🗓️ 最終更新日: 2025-06-23
- 木材表面に扁平で黒色の炭化した殻皮状子座を形成します🖤
- 子嚢胞子は小型で淡褐色、楕円形で左右非対称という独特な形です🔍
- 無性世代はlibertella型で、他のXylariaceae科の多くがnodulisporium型である点と異なります✨
- クスノキ科(Lauraceae)やフトモモ科(Myrtaceae)の材を好む傾向があります🌳
- 子嚢殻の間に白色の菌糸組織が見られるのが近縁属との識別点です
- 現在3種が認識され、クスノアザコブタケ(W. microplaca)が最も普通種です📊
- クスノアザコブタケは関東のタブノキ林では、里山のクロコブタケ並みにありふれた種です🧫
クスノアザコブタケ属(Whalleya)は木材腐朽菌からなる子嚢菌の小グループで、1997年にクロイタタケ属(Biscogniauxia)から分離・新設された比較的新しい属です。材表面に形成される黒色の炭化した殻皮状の子座が特徴的で、特にクスノアザコブタケは際立って観察記録が多い種として知られています。無性世代がlibertella型であることや、小型で淡褐色の子嚢胞子を持つことが近縁属との重要な識別点となっています。
クスノアザコブタケ属は子嚢菌門(Ascomycota)・フンタマカビ綱(Sordariomycetes)・クロサイワイタケ目(Xylariales)・クロサイワイタケ科(Xylariaceae)に分類されてきました。しかし最新の分子系統解析により、その分類学的位置づけは流動的で、ロパドストロマ科(Lopadostomataceae)やシトネタケ科(Diatrypaceae)との関連性も示唆されています(Wendt et al., 2017)。
本属は1997年に、元々クロイタタケ属やNummularia属に含まれていた種から独立させられました。特にlibertella型の無性世代を持つことが、他のクロサイワイタケ科の多くがnodulisporium型やgeniculosporium型である点と大きく異なり、系統学的に興味深い位置にあることを示しています。
本属で最も観察記録が多い種で、材表面に黒色の薄いあざのような子座を形成します。子嚢胞子は比較的小型です。北米やアジアに広く分布し、世界的には特にPhoebe属(クスノキ科)などの木材上で見つかります。関東では沿岸部でタブノキの落枝に非常に頻繁に見られます。
クスノアザコブタケ属の菌類は全て木材腐朽菌(腐生菌)として機能し、森林生態系における重要な分解者の役割を果たしています。落枝や倒木などの木質基質上に発生し、リグノセルロースの分解を通じて栄養循環に貢献しています。温帯から熱帯まで広い地域に分布します。
興味深いことに、最近の研究ではクスノアザコブタケが植物の内生菌(エンドファイト)としても機能することが明らかになっています。宿主の葉に無症候性に生息し、植物との共生関係を形成している可能性があります。
同定のコツ:クスノキやタブノキのある森で材に黒いあざを見つけたら、本種の可能性大!クロイタタケ属やシトネタケ属、クロサイワイタケ科のきのこと見分けるために、できれば顕微鏡で子嚢胞子を確認しましょう…!小型で淡褐色、楕円形左右非対称なら確信度UPです。特に子嚢殻間の白色菌糸組織は近縁のクロイタタケ属との重要な識別点です。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。