🗓️ 最終更新日: 2025-07-07
- 小型の褐色のきのこで、いわゆる「リトル・ブラウン・マッシュルーム(LBM)」の代表格です🍄
- 胞子紋の色は黄褐色〜淡褐色〜肉桂色で、紫褐色ではないのがポイント✨
- 多くの種はコケと関係を持っており、コケの中から顔を出します🌿
- 傘は吸湿性で、湿った時と乾いた時で色が変わります💧
- ヒメアジロガサ(G. marginata)は猛毒のタマゴテングタケと同じアマトキシン類を含む致命的なきのこです☠️
- 世界中に300種以上が分布する巨大な属ですが、同定はとにかく困難を極めます🌍
- 正確な種の同定には顕微鏡検査が必須です🔬
- 幻覚性のシビレタケ属(Psilocybe)とも混同されやすいので、きのこ狩りでは要注意⚠️
ケコガサタケ属(Galerina)は、きのこ愛好家の間では、特に同定の難しい「LBM」の代表的なグループとして知られています。世界中に300種以上が分布し、そのほとんどが小型で褐色系の地味な外見をしています。しかし地味な見た目とは裏腹に、ヒメアジロガサやコレラタケのように致命的な毒成分を持つ種も含まれており、決して軽視できない存在です。多くの種がコケと密接な関係を持ち、腐朽材やコケの中から小さな傘を出す姿が特徴的です。
ケコガサタケ属は担子菌門・ハラタケ目・ヒメノガステル科(Hymenogastraceae)に属します。かつてはモエギタケ科(Strophariaceae)に分類されていましたが、分子系統解析により現在の位置に再分類されました。
最新の研究により、この属は多系統群であることが判明し、少なくとも3つの異なる系統クレードに分かれることが明らかになっています。Kühnerによる亜属分類(Galerina亜属、Mycenopsis亜属、Naucoriopsis亜属、Tubariopsis亜属、Sideroides亜属)は、これらの系統クレードとおおむね対応しています。特に注目すべきは、致命的なアマトキシンはNaucoriopsis亜属のG. marginata複合種群にのみ存在することです。
全世界で最も観察記録が多い種(iNat約2万件)で、別名「Funeral Bell(葬送の鐘)」。傘径は小さく、黄土色から橙褐色。湿時は粘性があり、乾くと色が薄くなる吸湿性を示します。小さなつばが柄の上部にありますが、古い個体では消失することも。針葉樹や広葉樹の腐朽材上に束生し、コケから生える特徴は見られません。都市部ではウッドチップ上にも発生することも。致命的なアマトキシンを含み、タマゴテングタケと同様の毒性を持ちます。ヒメアジロガサモドキとは顕微鏡で胞子を見ると識別可能です。
iNat観察記録約3,000件は本属2番目で、欧米に広く分布します。傘は極小で、蜜色または淡褐色。柄は非常に細く脆い。主に8〜9月に、コケの中や半分腐朽した丸太上に小群で発生。分類学的には混乱があり、現在は複合種として扱われることが多いです。
属の基準種で、湿ったコケの上によく見られます。傘には明瞭な条線があり、和名の通り柄表面が微毛に覆われるのが特徴。英名もこの柄の毛の特徴から「hairy leg bell」です。米国の一部では原生林の健全性を示す指標種にも指定されています。
ケコガサタケ属の全ての種は腐生菌で、腐朽材やコケのような基質で生育します。多くの種は特定のコケ(<ミズゴケ属、シッポゴケ属、スギゴケ属など)と密接に関連しており、G. paludosaはミズゴケ属のコケに寄生することが示されています。
一方、Naucoriopsis亜属の種はコケとは関連せず、主に木材分解者として機能します。ヒメアジロガサのような種は針葉樹や広葉樹の腐朽材上に発生し、都市環境ではウッドチップ上でも見られます。発生時期は種により異なりますが、多くは春から秋にかけて見られ、ヒメアジロガサは条件が良ければ一年中発生することもあります。フユノコガサはその名の通り、他のきのこがあまり見られない冬から春にかけてよく見られます。
同定のコツ:褐色小型で、傘が鐘形で条線をあらわす、という特徴を見たら本属を疑いましょう!コケから生える種やつばを持つ種も多いですが、いずれも例外あり。襞が紫色を帯びないこと、子実体が青変しないことなども他属との識別には重要です。肉眼での同定は非常に困難なグループなので、顕微鏡による胞子とシスチジアの観察が必須です。無理に種まで同定しようとせず、「ケコガサタケ属の一種」で止めておくのが賢明かもしれません。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。