木材腐朽菌なのに対し、この属だけが菌根共生を行うからです。小さな漏斗やコマのような愛らしい姿で、森の地面や道端にひっそりと生えています。
オツネンタケ属は担子菌門・ハラタケ綱・タバコウロコタケ目・タバコウロコタケ科に属します。分子系統解析により、本属はタバコウロコタケ科の系統樹の基部に位置することが判明し、約1億590万年前という驚くべき古さで分化したと推定されています。
2022年の重要な分類学的変更により、以前は別属とされていたヒメカイメンタケ属(Coltriciella)が本属に統合されました。これにより属の概念が拡大し、背着生から有柄まで多様な形態を含むようになりました。比較ゲノミクス研究では、本属が白色腐朽菌の能力を持つ腐生性の祖先から、植物細胞壁分解酵素遺伝子を減少させながら菌根共生へと進化したことが示唆されています。
本属の基準種で、世界で最も観察記録が多い種(iNat約7,300件)。傘は3-10cmと比較的大型で、表面は初めビロード状~綿毛状、明瞭な環紋を持ちます。毛は老成すると脱落します。管孔は垂生し、やや大きめです。主に針葉樹林の地上、特に焚き火跡地や道端の裸地に発生。北米でもヨーロッパでも、ニッケイタケよりも顕著に北方に分布が広がっています。
オツネンタケより小型(通常4cm以下)で、表面に絹状光沢があるのが特徴。学名通り肉桂色の美しい同心円模様を持ちます。主に広葉樹林に発生し、斜面の土が露出した場所に多い印象があります。担子胞子はオツネンタケより幅が広いです。傘表皮菌糸の末端に角状分枝構造を欠くことで顕微鏡的に区別できます。iNat観察記録は約4,000件で、世界的にはオツネンタケより報告が少ないですが、関東の里山ではニッケイタケが普通です。
本属で最も特徴的な種で、傘の下面に同心円状の偽襞を形成します。他の種が管孔なのに対し、この種だけが渦巻き状の襞様構造を持つため、野外で容易に識別可能。ただし、ほとんど管孔状になる通称「アミウズタケ」もあります(種としては同一とされます)。傘は5-10cmと大型で、表面はビロード状。関東の里山でも稀に見つかることがあります。
オツネンタケ属は菌根共生と腐生性の両方の栄養様式を持つ、生態学的に興味深いグループです。タバコウロコタケ科の中で唯一の菌根菌を含む属として、マメ科、フタバガキ科、フトモモ科などの樹木と外生菌根を形成することが報告されています。
一方で、焚き火跡地や撹乱地にも頻繁に出現し、埋もれた木材や炭化物から栄養を得る腐生的な性質も持ち合わせています。この二面性は、白色腐朽菌の祖先から菌根共生へと進化する過程を反映している可能性があり、進化生態学的に重要な研究対象となっています。
野外での簡易同定法:地上生の革質きのこで同心円模様があったら、本属を疑いましょう!おもむろにKOH液を一滴、黒変すればさらに本属の可能性UPです。次に傘の大きさと表面の質感をチェック。大型で綿毛状ならオツネンタケ、小型で絹状光沢ならニッケイタケ。傘の裏が同心円模様ならウズタケで決まり!生育環境(針葉樹林か広葉樹林か)も重要な手がかりになります。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。