🗓️ 最終更新日: 2025-06-27
- 和名の通り襞が幅広く疎なのが特徴で、白色~淡いオリーブ色を呈します🍄
- 傘は灰褐色~黒褐色で、放射状繊維紋をあらわし、中央がやや窪むことが特徴的✨
- 柄の基部に白色の根状菌糸束(リゾモルフ)が発達します🌱
- 広葉樹の腐朽材上または付近の地上に発生する腐生菌です🪵
- 傘表皮にSiccus型の箒状細胞があり、オリーブ色の色素を含みます🔍
- 胞子は種によってそれほど違いがなく、無色の卵形~広楕円形、非アミロイドで油滴を含みます
- 分子系統学的研究(Hughes et al., 2007)により、世界で少なくとも8-9種に分類されることが判明しました📊
- 縁シスチジアは棍棒形で、日本産のヒロヒダタケでは薄壁なのが識別ポイントです💡
ヒロヒダタケ属(Megacollybia)は、その名の通り「幅広い襞」を持つ中~大型のきのこからなるグループです。傘は灰褐色~黒褐色で放射状の繊維紋があり、襞は白色で疎。柄の根元には特徴的な白い菌糸束があります。
ヒロヒダタケ属は担子菌門・ハラタケ綱・ハラタケ目・ポロテレウム科(Porotheleaceae)に属します。2007年のHughesらによる研究まで、本属は単型属(M. platyphyllaのみからなる)と考えられていました。
分子系統解析の結果、地理的分布と密接に関連した複数の隠蔽種が存在することが判明。日本を含む東アジアにはヒロヒダタケとM. marginata(極東ロシア産、襞が暗褐色に縁取られる)の2種が分布し、ヨーロッパのM. platyphyllaとは別種であることが確認されました。本属はヒドロポイド(hydropoid)クレード内で独立した系統群を形成しています。
日本を含む東アジア(日本、韓国、中国、ロシア極東)に分布。広葉樹の腐朽材上に発生し、竹林でも稀に見られます。傘は最大10cmほどになることもあり、灰褐色~黒褐色で中央部が微細な鱗片状。襞は湾生~垂生で縁シスチジアが薄壁なのが特徴。同科別属のヒロヒダタケモドキは襞が垂生するので本種と見分けられますが、本種も若干垂生気味になることがあるので難しいところです。上から見ただけではウラベニガサとも紛らわしいことがありますが、襞がはっきり白色であれば本種と分かります♪
ヒロヒダタケ属は全種が腐生菌で、主に広葉樹の腐朽材上またはその付近の地上に発生します。日本産のヒロヒダタケは夏から秋(6-10月)にかけて、コナラ属、ブナ属などの枯れ木や切り株に単生または群生します。
興味深いことに、ヨーロッパ産は春(5月頃)から発生し、より腐朽の程度が低い材を好むのに対し、日本産はより腐朽の進んだ材に発生する傾向があるといいます。白色の根状菌糸束は材中を広く伸展し、栄養摂取と子実体形成に重要な役割を果たしています。
見分け方のコツ:特徴的な見た目と分かりやすい和名から、ヒロヒダタケを連想することは比較的容易です。襞の幅が広く疎であることを確認、傘の放射状繊維紋を観察、柄基部の白い根状菌糸束をチェック、発生基質が広葉樹の腐朽材であることを確認しましょう。問題なのはヒロヒダタケモドキとの識別ですが…。どちらも材上生で、全体の様子、傘の模様などが似ています。ヒロヒダタケの方が大型で襞が疎な傾向はありますが、時に肉眼的形態だけでは識別困難なものもあります。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。