🗓️ 最終更新日: 2025-05-24
カタウロコタケ属は、まるで割れた陶器片のような不思議な外観を持つ硬いキノコの仲間です。1881年にカールステンによって設立されたこの属は、木材に特殊な「孔状腐朽」を引き起こす能力を持ち、森林生態系で重要な分解者として機能しています。触ると本当にセラミックのような質感があり、英語では「ceramic fungus」とも呼ばれています。
カタウロコタケ属(Xylobolus)は担子菌門・ベニタケ目・ウロコタケ科に属する木材腐朽菌です。当初はStereum属の一部でしたが、楕円形の担子胞子、多数の有刺シスチジア、導管菌糸様シスチジアの欠如により独立属として認識されるようになりました。
2020年のCao & Heによる最新の分子系統解析では、ITS配列データに基づき本属は6種(X. annosus、X. austrosinensis、X. frustulatus、X. gongylodes、X. princeps、X. subpileatus)から構成される単系統群を形成することが示されました。一方、以前含まれていたX. spectabilisなどは他属への移行が提案されています。
本属の基準種で、iNat観察記録が最多(7,824件)。3-25cm幅の陶器片状の集合体を形成し、個々の「タイル」は不規則な多角形。上面は滑らかで白〜淡褐色、側面は黒色。コナラ属の十分に腐朽した材のみに発生し、主に倒木の側面に見られます。夏に胞子形成が活発。
iNat観察記録1,286件。傘状の構造がより発達し、幅2-20cm、奥行き1-3.5cm。上面は暗褐色〜黒色で同心円状の帯と溝を持つ。下面の子実層は淡灰色〜淡褐色。様々な広葉樹に発生するが、やはりコナラ属を好む。南極を除く全大陸に分布。
中国南部の亜熱帯〜熱帯地域に分布。厚く膨らんだ子実体を形成し、胞子は卵形〜類球形(4-4.5×2.8-3.5μm)。有刺担子器(先端に突起を持つ担子器)を持つ点でX. frustulatusと区別されます。
X. princeps(オオウロコタケ、西ジャワ原産)、X. annosus(スリランカ原産、X. princepsのシノニムの可能性)、X. gongylodes(パラグアイ原産、より長い胞子を持つ)の3種も本属に含まれます。これらは分布が限定的で観察記録も少ない種です。
カタウロコタケ属の全ての種は腐生菌として枯死材を分解し、森林生態系の物質循環に重要な役割を果たしています。最大の特徴は「孔状腐朽」と呼ばれる特殊な木材分解様式で、リグニンとヘミセルロースをセルロースより速く分解する「選択的分解者」として機能します。
多くの種がコナラ属(Quercus)に高い宿主選好性を示しますが、X. subpileatusのように様々な広葉樹に発生する種もあります。主に夏季に胞子形成が活発になり、秋と早春の標本では不稔性のものが多く見られます。Hypomyces xyloboliというカビに寄生されることもあります。
陶器のような質感の秘密:カタウロコタケの硬い質感は、菌糸系が「2菌糸型」であることに由来します。通常の生殖菌糸に加えて、厚壁の骨格菌糸が発達することで、木質のような硬さを実現しています。また、多数の有刺シスチジア(小さなボトルブラシ状の細胞)が子実層を覆い、独特の微細構造を形成。孔状腐朽という特殊な分解能力と合わせて、まさに自然界の芸術家といえるでしょう!
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。