🗓️ 最終更新日: 2025-07-19
- 子実体は側面で基質に付着(側生)し、柔らかい扇形または貝殻形の傘を持つのが最大の特徴です🍄
- 柄は短いか存在せず、存在する場合も偏心生(中心からずれた位置)のものが多いです(例外はエリンギ)
- 襞は柄に沿って垂生し、胞子紋の色は白色~淡紫灰色です✨
- 多くの種は広葉樹の枯死木や倒木に発生する白色腐朽菌ですが、エリンギはセリ科植物の根に寄生する病原菌です🌱
- 傘の色は種により白色・灰色・褐色・桃色・黄色と多様で、環境により変化しやすいです🎨
- なんと線虫を捕食(捕捉)する能力を持ち、毒素で麻痺させてから栄養源として利用します!🔍
- 顕微鏡では平滑で細長い円筒形の胞子とクランプのある菌糸が観察できます
- 栽培では麦わら、籾殻など様々な農業残渣を基質として利用できる高い適応性を示します♪
ヒラタケ属(Pleurotus)はその名の通り、平たく横向きに生えるきのこの代表格。世界中で栽培される重要な食用きのこで、なんと線虫を捕食する能力まで持つ多才な菌類です!形態変異が大きく、厳密に種同定しようとすると難しいですが、最新の分子系統解析により隠れていた多様性が明らかになってきました。
ヒラタケ属は担子菌門・ハラタケ綱・ハラタケ目・ヒラタケ科(Pleurotaceae)に属する単系統群です。近縁属にはヒメムキタケ属(Hohenbuehelia)があり、共通の祖先から分岐したことが分子系統解析で確認されています。
歴史的には1871年にKummerによって定義されましたが、それ以前は広くハラタケ属(Agaricus)に分類されていました。その後、Lentinus、Omphalotus、Panellus、Pleurocybellaなど多くの種が他属へ再分類されています。
最も普通に見られる種で、傘は最大30cmほど。変異幅が大きく、白色から灰色、茶色まで変化します。ブナの切り株に好んで発生し、北半球の温帯地域に広く分布。エノキタケとともに冬のきのこの代表格で、秋から早春(10月〜4月)が発生シーズン。苦扁桃のような香りが特徴的とされます。新聞紙や農業残渣のような幅広い基質に発生し、高温に適応し、生長が速く栽培しやすいため、熱帯から寒冷地まで世界中で栽培されています。日本ではエリンギにその座を奪われてしまいましたが、かつてはスーパーでよく売られていました。
鳥のトキに喩えられる美しい桃色が印象的ですが、白色型も存在します。傘は小型で、主に熱帯・亜熱帯地域に分布。2菌糸型(dimitic)の菌糸からなる点で他種と区別されます。様々な広葉樹の材上に発生し、藤棚で見られることが多いです。
他のヒラタケ属菌と異なり、太くしっかりした中心生の柄を持つのが特徴。傘は最大15cmほど。セリ科植物の根や根茎に発生し、弱い寄生性を示す珍しい生態で、学名も宿主のヒゴタイサイコ属(Eryngium)に由来します。地中海地域や中東が原産で、当地では冬から春に発生します。日本には分布していませんが、盛んに栽培されており、アワビのような歯応えが人気で、今では食卓の常連です。
鮮やかな黄色〜黄金色の傘が美しく、密集して群生する傾向があります。関東の里山では見られませんが、宿主であるニレ類の生えている地域に行けば、所によっては珍しくないきのこです。独特の強い芳香を持つことも。栄養価に優れており、東アジア原産ですが、現在は世界各地で栽培されています。ただし、北米では2010年頃から野生化し、侵略的外来種として急速に分布拡大中です。
ヒラタケ属は主に広葉樹の白色腐朽菌として機能し、強力なリグニン分解酵素(ラッカーゼ、マンガンペルオキシダーゼなど)により木材を効率的に分解します。一部の種は針葉樹材も分解可能です。石油や多環芳香族炭化水素の分解能力を持ち、バイオレメディエーションへの応用も期待されています。
最も驚くべき特性は線虫捕食能力です!菌糸上のトキソシスト (toxocysts) と呼ばれる特殊構造から3-オクタノンという揮発性ケトンを放出し、線虫の細胞膜を破壊して麻痺させてから栄養源として利用します。この能力は窒素源の乏しい環境での適応と考えられています。線虫に対する反応として「こぶ」を形成することがありますが、見た目が悪くなるので「白こぶ病」として問題になることもあります。
同定のコツ:側生の大型きのこはまず本属を疑います。襞が柄に垂生するか確認し、発生基質(広葉樹?針葉樹?)と季節を記録しておいてください。地域と季節で絞り込めば、主要種の識別は可能です。スギヒラタケとの混同には要注意!タモギタケはその色から一目瞭然です。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。