🗓️ 最終更新日: 2025-01-01
- 木材腐朽菌の多孔菌類(polypore)の最も代表的なグループ。下面に管孔を持つのが最大の特徴です🍄
- 子実体は傘状・棚状・蹄形など実に多様!一年生から多年生まで発達様式もいろいろです✨
- 質感は木質から革質、コルク質まで幅広く、手触りが識別のカギです
- ほとんどが白色腐朽菌で、木材中のリグニンとセルロースを両方分解します🌲
- 菌糸構成は1菌糸型・2菌糸型・3菌糸型のいずれかで、顕微鏡観察で見るべき大事なポイントの一つです📊
- 孔口は円形・角形・迷路状・六角形など属によって特徴的で、サイズと形状がとても重要です🔍
- 世界に約1,800種!特に熱帯・亜熱帯地域で多様性が高いグループです🌏
タマチョレイタケ科(Polyporaceae)は担子菌門最大級の科の一つで、木材腐朽菌として森林生態系で重要な役割を果たしています。いわゆる「サルノコシカケ」の最も典型的なグループで、実際に「サルノコシカケ科」とよばれることもありますが、サルノコシカケという和名の種はありません。子実体の下面に多数の管孔を持つことから「多孔菌類」とも呼ばれます。その形態は傘状から棚状、蹄形まで多様で、ほとんどが白色腐朽菌として木材を分解し、一部の種は薬用きのことしても利用されてきました。
タマチョレイタケ科は担子菌門・ハラタケ亜門・ハラタケ綱・タマチョレイタケ目に属する単系統群です。分類学的歴史は19世紀から続き、特に近年の分子系統解析により大幅な再編成が進んでいます。
最新の研究では、従来のタマチョレイタケ科とマンネンタケ科(Ganodermataceae)を統合する提案もなされています。また、形態的に似ている種の中に遺伝的に異なる隠蔽種が次々と発見され、例えば従来「マンネンタケ」の和名が当てられていたGanoderma lucidumは、実際には複合種であることが判明し、日本に分布するのも別種であることが明らかになりました。今後も分子系統解析と形態学的特徴を統合したアプローチにより、分類体系の改訂が続くと予想されます。
本科でiNat観察記録が世界最多の属で、約195種を含みます。薄い傘状または棚状の子実体と3菌糸型の菌糸構成が特徴です。カワラタケ(T. versicolor)は全てのきのこの中で最も普通な種の一つで、美しい同心円状の模様を持ち、世界的に親しまれています。他にもアラゲカワラタケ、クジラタケ、ヒイロタケ、チリメンタケなど、関東の里山ではありふれた種を多く含みます。
約80種が主に熱帯地域に分布し、多年生で大型の子実体を形成します。顕微鏡で見ると一目瞭然の、二重壁構造の担子胞子が最大の特徴です。子実体は木質で硬く、ニスを塗ったような光沢を持ちます。霊芝(レイシ)として知られるG. lucidumは東洋医学で珍重されてきましたが、実はG. sichuanense(あるいはG. lingzhi)など複数種からなる複合種だったことが判明。コフキサルノコシカケ複合種(オオミノコフキタケを含む)も本属に含まれ、最もありふれた菌群といえます。
以前はタマチョレイタケ属(Polyporus)に分類されていた種の一部が再分類された比較的新しい属です。傘の鱗片状の表面が特徴的で、柄は中心生または偏心生。代表種はアミヒラタケ、キアシグロタケなどです。
蹄形の硬い木質の子実体が特徴。多年生で年輪のような層を形成し、上面は堅い殻皮で覆われます。比較的高標高に分布し、関東の里山ではほとんど見られません。圧倒的に観察記録が多い代表種、ツリガネタケ(F. fomentarius)は「火口(ほくち)」として歴史的に火起こしに利用されました。
下面に迷路状または細長い孔を持つのが最大の特徴。半円形から扇形の薄い子実体で、革質から木質の質感です。世界的にはチャミダレアミタケ(D. confragosa)の観察記録が圧倒的に多いですが、関東の里山ではチャカイガラタケとエゴノキタケが普通に見られます。
タマチョレイタケ科のきのこは主に腐生菌として枯死木や倒木を分解しますが、一部の種は生きた木に寄生することもあります。例えばマンネンタケ属の一部は最初は寄生菌として振る舞い、宿主が死んだ後も腐生菌として木材分解を続けることがあります。
ほとんどの種が白色腐朽菌として、木材中のリグニンとセルロースの両方を分解します。これにより森林生態系の物質循環に欠かせない役割を果たすほか、特定の昆虫や微生物の生息場所も提供しています。一年生の種は特定の季節に発生しますが、多年生の木質種は冬季でも観察可能で、一年を通してきのこ観察を楽しめます!
野外での同定ステップ:①生育基質(樹種および生木/枯れ木のどちらか)を確認 → ②子実体の形状(傘状・棚状・蹄形)と質感(軟質・革質・木質)をチェック → ③上面の色・模様(同心円など)を観察 → ④下面の孔の形状(円形・角形・迷路状・六角形)と大きさを確認 → ⑤柄の有無と位置(中心/偏心生/側生/無柄)を記録 → ⑥一年生か多年生か(断面の生長層の有無)を判断。ここまでしっかり記録すれば、顕微鏡なしでもかなり絞り込めます!顕微鏡で見ても胞子を作っていないことがあり、担子器の観察もしばしば困難ですが、菌糸構成は重要なヒントになります。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。