🗓️ 最終更新日: 2025-05-25
- 分枝しないか僅かに分枝する尖った子実体を形成します🪸
- 菌糸構造は必ず2菌糸型(dimitic)で、生殖菌糸と骨格菌糸を持ちます🔍
- シスチジアが通常存在し、これが近縁属との重要な識別形質です✨
- 色彩はクリーム白色~褐色で、柄のみ暗色になることがあります
- 胞子は球形~類扁桃形で9μm以下、無色平滑です
- 枯木・落葉・草本植物の茎上に発生する腐生菌です🍂
- 一部の種(シダレハナビタケ)では下向きに成長する特徴があります
- 2020年にDeflexula属が統合され、現在42種を含む属となりました📊
プテルリシウム属(Pterulicium)は、繊細な子実体を形成する小型の腐生菌です。形態的には珊瑚状(コラロイド)のきのこに分類されますが、針状の尖った部分が目立つので、あまりその印象はないかもしれません…。2020年の分子系統解析による大規模な再分類で、従来のフサタケ属(Pterula)から独立し、同時にDeflexula属が統合されて現在の形になりました。2菌糸型(dimitic)の菌糸構造とシスチジアの存在が、この属を識別する最も重要な顕微鏡的特徴です。
プテルリシウム属は担子菌門・ハラタケ目・フサタケ科(Pterulaceae)に属します。1950年にCornerによってP. xylogenumを基準種として設立された当初は単型属でしたが、2020年にLeal-Dutraらによる3遺伝子座を用いた分子系統解析により、従来のPterula属が多系統群であることが判明しました。
この研究により、フサタケ科はPterula、Myrmecopterula、Pterulicium、Phaeopterulaの4属に再編成され、同時にDeflexula属(1950年設立)がPterulicium属に統合されました。この再分類により53の新組み合わせが提案されています。
本属で最もiNat観察記録が多い種で、束生する子実体を形成します。フサタケ科としては珍しい球形の胞子が特徴的で、これは旧Deflexula属由来の形質です。主にオーストラリアやニュージーランドに分布し、下向きに成長する独特の習性を持ちます。
主にヨーロッパに分布する、2-10mmの細い髪の毛状で類白色の珊瑚状子実体を形成する小型種。先端は鋭頭で、胞子は長楕円形(5.5-7.5×3-4μm)。最大の特徴は強い不快な化学的臭気を放つことで、これは本種の重要な識別形質となります。落葉や草本植物の茎上に発生。
クリーム色で単純またはわずかに分枝する典型的なPterulicium型の形態を示し、シダレハナビタケと同様に下向きに垂れ下がります。胞子は楕円形。湿潤な森林環境で枯木上に発生します。
本属の基準種で、1950年の属設立時に指定されました。タケ類の病原菌として知られ、本属では珍しく植物病原性を示します。類扁桃形の胞子を持ち、シスチジアの有無は変異があります。
プテルリシウム属の菌類は主に腐生性で、枯死した木材、落葉、草本植物の残渣を分解して栄養を得ています。これにより森林生態系の物質循環において重要な分解者として機能しています。また、P. xylogenumは例外的に強力なタケの病原菌として知られています。
生育環境は湿潤な森林内が中心です。分布は南極を除く全大陸に及び、熱帯から温帯地域まで広範囲に生息しています。
野外同定のコツ:フサタケっぽいきのこを見つけたら、分枝の程度を確認しましょう!フサタケはかなり盛んに分枝しますが、本属菌は小型で、分枝しないか、僅かに分枝する程度です。屈曲したり垂れ下がったりする種も多いです。顕微鏡では2菌糸型であることの確認が決定的です!特にシダレハナビタケは、図鑑の写真が似ているサガリハリタケと迷っている人が多いと思いますが、シダレハナビタケは背着生部分がなくより立体的(垂直に垂れ下がるサガリハリタケと対照的!)であること、シスチジアを有すること、2菌糸型であることを確かめれば識別できます♪
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。