🗓️ 最終更新日: 2025-05-27
- 若い子実体では傘と柄を繋ぐコルチナ(蜘蛛の巣状の被膜)があるのが最大の特徴です🕸️
- 胞子紋はさび褐色~褐色で、成熟すると柄にさび色の繊維状の帯が残ることが多いです🟫
- 胞子は装飾(疣状・網目状など)があるのが一般的で、発芽孔はありません✨
- ほぼ全ての種が外生菌根菌で、特定の樹木と強い共生関係を持ちます🌲
- 2022年の研究で10属への分割が提案されましたが、現在も議論が続いています📊
- 傘の色は褐色系が多いですが、紫・青・黄色・赤など鮮やかな種も存在します🌈
- オレラニンという腎毒性物質を含む猛毒種があり、食用には要注意です⚠️
- 世界中に分布し、針葉樹・広葉樹の両方と菌根を形成します🌍
フウセンタケ科は担子菌のグループの中でも最も多様なものの一つで、特徴的な「コルチナ」と呼ばれる蜘蛛の巣状の被膜を持つことで知られています。長い間フウセンタケ属(Cortinarius)のみを含む科とされてきましたが、2022年のゲノム解析により10属への分割が提案され、現在も活発な議論が続いています。森林生態系において重要な外生菌根菌として機能し、世界中のあらゆる森林環境に適応しています。
フウセンタケ科は担子菌門・ハラタケ綱・ハラタケ目に属します。2022年、Liimatainen et al.は75の単一コピー遺伝子に基づく系統ゲノム解析により、従来のCortinarius属を10属に分割する革新的な提案をしました:Cortinarius、Phlegmacium、Thaxterogaster、Calonarius、Aureonarius、Cystinarius、Volvanarius、Hygronarius、Mystinarius、Austrocortinarius。
しかし2024年、Gallone et al.は同じデータセットを再解析し、系統樹に矛盾があることを指摘しました。バックボーンの分岐が非常に短く支持が弱いため、現時点では属の分割は時期尚早との見解を示しています。この論争は菌類分類学の最前線を示す好例で、形態と分子データの統合的理解の重要性を物語っています。
iNaturalistで14万件以上の観察記録を誇る最大の属。子実体のサイズは極小から大型まで様々で、色彩も褐色系が基本ですが紫・青・黄色など多彩。傘表皮は2層構造(pileipellis duplex)で、多少発達した下皮層を持ちます。窒素を含む二次代謝産物が一部の亜属で知られています。
鮮やかな色彩と縁取りのある塊茎状の柄基部(marginated bulb)が特徴的な中~大型の属。傘表皮は単層構造(pileipellis simplex)。胞子は扁桃形~レモン形で粗い疣状突起を持ちます。北半球に分布し、iNat観察記録は約2,700件もありますが、日本からはほとんど報告がないのが現状です…。
粘性のある傘を持つことが多い属で、世界中に分布。傘表皮は2層構造で下皮層を持ち、柄は乾性で繊維状。iNat観察記録は約1,700件。Cystinarius属の一部と似ていますが、後者は明確なシスチジアを持ち傘が乾性である点で区別されます。
白色から紫色まで色彩の変化に富む属で、蜂蜜様または甘い香りを持つことが多いのが特徴。これはフウセンタケ科の他の属では一般的ではない特性です。一部の系統はシクエストレート菌(sequestrate fungi)としての形態を持ち、4つの明確な節に分類されます。iNat観察記録は約1,400件。
子実体の少なくとも一部に鮮やかな黄色・オレンジ・赤色が見られる美しい属。小型から中型。傘は平滑~細かい鱗片状~ビロード状まで様々で、乾性または粘性。両半球に分布し、iNat観察記録は約460件。現在AureonariusとCallisteiの2亜属を含みます。
フウセンタケ科のきのこは森林生態系の要として機能する外生菌根菌です。植物の根と形成する菌根を通じて、植物からは炭素を受け取り、代わりに土壌からリン・窒素などのミネラル吸収を助けます。熱帯から極地まで世界中の森林に分布し、針葉樹・広葉樹の両方と共生関係を形成します。
興味深いことに、一部の種は高度な宿主特異性を示し、特定の樹種とのみ共生します。例えばハンノキ専門の種などが知られています。また、石灰質土壌や酸性土壌など、特定の土壌条件を好む種も多く、森林の土壌環境の指標としても重要です。関東の里山でも一部の種が見られますが、より多様な種が見たければ標高を上げる必要があります。
野外同定の実践的手順:①若い子実体でコルチナ(蜘蛛の巣状被膜)を確認→②胞子紋を採取(さび褐色~褐色が特徴)→③柄のさび色の繊維状帯をチェック→④傘の粘性と色彩パターンを記録→⑤柄基部の形状(塊茎状?)を観察→⑥生育環境と近くの樹木を記録。ただし種レベルの同定は極めて困難で、多くの場合DNA解析が必要です…。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。