🗓️ 最終更新日: 2025-07-12
- タマチョレイタケ科なのに柔らかめで傘を持つ子実体を形成するグループです🍄
- 同じ属内に襞を持つ種と管孔を持つ種の両方が含まれ、形態的に多様です✨
- 子実体は革質~コルク質で、乾燥に強く長持ちする性質があります
- 菌糸構成は2菌糸型または3菌糸型で、生殖菌糸にクランプを持つのが特徴📊
- 多くの種が熱帯・亜熱帯地域に分布し、日本では限られた種のみです🌴
- 白色腐朽菌としてリグニンとセルロースを分解する重要な生態的役割を持ちます
- 胞子は楕円形~円筒形で、非アミロイド性です🔍
- 傘に鱗片状の模様を持つ種が多いです
ケガワタケ属(Lentinus)は全世界で100種以上が知られる大きなグループで、特に熱帯・亜熱帯地域で多様性が高く、白色腐朽菌として森林生態系で重要な役割を果たしています。このグループは系統的にはサルノコシカケの仲間なのに、「普通のきのこ」の形(ハラタケ型)をしているという面白い特徴があります。さらに興味深いことに、同じ属内に襞を持つ種と管孔を持つ種が混在しており、形態だけでは系統関係がわからないことを示す好例となっています。L. tigrinusでは、同じ種でもアガリコイド(ハラタケ型)とセコティオイドの2型をとる、という特殊な事例が知られています。
ケガワタケ属(Lentinus)は担子菌門・ハラタケ綱・タマチョレイタケ目・タマチョレイタケ科に属します。かつてPeglerはPanusとLentinusを統合した広義のLentinus属を提唱しましたが、現在は分子系統解析の結果を基に別属として扱われています。属内ではさらに5つの節(Lentinus、Tigrini、Dicholamellatae、Rigidi、Lentodiellum)に細分されます。
最も驚くべき発見は、従来タマチョレイタケ属に分類されていたサルノコシカケ型の種(P. arcularius、P. brumalisなど)が、実は本属に含まれることが判明したことです。これにより現在のLentinus属は、襞を持つものと管孔を持つものの両方を含む形態的に多様なグループとなりました。進化的には、管孔の方が襞よりも祖先的な形質とされています。
世界的に最も普通に見られる種で、六角形の大きな管孔を持つ多孔菌型の代表種です。傘は淡褐色から濃褐色で、縁部に細かい毛(縁毛)があるのが特徴。「spring polypore」の英名の通り、春の代表的な硬質菌の一つですが、子実体が頑丈なこともあり、春に限らず長期間見られる傾向があります。広葉樹の枯れ枝に発生します。
アミスギタケに似た多孔菌型ですが、より暗色の傘を持ち、表面は鱗片ではなく短い毛に覆われ、縁毛もないことで区別されます。傘は最大10cmほどになり、中央部が凹むことが多いです。孔口は小さな円形で、肉質は強靭。エゾノアミスギタケは本種に類似しますが、春に発生し、孔口がより小さいです。
熱帯アジア・アフリカに分布し、柄に明確なつばを持つことが最大の特徴。若い子実体は壺状、成熟するとエリンギに似た形状になります。子実体の出始めの頃は柔らかく食用になり、アジアでは栽培もされています。海外ではウスヒラタケに誤って本種の古い学名、Pleurotus sajor-cajuが当てられていたことがあるようです。
ケガワタケ属の全ての種は腐生菌として機能し、白色腐朽菌として木材のリグニンとセルロースを分解します。これにより森林生態系における物質循環で重要な役割を果たしています。多くの種は広葉樹の倒木や枯れ枝に発生しますが、一部の種は埋もれた木材から発生し、地上生のように見えることもあります。
分布の中心は熱帯・亜熱帯地域ですが、温帯地域にも適応した種が存在します。発生時期は種により異なり、アミスギタケは春の指標種、オツネンタケモドキは越年性と、それぞれ特徴的な季節性を示します。一部の種は河川環境と関連して生育するなど、特殊な生態的地位を占めるものもあります。熱帯アジアやアフリカで利用されるケガワタケやネッタイカワキタケ、アマゾン先住民に利用されるL. crinitusのように、食菌として重要な種も含まれます。
実用的な同定の流れ:①まず子実層托のタイプを確認(襞か管孔か)→②管孔なら孔口のサイズと形状、傘縁の毛の有無をチェック→③襞を持つなら傘の鱗片パターンとつばの有無を確認→④革質〜コルク質の質感と発生基質を記録→⑤可能なら顕微鏡で菌糸構成(1菌糸型・2菌糸型・3菌糸型)を観察。この手順でかなり種が絞り込めるはずです!
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。