🗓️ 最終更新日: 2025-06-25
- 子実層面に六角形または菱形の孔口を持つのが最大の特徴で、属名の由来にもなっています🔷
- 子実体は半円形〜扇形の棚状で、柄を持たず木材に側面着生します🍄
- 表面は種により剛毛状・ビロード状・紙状など多様で、褐色系が多いです
- 主に熱帯・亜熱帯地域の広葉樹枯死材に発生する白色腐朽菌です🌴
- H. hydnoidesは黒色の剛毛が特徴的で、北米から大量に報告されているのでiNat観察記録最多です✨
- 孔口のサイズは種により異なり、0.1〜2mm程度で同定の重要ポイントです🔍
- カワラタケなど多くの多孔菌類とは大きな六角形の孔口で区別できます
- 分子系統解析により一部の種は再分類が進行中で、特にH. hydnoidesはCerrena属やPogonomyces属への移動が議論されています📊
カドアナタケ属(Hexagonia)は、その名の通り六角形の孔を持つサルノコシカケの仲間です。熱帯・亜熱帯地域を中心に広く分布し、現在約40種が認められています。多くは革質〜木質の硬い子実体を形成し、広葉樹の枯死材を分解する白色腐朽菌として森林生態系で重要な役割を果たしています。特にH. hydnoidesは黒い剛毛を持つ特徴的な種として知られ、世界中で多数の観察記録があります。
カドアナタケ属は担子菌門(Basidiomycota)・ハラタケ亜門・ハラタケ綱・サルノコシカケ目(Polyporales)・サルノコシカケ科(Polyporaceae)に属します。分子系統解析により、本属は「ポリポロイドクレード」に位置し、Datronia属、Earliella属、Microporus属などと近縁であることが判明しています。
分類学的には流動的な状況にあり、特に観察記録の多いH. hydnoidesは、樹状の分枝パターンを持つスクレロハイファなどの顕微鏡的特徴から、Cerrena hydnoidesやPogonomyces属への再分類が提案されています。形態分類と分子データの統合により、より自然な分類体系の確立が進められています。
本属で最も観察記録が多い種で、北米東部、中南米、アフリカ、インドなど広範囲に分布しますが、特に市民科学が盛んな米国において、フロリダ半島全体のほか、ヒューストン、オースティン、ダラスなどの大都市圏から大量に報告されています。それだけ都市環境で普通に見られる種ということですね…。子実体上面の黒色の剛毛が最大の特徴で、孔口は小型、胞子は円筒形。ブラジルでは伝統的に乳児の腹痛緩和に使用され(Andrade et al., 2021)、サポニン化合物による抗菌作用も確認されています。
日本を含むアジア地域に分布する種です。管理人は神奈川県の真鶴半島でしか見たことがありませんが、この地域を特徴づける代表種です。小笠原諸島からの記録もあります(保坂、2018)。特徴はとにかく巨大な孔口!これほど大きくて美しい多孔菌は他にありません。子宮頸がん細胞株に対する抗がん活性を示すことが研究で明らかになっており(Ghosh et al., 2020)、薬理学的研究の対象として注目されています。
カドアナタケ属の全ての種は白色腐朽菌として機能し、セルロース、ヘミセルロース、リグニンを分解する酵素を分泌します。これにより枯死した木材を効率的に分解し、森林生態系における炭素循環と栄養素の再利用に重要な役割を果たしています。
主に熱帯雨林や湿潤な硬葉樹林に生息しますが、一部の種は半乾燥地域にも適応しています。広葉樹の枯死材、倒木、切り株、枯れ枝などに側生し、柄はありません。地理的分布は種により異なり、汎熱帯的に分布する種から地域固有種まで多様性に富んでいます。
野外同定のコツ:関東地方で見つかるのはおそらくフルイタケに限られ、それもかなり限定された地域のみで見られます。六角形の大型の孔口を確認しましょう。おそらく他の種との混同はないと思います…!
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。