🗓️ 最終更新日: 2025-05-25
- 一般的に極めて小型で繊細、傘の直径は通常0.5-5cmという可愛らしいサイズです🍄
- 傘は若い時円錐形〜鐘形で、これが野外でも分かりやすい特徴!縁には普通放射状の半透明条線をあらわします✨
- 柄は細長く中空で、つばやつぼを持たないシンプルな構造です
- 胞子紋は白色で、多くの種が塩素や大根のような特徴的な臭いを持ちます👃
- 一部の種は傷つけると橙色、青色、紫色といった鮮やかな色彩で、傷つけると赤い乳液を出す種も(チシオタケ、アカチシオタケなど)🎨
- 世界に約500種、その中の約70種が生物発光という神秘的な能力を持っています…子実体が光るものもあれば、菌糸体が光るものも!💡
- 主に腐生菌として枯れ木や落葉を分解しますが、最新研究では一部が植物の根と相互作用する可能性もあるとのこと🌱
- 顕微鏡で見るとシスチジアの形状や傘表皮の構造が種ごとに特徴的で、正確な同定の決め手になります🔍
クヌギタケ属は、傘の直径が5cm以下という極小サイズながら、世界中で約500種という大所帯!主に枯れ木や落葉を分解する森の掃除屋さんです。特徴的な傘の鐘形と柄の細長さから、一目でクヌギタケ属と分かることもしばしば。普段見かける大多数の種はあまりこれといった肉眼的特徴がありませんが、赤い「血」を流すチシオタケ、鮮やかな橙色のコガネヌメリタケなど、個性豊かな仲間も含まれています。
クヌギタケ属(Mycena)は担子菌門・ハラタケ綱・ハラタケ目・クヌギタケ科(Mycenaceae)に属します。かつてはキシメジ科に含まれていましたが、2002年の大規模な分子系統解析により独立した科として再分類されました。
分類体系は1947年にSmithが232種を特定し、その後Maas Geesteranusが1992年に38の節に分類したことで基礎が築かれました。しかし分子系統解析により、形態的に区別できない多くの隠蔽種の存在が明らかになり、特にサクラタケ(M. pura)複合種には少なくとも11の系統学的種が隠れていることが判明。ITS領域のみでは種同定が困難な場合も多く、複数の遺伝子マーカーを組み合わせた解析が進められています。
属の基準種で世界的には最も普通に見られる種…ですが、決め手になる形態形質がなく、変異も大きいので、なかなか自信を持って同定できません…。傘は2-4cmで褐色〜淡色と変異が大きく、縁に明瞭な放射状の溝があります。広葉樹や針葉樹の枯れ木に群生し、胞子は8-10×5.5-7μmでアミロイド。
鮮やかな橙色の傘と柄、そして帯赤橙色の襞の縁取り、傘の強い粘性などが特徴的。広葉樹の枯れ木に密集して生え、橙色は抗生物質としての活性も持つleainafulveneという色素によるものです。
その名の通り傷つけると「血潮」のような暗赤色の乳液を出す、不思議な性質を持つきのこ。もちろん本物の血じゃないですよ!赤褐色の鐘形の傘は湿ると濃い赤褐色になり、縁は灰色がかってフリンジ状です。広葉樹の枯れ木に群生し、胞子は7-12×4-7μmでアミロイド。アカチシオタケとは傘と柄の色で区別できますが、傘はむしろチシオタケの方が赤いんですよね…。他には落ち葉から生えるヒメチシオタケという種も「出血」する特徴があります
Calodontes節の代表種で、桃色〜紫色の美しい傘を持ちます。塩素臭または大根臭が特徴的。分子系統解析により、形態的には区別できない少なくとも11の隠蔽種を含む複合種であることが判明。最新研究では純粋な腐生菌ではない可能性も指摘されています。
クヌギタケに似ていますが、上部の柄と傘に黄色の色合い、下部の柄に赤褐色の色合いがあり、若い傘の縁がぎざぎざなことで区別されます。クヌギタケと同様に枯れ木に群生しますが、「clustered bonnet」の英名の通り、かなり密集して大きな塊をなすことが多いです。
クヌギタケ属は主に腐生菌として森林生態系の分解者の役割を担い、白色腐朽菌としてリグニンやセルロースなどの複雑な有機物を分解します。チシオタケやコガネヌメリタケはタケハリカビという別の菌にしばしば侵されているのを見かけます。
特に注目すべきは、サクラタケなど一部の種が実験室条件下で植物の根に侵入し、シラカンバの仲間の成長を促進することが示されたこと。これは腐生菌から共生菌への移行状態にある可能性を示唆しています。また、ヤコウタケ、シイノトモシビタケ、ヒュウガヤコウタケ、ホシノヒカリタケなどの本属菌が示す生物発光は、生態的な意義は他の発光きのこ同様、未知の部分が多いですが、胞子散布を助ける昆虫を引き寄せるか、あるいは捕食を防ぐ機能があると説明されることが多いです。
実用的な同定の流れ:①まず傘のサイズと色を確認(5cm以下の小型種がほとんど)→②傘の縁の条線、柄基部の菌糸体や吸盤の有無など注目すべき肉眼的形質を記録→③傷つけて血や乳液が出るかチェック(チシオタケなど)→④臭いを嗅ぐ(塩素臭・大根臭など…指の腹で押しつぶして!)→⑤生育基質を記録(枯れ木の樹種、腐朽段階…しばしば同定困難ですが)→⑥可能なら顕微鏡で側・縁シスチジアの形状と胞子のアミロイド反応、傘表皮・柄表皮の構造を確認。小さくても形質は豊富なので、様々な情報を組み合わせれば種まで同定できるかも…!?
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。