🗓️ 最終更新日: 2025-06-27
- 傘の中央が凹んだヒダサカズキタケ型~カヤタケ型の小型きのこです🍄
- 襞が垂生(傘の縁から柄まで垂れ下がるように延びる)するのが特徴✨
- 木材腐朽菌として倒木や朽木に発生し、地上に直接生えることはありません🪵
- 胞子紋は白色で、胞子は非アミロイド(ヨード反応陰性)です🔍
- 菌糸組織はサルコディミティック(sarcodimitic)構造で、これにより比較的強靭な肉質です💪
- 2019年にポロテレウム科(Porotheleaceae)へ再分類されました📚
- 多系統群であることが判明し、現在少なくとも10の系統グループに分かれています🧬
- 一部の種(G. viridilucens)は生物発光する特異な性質を持ちます✨
ゲロネマ属(Gerronema)は、傘の中央が凹んだ小型のきのこからなる小さなグループで、襞が垂生するのが最大の特徴です。全て木材腐朽菌で、倒木や腐朽材にのみ発生します。世界で約60種が知られ、主に熱帯・亜熱帯に分布しますが、温帯地域でも見つかります。
ゲロネマ属は担子菌門・ハラタケ綱・ハラタケ目・ポロテレウム科に属します。1951年にSingerによって設立されましたが、長らくホウライタケ科(Marasmiaceae)に分類されていました。
2019年のVizziniらの研究により、Hydropus属、Megacollybia属、Clitocybula属などとともに「ヒドロポイド(hydropoid)クレード」を形成することが判明し、ポロテレウム科へ再分類されました。さらに重要な発見として、本属が多系統群であることが明らかになり、最新の研究では少なくとも10の系統グループに分けられています。この結果は、現在の分類が人為的であり、将来的に複数の属に分割される可能性を示唆しています。
本属で最も観察例が多い種(iNaturalistで約4,400件)。市民科学が盛んな北米東部から大量の記録があります。傘径は最大10cmと本属では大型。灰褐色~黄褐色で、成熟すると黄色の地に褐色の放射状繊維紋が現れるのが特徴です。襞は黄色を帯び、胞子紋は白色。オークなど広葉樹の倒木に豊富に発生し、特に晩春から秋に出現します。形態変化が大きく、若い時と成熟時で別種のように見えることも。
黒色の中央部と白色の縁という特徴的な配色の傘を持つ種。2019年にヒメヒロヒダタケ属(Clitocybula)から本属へ再分類されました。温帯地域に広く分布し(iNat約600件)、日本でも観察されます。腐朽材や落枝に発生し、和名の通りヒロヒダタケとしばしば混同されますが、本種は襞がはっきり垂生し(ゲロネマ属の特徴)、担子器が2胞子性です!
ブラジルの大西洋岸森林に生息する、生物発光性を持つ希少種。菌糸体と子実体の両方が発光し、特に襞が緑色に光るのが特徴的だそうです。Eugenia fluminensis樹の樹皮に特異的に生息します。
日本から2000年に記載された比較的新しい種です!関東地方の里山では頻繁に見られ、普通種といえます。その和名の通り、傘がオリーブ色を帯びる特徴的な種。のちに灰緑色~鈍黄色に変化します。コナラやシイの落枝(小枝のことも多い)に発生し、子実体基部には白色綿毛状の菌糸体を伴います。時に本種と同定していいか迷うような形態をとるものもあり(でも他に候補がない)、変異が大きい種なのだと思われます。
ゲロネマ属の全ての種は木材腐朽菌として生活し、倒木や朽木を分解して栄養を得ています。土壌から発生することはなく、必ず木質基質と関連しています。
地理的には主に熱帯・亜熱帯地域に分布の中心がありますが、温帯地域でも見つかります。ヨーロッパや北米東部では、暑く蒸し暑い夏季に子実体を形成することが知られています。特定の樹種との関連性を示す種もあり、例えばG. viridilucensはEugenia属の樹皮にのみ発生します。
近縁属との識別ポイント:日本で主に見られるのはオリーブサカズキタケとヒロヒダタケモドキ。前者は子実体の色と垂生の襞の組み合わせで比較的容易に同定できます。後者も襞の垂生を確認し、ヒロヒダタケとの混同を避けましょう。外見が似ているヒダサカズキタケ属(Omphalina)との区別は、ヒダサカズキタケ属の菌糸が色素に覆われたり、細胞内色素を含むのに対し、本属はそれらを欠くこと。また本属は材上に限定して発生し、ヒダサカズキタケ属のように土壌やコケ上から発生することはありません。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。