🗓️ 最終更新日: 2025-07-10
- 腐朽材を青灰色〜黒色に変色させる菌で、有性・無性両世代を持ちます🪵
- 無性世代はDendryphiopsis型とSporidesmium型の2型があり、分生子柄は大型で分枝しないか、あるいは特徴的な分枝様式を示します🔍
- 分生子は円筒形〜倒棍棒状で複数の隔壁を持ち、淡褐色〜暗褐色を呈します
- 有性世代の子実体は直径0.5mmほど。球形〜類球形で暗褐色〜黒色、中央に孔口があります✨
- 子嚢胞子は楕円形でオリーブ褐色〜暗褐色、1-2隔壁を持ちます
- クロイボタケ綱に属し、2017年に独立のキルシュシュタイニオテリア目(Kirschsteiniotheliales)として再分類されました📚
- 温帯〜亜熱帯の湿潤な森林内の腐朽材に生育する分解者です🌲
- 日本では2025年にK. chibaensisが初記録されました🗾
キルシュシュタイニオテリア属(Kirschsteiniothelia)はきのことカビの2つの形をとる菌です。腐朽材を特徴的な青灰色〜黒色に変色させることが知られています。1985年にHawksworthによって設立され、当初はプレオスポラ科に置かれましたが、分子系統解析により独立した目として再分類されました(Hernandez-Restrepo et al., 2017)。有性世代と無性世代を持ち、環境条件に応じて使い分ける興味深い生活史を示します。
キルシュシュタイニオテリア属は子嚢菌門・クロイボタケ綱・プレオスポラ亜綱(Pleosporomycetidae)・キルシュシュタイニオテリア目・キルシュシュタイニオテリア科(Kirschsteiniotheliaceae)に属します。
最新の系統解析では、本属は真のKirschsteiniothelia、Morosphaeria移行群、Halokirschsteiniotheliaの3つのグループに分かれることが明らかになっています。
属の基準種で、世界的に最も普通に見られる種。iNatでは属内最多の観察記録がありますが、それでも僅か十数件です…。腐朽した広葉樹材を青灰色〜黒色に変色させるのが特徴的。温帯〜亜熱帯地域に広く分布し、皮下真菌症の原因菌としても報告されています。分生子柄は直立して頂部付近で盛んに分枝し、分生子は中型で3-5隔壁を持ちます。
日本初記録の本属菌で、ヒメコマツのかさぶたがんしゅ病菌として千葉県で発見された種です。分生子は大型で5-13隔壁を持ち、褐色〜黒褐色を呈します。元々はScolecostigmina chibaensisとして2007年に記載されましたが、2025年の分類学的再検討により本属に移行されました。幹や枝に変色や癌腫などの病徴が現れます🌲
キルシュシュタイニオテリア属菌は基本的には腐生菌とされており、森林生態系における重要な分解者の役割を担っています。特に木材を青灰色〜黒色に変色させる能力は、リグニンやセルロースの分解過程で生じる色素によるもので、材質腐朽の指標となります。しかし、一部の種は植物や動物に対する病原性も知られています。
本属菌は、栄養条件が良好で安定した環境では無性世代(主にDendryphiopsis型)の分生子を大量に形成して迅速に分散し、環境ストレス下では有性世代の子実体を形成して遺伝的多様性を確保すると考えられます。
近縁属との識別ポイント:分生子柄が分枝または非分枝で、分生子形成様式はモノトレト型(monotretic)。類似のCorynespora属やSporidesmium属とは分生子形成様式で区別されます。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。