🗓️ 最終更新日: 2025-06-29
- 樹皮上に広がる薄いコウヤクタケ型の子実体を形成します🍄
- 針状~歯牙状の子実層托が最大の特徴で、他のコウヤクタケ類との区別点です✨
- 質感は蝋質で、これが重要な識別形質です🔍
- KOH(水酸化カリウム)滴下で、種によって特徴的な呈色反応を示します⚗️
- 顕微鏡ではシスチジアの有無と形態、胞子の形状が種の同定に決定的です🔬
- 主に1菌糸型で、菌糸にはクランプが存在します
- 木材腐朽菌として倒木や枯れ枝などの木質基質上に生育し、白色腐朽を引き起こします🌲
- 分子系統解析により多系統群と判明し、現在分類が流動的な状況です📊
コゲチャハリタケ属(Mycoacia)はコウヤクタケ型の木材腐朽菌の一グループで、樹皮上に薄い背着生の子実体と特徴的な針状~歯牙状の子実層托を形成します。世界中の温帯から熱帯にかけて分布しています。近年の分子系統解析により多系統群であることが判明し、属の再編成が進行中の、分類学的にホットな分類群です。
コゲチャハリタケ属は担子菌門・ハラタケ綱・タマチョレイタケ目・シワタケ科に属します。シワタケ科はマクカワタケ科(Phanerochaetaceae)、ウスバタケ科(Irpicaceae)とともにタマチョレイタケ目の主要な3科の一つで、現在約26属に再編成されています。シワタケ科内は4つの主要クレード(Phlebia、Hydnophlebia、Mycoacia、Sarcodontiaクレード)に分かれます
近年の分子系統学的研究により、本属は多系統群であることが判明しました。Mycoaciaクレードには属の基準種M. fuscoatraのほか、Lilaceophlebia livida、Ceriporiopsis gilvescensが含まれます。一部の種はPhlebia属やその他の属への再分類が進んでいます。Sarcodontia udaは本属に含まれたこともありましたが、最新の研究では明確に異なる系統に分かれています(Liu et al., 2022)。
本属で最も観察記録が多い種です(約110件)。赤褐色~焦茶色の子実体と、1-3mm長の細い歯牙状の子実層托が特徴的。KOH滴下で暗赤紫色に呈色するのが決定的な識別点です。顕微鏡では細長く錐状のシスチジアと円筒形の胞子を持ち、菌糸表面は結晶に覆われます。
橙色から褐色の子実体を形成し、KOHで呈色反応を示さないのがM. fuscoatraとの大きな違いです。シスチジアは不在または稀で、ソーセージ型または円筒形でやや厚壁の胞子が特徴的。分子系統解析ではLilaceophlebia属に近縁とされています。
コゲチャハリタケ属の菌類は主に木材腐朽菌として、倒木や枯れ枝などの木質基質上に生育します。白色腐朽を引き起こし、リグニンやセルロースを分解する酵素を分泌することで、森林生態系における重要な分解者としての役割を果たしています。
分布は世界中の温帯から熱帯にかけて広がっており、各種で異なる分布パターンを示します。M. nothofagiは甘い石鹸のような香りがする種として知られています。
同定のコツ:本属菌らしきものは、意外と関東の里山でも見かけます!特に水辺で倒木や落枝をひっくり返すとかなりの頻度で遭遇します。しかし、この仲間は系統的に定まっておらず、日本での研究事例も近年はほとんどなく、Mycoaciella属やSarcodontia属など類似属もあるので、種までの同定は事実上困難かもしれません…。顕微鏡下でもいまいちパッとした構造がなく、油のようなものや結晶に邪魔されて観察しづらいです…。今後の研究の進展を待ちましょう!
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。