🗓️ 最終更新日: 2025-11-02
- 子実体は漏斗形または角笛状で、中央が大きく開いた独特の形状です🎺
- 最大の特徴は柄が中空であること!断面を見れば一目瞭然✨
- 傘と柄の区別が不明瞭で全体が一体化している印象です
- 襞は持たず、子実層面は平滑または皺状の偽襞を形成します🔍
- 子実体の色は種により多様で、黒・灰色・茶色・黄色・橙色など🎨
- 肉は比較的薄くて軽いのが特徴で、乾燥保存が容易です
- 胞子紋の色は白色から鮭肉色色まで種により異なります
- 外生菌根菌として様々な樹種と共生し、特にブナ科やマツ科との関係が深いです🌳
クロラッパタケ属は外生菌根菌の一グループで、中空の柄を持つ漏斗形またはラッパ形(海外では主に角笛に喩えられる)の子実体が最大の特徴です。かつて近縁のアンズタケ属(Cantharellus)に分類されていた種の多くが分子系統解析により本属に移され、現在では6つの亜属に整理されています。襞を持たず、平滑または皺状の子実層面を持つことも特徴的で、色彩は黒から黄色まで多様です。多くの種が食用として高く評価され、特に乾燥保存が容易という実用的な長所を持ちます。
クロラッパタケ属(Craterellus)は担子菌門・ハラタケ綱・アンズタケ目(Cantharellales)・カノシタ科(Hydnaceae)に分類されています。かつてアンズタケ科(Cantharellaceae)に属していましたが、近年の分子系統解析により科の再定義が行われ、現在はカノシタ科に含まれています。
本属はアンズタケ属と近縁で、両者は「cantharelloid clade(アンズタケ類クレード)」を形成しています。2000年のDahlmanらの研究により、従来アンズタケ属に分類されていたC. tubaeformis、C. ignicolor、C. lutescensなどが本属に再分類されました。複数の遺伝子マーカーを用いた解析により、本属が単系統群であることが確認されています。
最新の研究では、本属は6亜属(Cariosi、Craterellus、Imperforati、Lamelles、Longibasidiosi、Ovoidei)に分けられています。中空の柄を持つことが本属を特定する重要な共有派生形質と考えられており、この形態的特徴は系統関係を反映しています。
黒〜暗灰色の角笛状子実体を持ち、「黒いトランペット」や「豊穣の角」とも呼ばれる代表種です。しかし、iNaturalistでは観察記録約3,700件と意外と少なめ。これはかつて本種と同定されていた北米産のものが「C. fallax」という別種であることが判明したためです。子実体表面は平滑または僅かに皺があり、子実層面は灰色で平滑から微細な隆起があります。胞子紋は白色(C. fallaxは鮭肉色)で、胞子は広楕円形で平滑。主にヨーロッパの落葉樹林に生育し、特にブナやナラと外生菌根を形成します。近年の研究では単一種ではなく複合種である可能性が示唆されており、ヨーロッパ、北米、アジアでそれぞれ遺伝的に異なる集団が存在するかもしれません。
iNat観察記録は属内最多の約1万件。茶色の傘と黄色の柄を持つ小型のトランペット型子実体が特徴的。傘は中央が凹み、縁は波打ちます。子実層面には灰色がかった明瞭な偽襞があるのが識別ポイントです。かつてはアンズタケ属に分類されていましたが、DNA分析により本属に移されました。主に針葉樹林の苔むした環境に生育し、北半球の温帯から寒帯にかけて広く分布しています。胞子紋は白色で、地理的に分かれた2つの遺伝的グループを形成している可能性があります。
黄色から橙色の子実体を持ち、特に湿った環境に生育します。ミキイロウスタケに似ていますが、より鮮やかな色彩を持つのが特徴です。かつてはアンズタケ属に分類されていましたが、DNA解析により本属に移されました。ヨーロッパや北米、アジアの湿った針葉樹林に分布しており、比較的広い地域で見られます。
クロラッパタケ属の全ての種は外生菌根菌として、主に温帯から寒帯の森林生態系で重要な役割を果たしています。落葉樹林や針葉樹林の地上に発生し、多くの種が苔むした環境を好みます。特にブナ科(ナラ、ブナなど)やマツ科の樹木と外生菌根共生関係を形成し、宿主樹木に水分や養分を供給する一方で、樹木から光合成産物を受け取っています。
種によって宿主範囲は異なり、クロラッパタケは主にブナやナラと、北米型のC. fallaxはバージニアマツと強い関連性を示すなど、一部の種は特定の樹種との関係が深いことが知られています。地理的分布は北半球の温帯地域が中心ですが、近年では特に中国から新種が多く報告されており、アジア地域の多様性も注目されています。
食用きのことして多くの種が高く評価されており、特にクロラッパタケ、ミキイロウスタケ、トキイロラッパタケは商業的に収穫され、乾燥や缶詰にして流通しています。アンズタケ属の種と比べて乾燥保存が容易であるという特徴があり、保存食として優れています。
同定の決め手:①子実体を縦に割って柄が中空かどうかを確認(最重要!)→②全体的な形状(漏斗形・角笛状)と傘と柄の境界が不明瞭であることをチェック→③子実層面に襞がなく平滑〜皺状であることを観察→④子実体の色(黒・茶・黄・橙など)を記録→⑤胞子紋の色を確認(白色か鮭肉色色か)→⑥生育環境(針葉樹林か落葉樹林か、苔の有無)と関連樹種を記録。これらを総合すれば種レベルまで絞り込める可能性が高いです!
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。