🗓️ 最終更新日: 2025-07-28
- 傘状で硬いコルク質~木質の子実体を形成する白色腐朽菌のグループです🍄
- 街路樹や公園樹の大敵である重要かつ危険な病原菌、ベッコウタケを含む属です🚨
- 管孔層は白色~帯灰クリーム色で、孔口は円形で孔壁が厚いのが特徴です
- 2菌糸型で、骨格菌糸は強いデキストリノイド性を示します🔍
- 担子胞子は類球形~扁桃形で厚壁。截形ではなく、デキストリノイドでCB+反応を示します
- 主に広葉樹の生木や枯死木に発生し、特にトネリコ属やサクラ類での発生が有名です🌳
- キンイロアナタケ属(Perenniporia)に似ていますが、形態と分子系統の両面から独立した属として確立されています📚
ファンデルベイリア属(Vanderbylia)は1973年にReidによって設立された属で、以前はキンイロアナタケ属に含まれていた種も含みます。樹木の根株心材腐朽菌として最重要の種、ベッコウタケを含む属です。
ファンデルベイリア属は担子菌門・ハラタケ綱・タマチョレイタケ目・タマチョレイタケ科に属します。小さな属で、日本ではベッコウタケのみが知られています。
最新の分子系統解析により、本属は狭義のキンイロアナタケ属とは系統的に離れた位置にあることが確認されました。2019年のCuiらの研究では、ミトコンドリアゲノム解析でマンネンタケ属(Ganoderma)との近縁性が示唆されるなど、興味深い系統関係が明らかになっています。
本属で最も普通に見られる種で、iNat観察記録も最多(約900件)。多年生の子実体を形成します。幼菌はカスタードクリームか卵の黄身のような色をしており、丸っこい瘤状ですが、成熟すると和名の通り、鼈甲のような光沢のある大きな褐色の傘を作ります。種小名の通りトネリコ属を主要宿主としますが、クリ属、コナラ属、ニレ属、ヤナギ属、サクラ属、ユリノキ、プラタナス、イチョウなど幅広い広葉樹に発生します。根際や樹皮の割れ目から発生する傾向があります。
ファンデルベイリア属の種は森林生態系における重要な木材腐朽菌で、セルロース、ヘミセルロース、リグニンを分解して栄養循環に貢献しています。寄生性と腐生性の両方の生活様式を示し、生木に病原菌として寄生することもあれば、枯れ木に発生することもあります。
地理的分布は種によって異なり、ベッコウタケはヨーロッパ、アジア、北米に広く分布、V. robiniophilaは中国東北部を中心とした東アジア、V. vicinaはアフリカ南部に限定されます。
同定のコツ:ベッコウタケは、野外ではしばしばスルメタケとの混同が問題になりますが、肉眼的には識別困難なことも多いです…!傘にスルメのような臭いがあったり、地面から生えていればスルメタケっぽさが増しますが、確実な同定には顕微鏡で観察したいところです。ベッコウタケは胞子が類球形で厚壁、デキストリノイド反応を示すのが識別点で、スルメタケに見られるような先端に結晶を伴うシスチジアはありません。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。