🗓️ 最終更新日: 2025-06-09
- 木材腐朽菌のグループで、多年生の大型で硬い子実体を形成します🍄
- 表面の光沢で大きく2つに分かれ、ラッカー状の光沢あり(マンネンタケ型)と光沢なし(コフキサルノコシカケ型)のグループがあります✨
- 最大の特徴は二重壁構造の担子胞子で、内壁は褐色で装飾があり、外壁は無色平滑です🔍
- 子実体は年輪状の環紋を持ち、新しい管孔層が順次形成されて大型化します📏
- 種によって柄の有無が異なり、マンネンタケ型は通常柄を持ち、コフキサルノコシカケ型は無柄か短い柄です
- 肉の色が重要で、桃色〜肉桂色(マンネンタケ型)と褐色(コフキサルノコシカケ型)に分かれます🎨
- 宿主は広葉樹・針葉樹・ヤシ類など種によって異なり、白色腐朽を引き起こします🌳
- 「霊芝」として売られているものは、実は複数の種が混在していることが分子系統解析で明らかになりました💡
マンネンタケ属(Ganoderma)は世界中に分布する大型の木材腐朽菌で、多年生の硬い子実体を形成します。樹木に対して病原性を持つ種も含みます。最大の特徴は担子胞子の胞子壁が二重になっていることで、これが決定的な識別形質となっています。表面が光沢のあるマンネンタケ型(Ganoderma亜属)と、光沢のないコフキサルノコシカケ型(Elfvingia亜属)に大別されます。
マンネンタケ属は担子菌門・ハラタケ綱・タマチョレイタケ目・タマチョレイタケ科に属します。かつてはマンネンタケ科に含まれていました。1881年にKarstenによって創設され、当初はG. lucidumの1種のみからなる属でしたが、現在では世界中で約80種が認められています。
分子系統解析により、本属は6つの単系統群に分けられることが判明しました:G. colossusグループ、G. applanatumグループ、G. tsugaeグループ、アジア産G. lucidumグループ、G. meredithiaeグループ、G. resinaceumグループ。特に「霊芝」として知られるG. lucidumは実は複合種で、ヨーロッパ産の真のG. lucidumと東アジア産のG. lingzhi(G. sichuanense)は別種であることが確認されました。
汎世界的に分布する種で、「粉吹き」の和名の通り、光沢のない褐色の表面が赤褐色の胞子の粉に覆われます。子実層面に傷をつけると褐色に変色するのも特徴。幅3-50cm、厚さ1-10cmの大型の子実体を形成し、光沢はなし。顕微鏡的には骨格菌糸の末端が分岐しないのが特徴。主に広葉樹の生木や枯死木に発生し、白色腐朽を引き起こします。樹木医の間では「コフキタケ」とよばれることが多いです
「マンネンタケ」の和名は従来この学名に当てられてきましたが、真のG. lucidumはヨーロッパと中国の一部に限って分布することが明らかになりました。つまり、日本に分布するのは別種と考えられます。傘は赤褐色でラッカー状の光沢があり、通常は明確な柄を持ち、柄にも同様の光沢があります。肉は桃色〜肉桂色でコルク質。市販の「霊芝」の多くは実は別種です。
長らくG. lucidumと誤同定されてきた東アジア産の薬用きのこ。日本で見られるのはこの種の可能性があります。「霊芝」とよばれて売られているのも多くはこの種。学名については争いがあり、G. sichuanenseのシノニムとされることもあります。形態的には真のG. lucidumに酷似しますが、分子系統解析で明確に区別されます。なお、針葉樹に発生するものはマゴシャクシ(G. carnosum)という別の種に同定されています。
東アジアと北米に分布し、針葉樹、特にツガ属やモミ属に特異的に発生する種。マンネンタケと同様に光沢のある赤褐色の表面を持ち、肉は淡色〜白色でより薄い色です。また、柄はマンネンタケよりもずっと短いのが普通です。分子系統解析ではG. oregonenseと姉妹群を形成し、ヨーロッパ産の真のG. lucidumに最も近縁とされます。
光沢のないグループ。広葉樹に発生し、世界的に分布しています。コフキサルノコシカケに酷似していますが、担子胞子がより大きく、柄の特徴や殻皮の厚さで区別されるといいます。一般的にはコフキサルノコシカケより低い標高に分布するといわれているので、関東の里山で見られるのは本種の可能性が高いです。形態的な変異が大きく、遺伝的にも高い多様性を示すといわれています。
マンネンタケ属の菌類は世界中に分布しますが、特に熱帯・亜熱帯地域で多様性が高いです。全て木材腐朽菌で、白色腐朽を引き起こしてリグニンとセルロースを分解します。多くは腐生菌として枯れ木に発生しますが、一部は生きた樹木の寄生菌となり、林業・農業上の重要病害を引き起こします。
特にシマサルノコシカケは東南アジアのアブラヤシプランテーションで病害を引き起こし、多大な経済的損失を引き起こしています。小笠原諸島や南西諸島でも、「南根腐病」の病原菌としてビロウの仲間などに発生し問題になっています。一方で、マンネンタケ属菌の多年生の子実体は永く残るので、昆虫や小動物の生息場所となり、森林生態系で重要な役割を果たしています。
同定の決め手:まず、本属の亜属レベルの識別ポイントとして、表面の光沢の有無と肉の色(桃色系か褐色系か)を確認。柄の有無、宿主植物、地理的分布も重要です。さらに正確な同定には担子胞子のサイズと形状の顕微鏡観察が必要ですが、コフキサルノコシカケとオオミノコフキタケの区別は図鑑とにらめっこしても困難。また、マンネンタケも複数種が混在しているので、分子系統解析なしに種を特定するのは難しいのが現状です。同定できるところまでに留めておきましょう。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。