🗓️ 最終更新日: 2025-06-04
- 傘が半球形から平らに開き、襞が淡褐色で、柄に顕著なつばがあるのが特徴です💍
- 主に広葉樹の材に発生し、白色腐朽を引き起こす木材腐朽菌です🌳
- 幼菌時には襞を覆う内被膜があり、これが破れてつばとして残ります✨
- 2014年にフミヅキタケ属(Agrocybe)から分離された比較的新しい属です🧬
- 主要3種:ヤナギマツタケ(枯木上)、C. parasitica(生木寄生)、ツチナメコ(地上)で生態が異なります🔍
- 顕微鏡的には褐色楕円形〜円筒形の胞子が特徴で、厚い胞子壁と発芽孔を持ちます
- 今のところはヤナギマツタケとツチナメコは実務上では単一種として扱われていますが、種内で担子器の胞子数などに多様性が知られているので、今後細分化されるかもしれません…
シクロシベ属(Cyclocybe)は褐色で小型~中型のきのこからなるグループで、褐色の胞子と柄のつばが特徴的です。主にヤナギマツタケ、ツチナメコ、C. parasiticaの3種からなります。
シクロシベ属は担子菌門・ハラタケ目・チャムクエタケ科(Tubariaceae)に属します。伝統的にはモエギタケ科に含まれていました。2014年、イタリアの菌類学者Vizziniらによる分子系統解析により、フミヅキタケ属から分離・新設されました。
系統学的には大きく3つのグループに分かれます:ヨーロッパ系統群(ヤナギマツタケを含む)、アジア系統群(C. chaxingu複合種と呼ばれる)、その他の系統群(ツチナメコなど)。興味深いことに、ヨーロッパ系統群は中国種のC. salicaceicola、アジア系統群は太平洋地域のC. parasiticaと、それぞれ近縁関係にあります。
世界中の温帯地域に広く分布する最も一般的な種。iNat観察記録は全世界で約4,500件。ポプラ、ヤナギ、ナラなどの広葉樹の枯木や切り株に腐生的に発生します。プラタナスやトウカエデなど、生きた街路樹のうろなどから発生することもしばしば、交通量の多い道路沿いでも構わず旺盛に生えてきます。傘は4-10cmで淡褐色〜褐色、中心部が濃色。乾燥するとひび割れることがあるのが特徴。柄は強靭。つばが特に大きく、上面にはしばしば褐色の胞子が厚く積もっています。最近は食用のために栽培されています。
ニュージーランド、オーストラリアなど太平洋地域に分布。広葉樹の生木に寄生し、心材腐朽を引き起こす点が他種と大きく異なります。傘は大型で12-15cmに達し、淡黄褐色で中心部が暗色。ナンキョクブナ、カバノキ、ポプラなどに発生しますが、針葉樹では見られません。
森林内の土壌上、落葉下、木材片上に腐生的に発生する小型種。iNat観察記録は全世界で約1,200件。和名に「土」とある通り、土の上から直接発生することが多いです。傘は1.5-5cmでヤナギマツタケより小さめ。暗褐色で粘性があり、成熟しても色が薄くならないのが重要な識別点。傘の縁部に皺やフリル状の被膜を伴うことも。北米、ヨーロッパ、オセアニアに分布し、最新の研究では概日リズムに影響を与える新規化合物、シクロサーカジンが発見されています(Kobayashi et al., 2023)。
シクロシベ属は主に木材腐朽菌として機能し、森林生態系における有機物分解に重要な役割を果たしています。白色腐朽を引き起こし、リグニンとセルロースの両方を分解できる能力を持ちます。
生態的には3つの異なるニッチを占めています:ヤナギマツタケは枯死木の腐生菌、C. parasiticaは生木の寄生菌、ツチナメコは土壌中の有機物を分解する腐生菌。この生態的多様性は、属内での適応放散を示唆しています。
実用的な同定の流れ:アジア産系統が日本の本属菌とどう関係してくるかは今後の研究を待たなければなりませんが、今のところはヤナギマツタケとツチナメコに限られるので、個別に覚えるのが一番です。前者は木の上、後者は主に地上に発生します。ヤナギマツタケは実際に生えているところを見て、柔らかい傘や強靭な柄に触れて触感で覚えれば、比較的容易に認識できます。ツチナメコは時にヤナギマツタケとほとんど変わらないような子実体も見かけますが、とにかく地上に生えるというのが最大の識別ポイントです。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。